リトルプリンス 星の王子様と私 ネタバレあり感想 あしたは会社休みます。

このエントリーをはてなブックマークに追加

rgbufb.jpg

オススメ度: ★★★☆


あらすじ


ここは全てが数字で管理され、誰もが決められたスケジュールに従って生きることが正しいとされる世界。

そんな中、よい学校に入るため、友だちを作ることも許されず、勉強漬けの毎日を送る「女の子(マッケンジー・フォイ)」

そんな彼女は、名門校・ワース学園への入学面接で模範解答とは違う答えを言ってしまったせいで、試験に落ちてしまう。

ワース学園に入学する最後の手段として、学区内への引越しを決めるお母さん(レイチェル・マクアダムス)
しかし、隣には風変わりなおじいさん(ジェフ・ブリッジス)が住んでいた。

ある日、突然女の子の家に大きなプロペラが飛び込んできて、家の壁を破壊してしまう。
なんと、隣の家のおじいさんの正体は元飛行士で、今でも自分のプロペラ機を飛ばそうと修理を続けていたのだった。

もうこんな危険な人とは関わらないと決めて母娘だったが、また別のある日、おじいさんの家から女の子の家に紙飛行機が飛んでくる。

気になって中をあけると、そこ書かれていたのは、小さな王子の物語。
純粋でとっても不思議なその話の続きが知りたくてたまらず、女の子は隣家を訪ねた。

王子の話を聞き、一緒に時を過ごすうちに、かけがえのない友だちになっていく2人だったが、ある日、おじいさんが病に倒れてしまう。
女の子は、もう一度王子に会いたいと言っていた彼の願いを叶えるため、そしておじさんを助けるため、プロペラ機に乗って、王子を探す旅に出るのだった...

audbjkfv.png


感想


この世にはたくさんの「クラシック童話のその後」映画がありますが、ヘンゼルとグレーテルは魔女ハンターになってるしシンデレラの王子様はとんだ浮気ヤローだし、結構残酷なお話が多くて悲しい気持ちになっちゃうことも多いです。

その点、皆さん一度は読んだことのあるだろう名作「星の王子さま」のその後を描いたこの「リトルプリンス 星の王子さまと私」はとっても安心。
「大人になっても想像力を失わないで」という夢と希望に満ち溢れた、優しくもエキサイティングなアドベンチャームービーに仕上がっています。

物語の舞台は数字によって全てが管理され、誰もが決められた時間に決められたスケジュールをこなすことによって均衡が保たれている世界。

そんな世界のとある街に暮らす名もなき「女の子(マッケンジー・フォイ)」は、名門学校に入るためのお受験戦争を勝ち抜くため、友達を作ることも許されずに勉強漬けの日々を送る日々。

運命の面接試験の日。女の子は、受験で必ず聞かれる「あなたはなぜワース学園にふさわしい人間だと考えますか」という質問に対する模範解答を、この日のために必死に記憶してきました。

しかし試験で実際に聞かれたのは、「あなたは将来どんな人になりたいですか」という、準備してきたものとは全く異なる質問。
そこで模範解答となる、「必要な人 (Essential)」を答えることができなかった女の子は、あえなく試験に落ちてしまいます。

このように、現代の社会は徹底的に一元化された管理社会として描かれています。
この後に続く、まるで学校の時間割のような「人生設計スケジュール」の描写なんかはその究極系とも言えるでしょう。

そこで救世主のように登場するのが、小説「星の王子さま」に「ぼく」として登場した飛行士のおじいちゃんです。

昔会った不思議な王子さまにもう一度会うため、壊れた飛行機の修理を続けている飛行士さん。
彼の家は天体望遠鏡にキツネのぬいぐるみなど、ドキドキとワクワクがいっぱい! 今の管理された生活に疑問を抱いていた女の子と飛行士さんは、次第に交流を深めていきます。

「星の王子さま」の物語とリンクして、女の子が子どもらしさを取り戻していく様子がなんとも感動的。
飛行士さんの家で体験すること一つ一つ、そのどれもが見たことのない輝きに満ちているというのは、おとなになってしまうとなかなか体験できないものです。

優しさに溢れた新しい世界の美しさには、思わず涙の一つも溢れてきちゃうってもの。
ストップモーションで描かれる「星の王子さま」の世界観は原作小説のイラストがそのまま動き出したかのようなファンタジックさに満ち溢れ、観るもの全てを感動させてくれます。

qugiadsbfhj.jpg


とにかく物語の前半は素晴らしい! 2人のちょっとしたやり取りから感じられるあたたかさ、「星の王子さま」原作を読んだことない、もしくは忘れちゃったという人にもどんなお話だったかを思い出させてくれるという意味でも優しさに溢れ、劇中ずーっと半泣きでした。

しかし、全てに終わりは訪れるもの。
すでに恒例だった飛行士さんは、突如病に倒れ、病院で緊急治療を受けることとなります。

「おじいさんがいなくなっちゃう!」そう思った女の子は、自分1人で星の王子さまを探す冒険に出ることを決意。

そこからがこの映画の本番。「ぼく」とお別れした後の「星の王子さま」の行く先を描いたSFアドベンチャーへと移行していくわけなんですが...

なんかなあ。ここからのお話はちょっとツッコミどころが多い気がするんですよねえ。

飛行士さんの家に戻って飛行機を起動させる女の子。
飛行機を運転するなんてもちろん初めてな彼女ですが、超人的な運転能力を発揮して宇宙へと飛び立ちます。

あれ、原作で王子さまと「ぼく」が出会ったのって地球じゃなかったっけ?
結局あの蛇さんはいい蛇さんで、王子さまを宇宙に連れて行ってくれたということなのね。

...ま、まあその辺は家族アニメですから全然目をつぶりますよ。
そして女の子がたどり着くのは、どこを見ても高層ビルに溢れている、まるで星全体が一つのオフィス街のような惑星。

大人たちがみんな死んだような顔で決められた仕事をこなすこの星で、すっかり大人になった王子さまは、なんとビルの清掃員として働いていました。

挙動不審で仕事もダメダメな彼は、今まで170もの仕事をクビになり、今の清掃員としての仕事がラストチャンスとして与えられたものだと言って、必死に誰もいないビルの屋上を掃除しています。

まるで今の地球をさらに極端にしたような管理社会を支配するのは、王子さまが子供の頃に出会った「ビジネスマン」でした。まあこの話の流れからすると彼がラスボスなんだろうなあ、というのは大体予想できますよね。

誰もが無駄を省き利益を追求することを求められ、夢を持つことも許されないこの星を脱出すべく、女の子と王子さまは奮闘します。

ausdhjk.jpg

ようやく飛行機を取り戻し、元いた星へ向かう王子さまたちでしたが、王子さまがビジネスマンに吐き捨てる最後のセリフがまたいいですねえ。

「僕は王子さまなんだ! もう仕事は辞める!」

ですって(記憶から引っ張り出してきたので微妙に違うかも)。いや、いいんですけどね。
こういうセリフを言ってかっこいいのって、何か追求したい夢とか、人生でそれ以上に大切なことがあって、そのために辞める時だと思うんですよ。

でもこの映画の流れを見ていると、どうしても王子さまのセリフがピーターパン症候群的な痛々しいものにしか思えなかったのは私だけなんでしょうか。
だって職場のダメな後輩から、「仕事ができない/やりたくないから辞める! 俺/私はあんたらみたいな社畜にはならないんだから!」とか言われても、ああそうですかとしか言えなくないですか?

この精神って、原作「星の王子さま」が描いていた、「目に見える物質的利益にとらわれることなく、自分の大切なものをいつも胸に生きていきましょう」というメッセージとはまた食い違ってしまっているような気がするんですよね。

せっかく物語の前半では、原作のスピリットに忠実で、なおかつ一つの物語として感動的なお話を展開できていただけに、倉庫だけがちょっと残念でした。

しかし映画全体としては、笑いあり、涙あり、そしてアドベンチャー的なスリルもありとよくできていて、家族で観るのにはピッタリだと言えます。

そして字幕版のキャストの豪快さも目を見張るほどで、
主人公となる「女の子」役には「トワイライト」「インタステラー」のマッケンジー・フォイ、お母さん役にレイチェル・マクアダムス、王子さまの友達・キツネ役にはジェームズ・フランコなどなど。
そして飛行士を演じるのは、なんとあの名優ジェフ・ブリッジス!

誰もが名の通った人気俳優ばかりであるにも関わらず、みんなまるで本物の声優であるかのような名演っぷりを発揮しており、エンドロールでキャストの名前を見てようやくハッとさせられちゃうレベルです。

特にジェフ・ブリッジスの演技には優しさと明るさが溢れ、彼の一声一声を聞くだけで涙が溢れてきてしまうほど。
彼らの演技を見るためだけでも映画館に足を運ぶ価値あり!

未来への希望に溢れた子どもたちだけでなく、現在自分のお仕事に悩む大人の皆さん、そして自分にはもう夢を持つなんて遅すぎると思っている皆さんにもお勧めできる、まさに「大人も子どもも楽しめる」映画となっています。

だけど、この映画に影響されすぎて、明日会社に行っていきなり「仕事辞めます!!」とか言っちゃダメですよ!



関連記事
スポンサーサイト
Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する