進撃の巨人 Attack On Titan エンド オブ ザ ワールド 感想

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オススメ度: ★★☆

あらすじ:

前篇のあらすじ/感想はこちら

突如現れた超大型巨人によって破壊された外壁を修復する任務に赴いたエレン(三浦春馬)たちは、大量の巨人たちに囲まれ危機に陥ってしまう。

人間と巨人の大混戦の中、エレンの幼馴染・アルミン(本郷奏多)が巨人に食われてしまいそうになり、それをかばったエレンは代わりに巨人に飲み込まれてしまう。

しかし次の瞬間、突如謎の黒髪の巨人が現れ、周囲の巨人たちを次々と駆逐していく。
いったいこの巨人は何者なのか? 巨人たちを倒し、自らも負傷した巨人のうなじから出てきたのは、巨人に食われたはずのエレンの姿だった...

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あれ、そんなバカな。お、面白いじゃないか...

いや、すみません、嘘つきました。別に面白いことはなかったです。
しかしとんでもなく酷かったあの前篇を観てからだと、よくぞここまで持ち直したものだと感動すら覚えました。

物語はもちろん前篇の続き、巨人化したエレンが巨人たちを「駆逐」したところから始まります。
それからは原作を読んだ人にはご存知の通り。人間でありながら巨人となることができるエレンは、果たして人類の敵なのか? それとも味方なのか? 拘束されたエレンは軍部の人間に銃を突きつけられ、尋問を受けます。

そのシーンにおける皆さんの演技の、まあなんとオーバーアクションなこと。舞台かよ、と突っ込みたくなるほど「台詞を読んでます」感が満載です。
指揮官役・クバル役の國村隼すらも演技が下手な人みたいに見えてしまっていたので、出演者たちの問題というよりも演出の問題の方が大きいということでしょう。

しかし、主演の三浦春馬くんの大根役者っぷりには大いに笑わせていただきました。
演技のパターンが
①目をひん剥いた驚き顔で後ずさる
②狂ったように叫ぶ
の2パターンしかなく、特にクライマックスシーンでの絶叫は、2015年の映画で最も笑えるシーンと言っても過言ではないでしょう。
まあ他にも笑えるシーンは多々あるのですが、観客の私からすれば映画を観てあそこまで笑えるのもなかなかないので楽しくていいんです。でも、制作側としては、シリアスな物語を展開しているつもりで意図しない笑いが生まれてしまっているのって、一体どういう気持ちなんですかね。

あと個人的に気になったのは、中二病感満載の謎の白い部屋のシーンで、部屋を覆っているのであろう白いカーテン? みたいなものに「たわみ」が見えたところですね。あれで一気に冷めました。幻想的な世界観を作ろうとするのなら、ちゃんと細部までこだわろうよ、っていう。

この映画の製作スタッフは前篇の不評を受けて、要約すると「お前らバカな観客どもは金と技術力だけで押してるハリウッド映画を持ち上げるくせに、俺らが手間暇かけて魂込めて作ったこの作品の価値は見抜けねーんだな!バーカバーカ」みたいな内容の、1mmの役にも立たない「つぶやき」を世界に発信していました。

観に来てくれる人がいないと成立しない「映画」という芸術の世界にいながら、お金を払ってわざわざ劇場に観に来てくれる人に対してそんな悪口を言うのは、せめてそういう細部にまでこだわった作品を作ってから言ってくださいよ、と思ったのは私だけではないはずです。

前篇に引き続き隊員の女の子たちの行動が、恋愛に飢えた女子高生みたいなおバカすぎるものばかりだったり、ストーリーの展開が原作ファンをバカにしたような内容のものばかりだったりするのも、そういう観客を大切にしない心から来てるものなんだな、というのがハッキリわかりますね。

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しかしこの映画にもいいところはあります。

中盤以降は巨人化したエレンが敵の巨人と激しいバトルを繰り広げるのですが、それらのシーンに関しては素直に興奮を抑えられないほどの緊張感と迫力に満ちています。
CGなんだか特撮なんだかわからない巨人たちが、瓦礫の中を大暴れ。これは日本人にとっては古き良き特撮映画の黄金パターンとも言えるもので、我々の中に眠る少年心を呼び覚ましてくれます。

この大迫力のバトルシーンを観たら、それまでプロットに対して募っていたイライラも大分軽減されるでしょう。
まあ、それで終わってくれないのが一筋縄では行かないところなのですが。

製作陣は上記のようにハリウッド映画に対するコンプレックスが強いのか、ラストの展開はまさにハリウッドで今はやりのヤングアダルト小説のもろパクリになっており、最後にもう一笑いを追加してくれています。

それはおそらく、映画評論家である町山智浩さんに脚本を書かせるという、あまりにも不毛すぎる謎の決断のせいでしょう。

そもそも、映画評論家がいい映画を書ける確率って相当低いですよね、正直。
だってそれってつまり、食べ歩きのプロに「あなた、評論家なんだから美味しい料理がどんなものかわかってますよね? そんなあなたなら、誰よりも美味しい料理が作れるんでしょ」と言っていきなりフライパンを持たせてオリジナル料理を作らせるみたいなもので、料理のノウハウをちゃんと学んだことのない人にプロ並みの仕事を期待するのって酷じゃないですか?

そんな人が作った料理は当然、「こういう料理があったらいいな」という自分の願望と、どこかで見て「ああ、あれは美味しかったよな」「あれは一般のお客さんに受けてたよな」っていう既視感の強いものがごちゃまぜになったダークマターができて終わりというのが世の常です。
だからこんな、ハリウッドへの強い羨望と、おそらくは町山さんの「こんな青春時代を送りたかったなあ」という間違った日本の若者像が入り乱れたカオス映画になってしまったのでしょう。合掌。

あの感じだと、続編作る気満々なんですよね、きっと。
ここまで批判されてもまだ続編を作る気があるというのなら、その気概に私は乗りましょう。次回作があるなら、絶望を覚悟で当然観に行きますよ。

ただしその時には、「予算や技術力がハリウッドに負けてるから」なんて言い訳になってない言い訳は無しね。




ちなみに、今作の主題歌であるSEKAI NO OWARIによる「SOS」はかなり完成度が高い楽曲です。こちらも合わせてどうぞ。



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2016/01/28 (Thu) 09:50

超大型巨人より、小さめ巨人の方が表情もあり、人間同士の共喰いのように見えて恐ろしい! 兵士たちが決死の覚悟で、ゾンビのように何度も再生するグロテスクな巨人と戦うシーンは見ごたえがある。立体機動もかっこよく、続編も楽しみ。

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