ラスト・ナイツ (Last Knights) 感想 忠臣蔵×ハリウッド=新感覚王道アクション

このエントリーをはてなブックマークに追加

ugjhfcvh.jpg

オススメ度: ★★★★


あらすじ


舞台は悪徳な政治家が台頭し、正直に生きる戦士たちが追いやられようとしている帝国。

ある日、強欲な大臣・ギザモット(アクセル・へニー)から賄賂を要求されるも、誠実に生きることを信条とする領主・バルトーク卿(モーガン・フリーマン)は、断った上に彼に刀を向け、ギザモットの腕に大きな傷をつける。

その行為からバルトーク卿は反逆罪に問われる。言い渡された刑は、自身の愛弟子である騎士・ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で打ち首にされるというものだった。

バルトーク卿の死によって彼の領国は解体され、民は行き場を失った。

そしてその一年後。
戦士たちは、主君バルトーク卿の敵であるギザモットを討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていた。

しかしその一方、恩師であるバルトーク卿を自らの手で殺めてしまった彼は失意に暮れ、再び酒に溺れる日々へと逆戻りしてしまっていたのだった...

ohidbcxsxc.jpg

感想


えーと、最初にはっきりと言っておきますね。
おそらく9割方の人にとって、この「ラスト・ナイツ」の最初の1時間は超がつくほど退屈(なはず)です。

諸国の領主に賄賂を要求し、従わない国には重税を課すというとんでもない悪政を敷く帝国に対し、「誇り高き騎士として、そんなもんには従わん!」と要求を突っぱねるのが、モーガン・フリーマン扮する某国の領主バルトーク

そんな彼の姿勢に激怒した悪徳大臣・ギザモットは、なんとバルトークにとっては息子同然の側近・ライデンの手で打ち首にされるというこの上ないほど残酷な方法で始末してしまいます。

...というここまでの流れで、上映開始から45分ほどが経過。長ッッ!!

とにかく全体を通して話の流れがスローで、「もっとサクサク進めろや!」とイライラしてしまう人も多いはず。

しかし、「CASSHERN」や「GOEMON」でその映像技術の高さを証明してみせた紀里谷和明監督は、今まで以上にパワーアップした美麗な映像を駆使して物語に説得力を持たせることで観客を飽きさせません。

チェコに作られたセットの荘厳さに始まり、登場人物一人一人の服装にまで統一された世界観を作り出そうというこだわりが見られ、紀里谷監督のこれまでの作品でどうしても拭えなかった、CGの中に無理やり人間を埋め込んだかのような不自然さは皆無。

彼の手にかかれば、降りしきる雪の一粒一粒にさえも何か意味があるように思えてくるから不思議です。

そして、世界各国から集められた最高の俳優陣による、表情で語る演技も魅力の一つ。
特に斬首のシーンにおけるモーガン・フリーマンの決意に満ちた目と、ライデンを演じるクライヴ・オーウェンの悲しみに沈む目の対比は物語の進む道を決定づける描写と言えるでしょう。

国際色豊かなキャストを集めているという特性上セリフは少なめですが、そのことが観客が世界観を理解することの妨げになっていないことが素晴らしいですね。

afdjgvbs.jpg

物語後半では、やっと反撃開始!

戦士たちは1年間もの間練り続けてきた作戦を用いて、ギザモッドの居城へと乗り込むわけですが、その爽快感がたまりません。

特にライデンがギザモッドのガード役・イトー(伊原剛志)と一対一の対決をするシーンでは、「ぶっ飛んだCGなんかに頼らなくても、こんなにスピード感と迫力に溢れるアクションシーンを撮れるんじゃん!」と驚かされました。

まるでダンスを踊るかのように優雅に、しかし同時に激しく剣を交わす彼らの攻防は瞬き禁止。目を離せなくなってしまいます。

ライデン以外の仲間たちも、双剣使い、斧使いに弓の名手など、それぞれ得意とする武器に特徴があり、キャラクターが覚えやすいのもいいですね。ここにこそ紀里谷監督の日本人的感性が活きたと言えるのではないでしょうか。

そして物語のテーマそのものも、ハリウッド的というか、むしろ古き日本の時代劇的というべきなのか、非常に明確でわかりやすい。

明らかに間違っていることが横行しているのに、保身のために従わざるを得ない状況に陥っている人が大勢いるこの世の中。

そんな世の中の「風潮」というものに対して勇気を出して立ち向かう人々こそが評価されるべきだというのが今作のテーマで、

舞台の規模こそ違えど「半沢直樹」や「花咲舞が黙ってない」など、世の中にはびこる不正に対し「NO!」と声を大にして言える新世代のヒーローたちを描いた、作家の池井戸潤による作品群がブレークしている今の日本人のニーズにバッチリはまっていると言えるのではないでしょうか。

これまで日本国内で映画を撮ってきた紀里谷監督がハリウッドデビューを飾った今作、海外での評価は割と散々な感じですが、むしろ今作こそが日本人向けな作品となっているように思えたのは私だけ?

いかにもハリウッド的なわかりやすい勧善懲悪エンターテインメントとして身を投げ出して観るのも良し、世の中に不正のはびこる現代社会への警鐘として観るのも良し、はたまた、主演のクレイヴ・オーウェンのイケメンっぷりを眺めるためだけに行くのもありと、様々な側面から楽しむことのできる、新感覚な王道アクション大作の誕生です。

冗談抜きで、今作にはクライヴ・オーウェンの顔面アップシーンが10分間くらいあるんですが、彼の悲しみと決意が同居した表情を見るだけで、正直ご飯10杯はいけちゃいそうです。マジかっけーっすわ、先輩!
あ、いや、別に変な意味じゃあないですよ! そんなわけないに決まってるじゃ...ない....ですか...(照)



関連記事
スポンサーサイト
Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する