ソロモンの偽証 後篇・裁判 感想

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オススメ度: ★★

あらすじ: 1990年のクリスマス。中学2年生の藤野涼子(藤野涼子)と野田健一(前田航基)は校庭で雪に埋もれた遺体を発見する。

その遺体の正体は,涼子たちのクラスメートである柏木卓也(望月歩)であった。
彼の死因は学校の屋上からの転落死であり,事件現場の状況から警察は事故死と断定する。

しかしそれからほどなくして,学校,そして父親が刑事であった藤野の家に謎の手紙が届く。
その内容は,柏木の死は自殺ではなく,学年きっての不良である大出俊次(清水尋也)による殺人事件だったという告発状であった。

その後,涼子たちの担任・森内恵美子(黒木華)に送られた分の告発状の存在が発覚し,それが破られ捨てられていたものが事件のもみ消しを図った証拠と称してテレビ局に送りつけられ,告発状の内容は大々的に報道される。

しかし学校側はこの事実を隠蔽。教師たちは生徒たちに柏木の死の真相をうやむやにしたまま,柏木の死を自殺と決めつけて全てをなかったことにしようとしたのである。

そこに疑念を抱いた涼子は,柏木と生前に友人だったいう謎の少年・神原和彦(板垣瑞生)の提案を受け,警察もメディアも,そして学校側も介入しない,自分たちだけの裁判を行うことによって真実を明らかにすることを決意する...

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宮部みゆきによる同名小説を2部に分けて映画化したうちの後篇にあたる今作。
上映時間が146分と非常に長いのですが,そのわりに薄っぺらい話だったな,というのが正直な感想でした。

私は原作を読んではいないのですが,原作は6冊にも分かれた超大作となっているということから,これでもかなり頑張って短くした方なのだと思います。
そしてそのためか,各キャラクターのバックグラウンドの掘り下げ方や,今回の事件の大筋に関わるアクションを起こすに至る動機が,あまりにも弱すぎる。

特に今回の被害者である柏木くんの描写。ネタバレになるので詳しくは言えませんが,あれじゃただのサイコ野郎ではないですか。今作の最重要人物である彼の掘り下げがもう少しだけでもしっかりしていれば,ストーリー自体にももっと深みが生まれていたと思うのですが。

そのせいで,前篇で張りに張った伏線一つ一つに対するオチがまあ弱いこと弱いこと。
いかにも事件に関係のありそうなアクションを起こしている人物に対して,なぜそんなことをしたのかの理由や動機も大して説明されない。
肝心の裁判のシーンも,最終日以外は全てダイジェストシーンなのかと勘違いするほどサラサラっと右から左へ話が流れていくので,観客が完全に置いてけぼり状態です。
正直,前篇がとても面白かったので後篇の退屈さがより際立ってしまいました。

その退屈さに拍車をかけたのが,中学生たちのオーバーアクト。
前篇ではほとんど気にならなかったのに,今回の裁判シーンでは「台詞読んでます」感がとても強かった。良かったのは主演の藤野涼子さんくらいかな? 力強さと,責任感に押しつぶされそうな儚さを同時に感じさせる演技が素晴らしかったです。

今作では,オーディションで選んだほぼ演技未経験の子供達を一年間かけてみっちり仕込んだということですが,これが舞台ならこれくらいの演技が大正解だと思うんです。
ただこれはあくまで映画なので,むしろ経験の浅い若者たちにありのままの演技をしてもらったほうが,自然でリアリティのある演技になっていたんじゃないかなあ,というのは個人的な意見でした。

とにかく前篇がかなりの良作だっただけに,その伏線回収となるべき今作のモヤモヤっぷりが非常に残念。
涼子たちはとてもスッキリとした表情でラストを迎えていましたが,観ているこっちは爽快感の欠片もなかったっつーの! モヤっと!!(出典: 脳内エステ IQサプリ)

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