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セッション (Whiplash) 感想

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オススメ度: ★★★★☆

あらすじ: アメリカ最高峰の音楽学校,シャッファー・コンサヴァトリーに入学したアンドリュー・ニーマン(マイルス・テラー)は,クラスにもあまり馴染めず,ドラマーとしても芽が出ないまま悶々とした日々を送っていた。

そんなある日,一人でドラムの練習をしていたアンドリューの元にある人物が現れる。
学内でも有名な教師であり指揮者である,テレンス・フレッチャー(J.K.シモンズ)だ。彼はアンドリューの才能に目をつけ,アンドリューを彼自身のバンドに引き入れることにしたのだった。

有名な講師からスカウトを受け有頂天になるアンドリューだったが,そこから彼の人生は大きく変わることになるのだった...

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若き天才デミアン・チャゼル監督が,自身の高校でのジャズ・ドラマーとしての経験を生かして書き上げた今作は,今年最もスリリングなサスペンスドラマに仕上がっています。

この映画のすごいところは,アンドリューとフレッチャー講師の関係を通じてアンドリューの内面がどんどん変化していく,あるいは崩壊していく様子を鮮明に描写することに全てを費やしていることにあります。

最初は自分に自身の持てなかったアンドリューが,フレッチャーの求める「完璧」に一歩でも近づきたいという強迫観念にも似たものに駆られることによって,
自分の才能を開花させるために,どれだけの人間らしさを捨てれば良いのかという限界に挑んでいく様が生々しく描かれていること。

そして最終的には2人のエゴがぶつかり合うことによって,予想もできなかった新たな「何か」が生まれていくという過程が,1時間47分という短めな時間の中をみっちりと無駄なく使い,ノンストップで流れていくシナリオは本当に素晴らしい。

そしてそれを支えるのは,アンドリューを演じるマイルス・テラーとフレッチャーを演じるJ.K.シモンズによる最高の演技。

元々ドラマーであるマイルス・テラーによるドラムの演奏は迫力があるし,何よりも段々と精神的に追い詰められていく過程を痛々しくも生々しく演じきった彼の演技は,これまでのキャリアの中でも最高のものと言えるのでは。

そして今年のオスカーで助演男優賞を取ったJ.K.シモンズは,内面の本来持つ優しさと,エゴに塗れた人間の本性という相反する部分を矛盾することなく完璧に演じきった,まさにアカデミー賞ものの奇跡的な演技を見せつけてくれました。

そして最後は,作品ではなく配給会社に対する文句を。
今作の原題"Whiplash"についてですが,これは直訳すると「鞭打ち」という意味で,
今作においては
①フレッチャーによる地獄のレッスン
②ドラマーの職業病であるムチウチ(アンドリューの練習の激しさを表しています)
③劇中で演奏される,ハンク・レヴィによるスタンダードナンバーの曲名
のトリプルミーニングというなかなかに深い題名となっているのですが,日本版では「セッション」というよくわからない題名に変わっていますね。

いつもそうなのですがGAGAさんはなぜ,どんな映画にも無理矢理な邦題をつけるのでしょう? もしタイトルが長すぎて日本人には伝わりづらいタイトルの場合はまだいいのです。
しかし今作のように,たった一言で作品の鍵となる要素をズバリ表現している秀逸なものまで変更してしまうのはいかがなものなのか。映画にとってタイトルは最も重要な要素の一つであることは,映画の配給会社なら理解しているはずだと思うのですが。

...と何はともあれこの映画自体は,今年最高の作品の一つであることは間違い無し。
心も体も震える体験を,ぜひこの映画で味わってみてください。

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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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