図書館戦争 THE LAST MISSION 感想

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オススメ度: ★★★

あらすじ:

近未来の日本では、人権を侵害する表現を規制するための「メディア良化法」によって、不適切とされたあらゆる創作物は、その執行機関である良化特務機関(メディア良化隊)による取り締まりを受けることが決められている。

この執行が妨害される際には、武力制圧も行われるという行き過ぎた内容で、メディア良化法は世間では「世紀の悪法」と呼ばれていた。

それに唯一対抗する力を持っているのが公立図書館である。
図書館法に則って図書隊という防衛勢力を設立した公立図書館は、図書館の敷地内においてのみ、武力行使を用いての検閲拒否を行うことを許可されていたのだった。

その特殊部隊であるタスクフォース所属の堂上篤(岡田准一)と、唯一の女性隊員である笠原郁(榮倉奈々)は、日々理不尽な検閲から図書を守るため奮闘。

そんな彼らの今回の任務は、図書隊が結成されるきっかけとなった重要な書物を、茨城県で開かれる展覧会へ届けること。
しかしその裏では、図書隊を壊滅へと追い込む恐ろしい計画が進行していた...

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メディアやSNSの不適切な報道・発言が場合によっては自殺の引き金にさえなってしまう。

そんな現代において、もしもそれらのメディアが規制を受け、テレビやインターネット、好きな本にさえも自由に見たり読んだりできなくなってしまったら、世の中はどうなってしまうんでしょうか。

現在の我々の日常からは想像もつかない、徹底的な言論統制が支配する世界を具現化してみせたのがこの「図書館戦争」シリーズ。
人権を侵害すると考えられる表現の含まれた図書は問答無用で燃やされてしまう。そんな政府の理不尽に体一つで立ち向かう、「図書隊」と呼ばれる勇敢なヒーローたちの奮闘を描いた物語となっているのです...が...

もう、バカ丸出しなこと言っちゃいますね。これって、「本」がテーマの意味あるんですか?

メディアの検閲に対して合法的に立ち上がることのできた公的機関が唯一「図書館」だったというのはまだわかります。民間のIT企業の社員たちが武装して、サーバールームで銃撃戦を繰り広げてたらとんでもない世の中ですもんね。

シリーズの主人公である女性・が本を守るために命をかける理由も、過去に政府の強引な検閲から救ってくれた図書隊員であり現在の上官である堂島に憧れて、「自分もみんなを守れるようになりたい」と心に誓ったから、というのも納得できます。

でもちょっと待ってください。ここまで、守るべきが「本」でないといけない強い理由って、一つか説明ありましたっけ?

今作における「本」は自由の象徴として用いられており、郁の所属する図書隊は、言論統制によって国民の思想を支配しようとする政府へ立ち向かう者たちとして描かれています。

時には軍事力をも行使して検閲行為を強行しようとする政府に対して、図書隊もこれまた軍事力を駆使して、命がけで本を守り抜きます。

そして、先日放送されたテレビドラマ版も含めると3作目にあたる今作のテーマは、「命をかけてまで本を守る意味とは何か?」というもの。

まあこのシリーズにおける「本」というのはあくまで自由のメタファーであって、それが本でなければいけない強い理由なんてのはもともとない、っていうのは承知ではあるんですよ。

しかしそれを差し置いても、「あらゆるメディアが検閲されて、表現の自由が奪われた世界」なんていう面白そうな舞台設定なのに、それによって国民の思想が受けた影響だったりとか、逆に本を読むということが我々にどんないい影響を与えてくれるのか、というのがほとんど描かれていないのが残念。

こうなってくると、今回の悪役である手塚彗(松坂桃李。 表情で語る演技が素晴らしい!)の主張する、「図書隊が命がけで戦っても、国民は誰も気にかけてなんかいない。世界は変わらない」という主張の方がむしろ真実味を帯びて見えたのは私だけなんでしょうか。

そのせいか、予告編でも流れている石坂浩二による感動のスピーチも、「あれ、結局は本って関係なくない?」っていう風に見えてきちゃってイマイチ共感できませんでした。うーん...

しかし、相変わらず戦闘シーンの銃撃戦やアクションにはそれなりの迫力があるし、岡田准一と榮倉奈々のカップルはとってもチャーミングで目を離さずにはいられないし、榮倉奈々のクライマックスでの疾走は素直に心を揺さぶります。

私みたいな邪念にまみれた人間は、「本以外のネットとかテレビとかは素直に検閲に駆逐されまくってるわけ?」とか「そもそも違法な本なんかは、出回る前に出版の段階で止めとけよ」とか設定の穴が気になっちゃってなかなか話に集中できなかったんですが、
こういう映画は細かい設定なんかのことは深く考えず、物語の雰囲気に任せて素直に笑ったり涙したりするのが正しい楽しみ方なんだと思います。そう考えたら、Yahoo映画における異常なまでの高評価も納得できますね。

あと最後の最後にどうでもいいんですが、岡田准一くん演じる堂島教官は身長165cmで、原作では「怒れるチビ」と呼び名がついているんだそうで。
165cmでチビ...男で身長が163cmの私は一体なんだと言うのでしょう。ホビット?
前に会社の同期に言われたことなんですが、身長165cm以下の男を「女の6割は身長を聞いた瞬間に恋愛対象から外す」そうなんですが、劇中で岡田くんが身長170cmの榮倉奈々の頭をナデナデするのは「カワイイ」くて「萌える」んだそうです。

なんだよそれ! やっぱあれか! 高校時代は「ワラジ虫の裏側に似た顔」と言われ、大学時代は「ゲタ箱みたいな顔」と言われた俺と、V6の一番人気メンバーとして活躍してきたイケメンじゃ、身長が似たようなもんでも別の生き物扱いってことか!

やっぱ世の中、しょせんは顔面が9割ってことっすか。はぁーあ。今からでも突然変異でイケメンになれねーかなー。



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

  • 2015/11/02 (Mon) 19:59
    しろくろshow #- - URL
    わたしも手塚兄に一票

    こんばんは、初めまして。

    そうなんです、私も手塚兄の話の方が説得力あるように思えて仕方がなかったひとりです(ーー;) そこを早く解消してくれないとなかなかこの世界に観客目線で入っていくのは難しい気がしますね。


    ※こちらは少し前からときどき覗かせていただいてました。ふと下の方を見たら拙ブログをリンクしていただいたようでたいへん恐縮です<m(__)m>さっそくこちらでもリンク貼らせていただきますので今後とも宜しくお願いいたします<(_ _)>

  • 2015/11/02 (Mon) 23:36
    UC #- - URL
    Re: わたしも手塚兄に一票

    しろくろshowさん、コメントありがとうございます!

    こちらこそ、ブログいつも拝読してます! 切り口の独特さやタイトルの強い惹きが勉強になると、常々勝手に尊敬しておりました!
    トラックバックもありがとうございます! 今まで使ったことがなかったのですが、こちらからもトラックバック返し(?)をさせて頂きました。

    この「図書館戦争」を映画の1作目から観ていて、「これって、本じゃなきゃダメな理由あるのかな」とずーっと疑問に思ってたんですが、まさか最新作で自分からそれをネタにしてくるとは、と思い笑っちゃいました。
    仰る通り、話が進むにつれてむしろ松坂桃李の主張の方が明らかに正しくて、石坂浩二の方が若者を無駄死にさせてるんじゃないかという気持ちが強くなっちゃって入り込めませんでした。あの精神って、今はやりの「ブラック企業」と同じじゃない?みたいな。

    観客の需要としては岡田くんと榮倉奈々が一途に頑張る姿に萌えられればいいんでしょうけど、どっちの俳優にも強い思い入れのない私には、アレ?って感じでしたね。

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Trackback

2015/11/02 (Mon) 20:00

少し前に妻からの要請で「図書館戦争 THE LAST MISSION」を一緒に見に行ってきた。 有川浩の原作をすべて通読するほどこのシリーズの大ファンである家内は過去にも劇場アニメ版→実写劇場版第一作→スペシャルドラマ「図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ」をすべて見ており、我が輩も半ば強制的に(?)鑑賞をすることを義務づけられていたのであった( ̄。 ̄;) 原作は未読のまま...

You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて - http://4696show.blog45.fc2.com/blog-entry-1737.html
2015/11/24 (Tue) 13:02

「図書館戦争」の続編が作られている、というニュースが届いた時から、次男はその公開を指折り数えて待っていた。「図書館戦争」観てぇ〜!の気分である。1年近くその気分を持続したまま鑑賞。期待していた内容であった。この世界観に理解・共感できるなら、引き込まれる作品だと思う。私は堂上教官と笠原の恋の行方に結構興味があったんだけど、次男はそんなことよりも、図書隊とメディア良化隊の戦闘シーンがかなりの部分...

ここなつ映画レビュー - http://tokokonats.exblog.jp/24970695