芸術的センスゼロの俺が選ぶ、2015年の映画ワースト10

このエントリーをはてなブックマークに追加
fgueadsbk.jpg


映画ファンの皆さんが「V8! V8!」と叫びながら「マッドマックス」に狂い続けたクレイジーな2015年も、気づけば残り3週間を切りました。

しかし、下手したら10回以上劇場へ足を運んだという人もいるんじゃないかというほどのブームを巻き起こした「マッドマックス」のような映画の裏には、やっぱりあるわけですよ。劇場までわざわざ足を運んで、2時間という時間を費やしたことを後悔してしまう悲惨な映画たちが。

「鬼才」と呼ばれる園子温監督が1年の間に4本もの映画をリリースしたり、三谷幸喜監督が久々の新作「ギャラクシー街道」で批判の嵐を巻き起こした2015年を振り返るべく、文章力もまだまだな駆け出しブロガーの私が、今年のワースト映画10本を選んでみました。

それでは、早速行ってみましょう!








ターミネーターにシュワちゃんが帰ってきた!
名作と名高い「ターミネーター2」以降のストーリーをリブートした今作「ジェニシス」では、かつての主人公ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)が悪役として登場するという衝撃の展開でシリーズファンを絶望の底に叩き落としました。

しかしこの映画の真の問題点はそこではありません。

敵も味方も、一度壊されてもやたらと簡単に蘇ってしまうというスリルのなさと、
ジョンが母親であるサラを殺しちゃったら自分も消え去るでしょう、という誰しも疑問に思うであろう問題には「いーのいーの、今は別の時間軸だから関係なし!」というご都合主義全開で適当な答えを出しているくせに、タイムトラベルの科学的仕組みなどのどうでもいい説明にはやたら長く尺を取っているなど無駄が多いプロットが眠気を誘ってくるのです。

じゃあせめて、ジョンVSシュワちゃんの死力を尽くしたラストバトルだけでもエキサイティングなものになるだろうと期待しましたが、力を使い果たして体ごと溶けてしまったように見えたシュワちゃんは、なんとその1分後にはスクリーンに復帰。
しかもその時の第一声が「アップグレードされて帰ってきたぜ!」ですってよ。主人公側に都合のいいことならもうなんでもアリですか、そうですか。





9位: 天空の蜂




書いた小説はほぼ全て映像化されてるんじゃないかと思える東野圭吾が1995年に発表した同名小説を、これまた日本の映画/テレビ界で長く活躍する堤幸彦監督が映像化したのがこの「天空の蜂」。

核施設の問題を取り扱えば2015年っぽくなるだろうと踏んだのでしょうが、今年はそれ以上に経済ニュースの方が話題になっていたために、若干時季外れだったように感じたのは私だけ? もちろん日本における核施設の問題が深刻であるということは重々承知していますが。

しかしこの映画の最大の問題は、映画の演出までもが完全に時代錯誤なところ。
登場人物たちは何かにつけていちいちオーバーリアクションだし、「私は今こんなことを考えています」というのを全部口にだして説明してくれるなど、「あれ、今って2015年で間違い無いよね?」と映画を観ながらカレンダーを確認したくなってしまう演出が次々と飛び出してきます。

特にラストで江口洋介が、合成映像感たっぷりのヘリの中から「届けぃぇぇぇぇぇ~!!!!!!」と絶叫するシーンの恥ずかしさたるや、たまったもんじゃありません。








2015年に一大ブームを巻き起こしたアイドルグループ、「μ's」はここから生まれました!

入学者数が減り、廃校の危機に追い込まれた学校を救うべく、自ら「スクールアイドル」として活動することで学校の宣伝をするという斬新な設定が話題になった「ラブライブ!」の劇場版は、
プロットはテレビアニメ版で解決したはずの問題をグダグダとぶり返し、見所であるはずの歌唱シーンはポリゴンがカクカクしていて気持ち悪く、そこらのホラー映画よりもよっぽど恐怖を煽る映像となってしまった残念作。

たちが悪いのが、プロットはとっても適当なくせに、2次元の女の子たちに性的な興奮を覚える一部の男性諸君のためか、やたらと少女たちの胸の谷間やジャージに食い込むケツのアップなどのちょいエロシーンを頻繁に放り込んでくるところ。

別にそういう趣味を否定する気は無いですが、まさか一部の方向けのAVの類だとは思ってもみなかったものですから。もうびっくらこいちゃいましたよ。
映倫さん、トゲトゲの戦車の上でギター弾いてる人がいるだけの「マッドマックス」にR指定付けてるくらいなら、こういう品が無いAVも取り締まってくださいね。




7位: チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 (Mortdecai)




もう批判覚悟で言っちゃいますね。みんな大好きジョニー・デップ様ですが、ここ数年ひとつでも、面白い実写映画に出てましたか?

2014年の「『なんだこの話』オブ・ザ・イヤー」だった「トランセンデンス」もひどいもんでしたが、この「チャーリー・モルデカイ」は輪をかけてひどい作品になっています。

ちょびヒゲが唯一の個性となるインチキアートディーラーに扮したジョニデ様が、いつもの調子でボケまくり。しかしそのギャグのどれもが全く笑えないものばかりという悲惨なものです。

さらにはプロットも、豪華に様々な国々を行ったり来たりするだけで、結局何をしているのか全くワケわからないなどもう散々。

なんかなあ。どの映画を観ても同じなんですもん、ジョニー・デップ。再来年には「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作が公開されるらしいですが、1作目を子ども目線でリアルタイムに楽しんだ私(24)ぐらいの世代の人たちは、あのノリでもう笑えないと思うんですよね。合掌。








映像のクオリティもプロットの構成も何一つハリウッドに追いついていないのに、何を勘違いしたかあの「X-MEN」をパクろうとして大失敗したこの「ストレイヤーズ・クロニクル」は、
染谷将太を除いたほぼ全員が大根演技、強引でご都合主義すぎるプロット(多くの人が集まる公園で、血みどろの少年に銃をぶっ放しておきながら「見ろ、誰も我々に関心を示さない」と叫んだり)、さらには午後13時にやっている30分ドラマでも使わないだろうというレベルのチープなアクションシーンが支配する驚異の映画。

登場人物たちの能力の意外なしょぼさも見もので、個人的にはテッポウウオの能力を持った女の子が「プッ!」と大きめの声で言いながら貫通弾を吐きまくる描写には大爆笑しました。あっ、もしかしてこれ、コメディ映画だったんですかね?









本国アメリカで批判の嵐を巻き起こした「ファンタスティック・フォー」の最新版リブートは、評判通り「天下のマーベルがよくこれにGOサイン出したなあ」と逆に感心してしまうほど退屈な、もはやヒーローものと呼んでもいいのかすら悩ましいダークマターとなっています。

だって、上映時間が1時間40分なのに、主人公チームが超能力を手に入れるまで1時間5分くらいかかってますからね。
そして上映時間が残り15分を切った頃、ようやっと悪者とのバトルが開始!

おお、来た来たぁ~! と思いきや、正義のヒーローたちの攻撃方がまたしょぼい。体の伸縮が自在な主人公のリード(マイルズ・テラー)が腕をびよ~んと伸ばして緩いパンチを繰り出した時には、劇場から笑いが巻き起こっていました。

ただ、それでも戦闘シーンはやっぱりヒーロー映画の要。時間ギリギリまで使ってエキサイティングな戦いを展開してくれるんだよね...と一瞬期待するも、それもすぐ裏切られます。
だって戦闘シーン、たったの3分くらいで終わっちゃうんですもん! お前らはウルトラマンか!

唯一の良いニュースは、マーベル映画ではおきまりの、"~ will return"という続編を匂わせる表記がなかったことですね。もう戻ってこないでくれ、頼むから。









日本列島に批判の嵐、ネット上では炎上を超える大火災を巻き起こした実写版「進撃の巨人」は、
命をかけた任務中だというのにヤりたい気持ちを抑えられない少年少女の心の叫びと、主演の三浦春馬の絶叫がダブルでうるさい幼稚なSFスリラー。

そもそも「進撃の巨人」の名を使っている割に設定はほぼオリジナルで、主人公エレンたちの目的は「巨人たちから世界を取り戻す」から「壊された壁を塞ぐ」というものに縮小され、舞台も日本に映されています。ここが原作ファンの怒りを買った原因の一つですね。

日本人俳優が演じる上で「リアリティを追求した」と語る日本特撮映画界の巨匠・樋口真嗣監督は、人気キャラのリヴァイ兵長を「そんな名前はアジア人の名前にないから」という理由でカットするのに、「エレン」やら「アルミン」なんていう日本人は存在できるという曖昧すぎるリアリティの持ち主のようです。

そんな感性で作られたから、この映画の登場人物たちは戦地で一人の少女を寝盗った寝盗らないで大騒ぎし、挙げ句の果てには声をあげれば恐怖の巨人がやってくるという死地の真っ只中で絶叫したりするんでしょうか。いやいや恐ろしい。

合計3時間の地獄を乗り越えた先に待っていた結末は、まさかの「メイズ・ランナー」をモロパクリした展開。
もし次回作があるなら、次の敵はやっぱりゾンビですか。多分ゾンビはうなじを切っても倒れないから気をつけてね。








「鬼才」と名高い園子温監督が初めて大衆ウケの商業映画を作ろうと苦心した(であろう)この「新宿スワン」は、
聞いていて脳が爆発しそうになるほど恥ずかしいセリフと、中途半端に痛々しい暴力シーンが2時間20分という長尺を埋め尽くす拷問のような映画です。

短編ストーリーをつぎはぎして作ったというのが嫌でもわかる不自然なストーリーの中、主人公の龍彦(綾野剛)はとにかく何でも殴り合いの喧嘩をして、「今日から俺たちはダチだ!」と締めくくって全てを解決していきます。ああ、恥ずかしい。

...いや、こういうのが男らしいと感じる人たちには申し訳ないんですけど、歌舞伎町の怖い人たちでも、さすがにこんな殴り合いばっかりしてないでしょ。

それよりTwitterとかで流した噂が元になって暗殺される、なんていう話の方が逆にリアリティあったかもですね。
「あいつ、シャブ横流ししてるらしいぜwwwwwww」っていうつぶやきがきっかけで山田孝之が射殺される、とか。









日本コメディ映画界の巨匠・三谷幸喜監督の最新作「ギャラクシー街道」は、人種差別こそが至上の笑いだと勘違いしてしまった最低のお笑い映画。

歩くだけで体からビチョビチョ水がこぼれる半魚人(T.M. Revolution)や、脱皮したり舌が伸びたりする爬虫類的な宇宙人(梶原善)に対して次々と差別的発言を繰り返す主人公・香取慎吾の姿に爽快感は全くなく、さらにはクライマックスとなる大ネタも、ボンテージを着た遠藤憲一が子どもを産む、という性倒錯的なもの。

この調子でいったら、ラストには同性愛者の宇宙人が出てきて、そいつをみんなで蹴り殺す、とかっていうギャグが出てくるんじゃないかと心配になるレベルの不快感を煽るとんでもない作品です。
三谷幸喜監督は、いっちゃ悪いけどご自身だってそんなにかっこよくないんだから、他人を見た目で差別するのはやめた方がいいんじゃないですか?








えっ!? 「ギャラクシー街道」が1位じゃないの!? って思いました?
いやいやいや、この映画の破壊力を忘れちゃダメですよ。

「デトロイト・メタル・シティ」でも知られる若杉公徳の同名コミック作品を実写映画化したこの「みんな! エスパーだよ!」は、エロもコメディ要素も中途半端な、最悪の安物AVとなっています。

ひょんなことから、エロに関わることにだけ使える超能力を手に入れた主人公たちは、よくわからないけどなんとなく街をパトロールします。えっ、これなんの時間!?

そこでは、なぜか谷間を露出した女性たちが待ち受けていて男性陣を誘惑してくるのです。今までオ○ニーでしか性を体感してこなかった主人公・嘉郎(染谷将太)たちにとっては新鮮すぎる刺激なわけです。

でもね、所詮はそこまでなんですよ。エログロを売りにしている園子温監督でも、女性の水着と谷間、そして「オ○ニー」という言葉を登場させるだけで終わりなわけです。まあなんと中途半端な。
もうやるなら「テッド」みたく、主人公が精子を浴びて白濁した液体に塗れるくらいのことをやってみろ、っていうことなんですよ。

そして、全然笑えないけど一応コメディ...? みたいな苦痛の展開がようやく終わったと思ったら、ラストでは、またしてもよくわからないけど、登場人物たちに涙を流させてなんとなーく感動的っぽい雰囲気を作り出そうとします。

...もういいじゃん、そういうの。死ぬほどくだらなくてダメダメな映画を作りたいんだったら、最後まで突き抜けてくださいよ。なんで最後になって「いい映画だったでしょ!? ね!?」と観客に媚びるようなことするんですか。

もう最初から最後まで安っぽさと下品さ、そして中途半端に観客に媚びようとする監督の精神がむわっと匂ってくるこの映画が、2015年のワースト映画でございました。ああ、観なきゃよかった...

ちなみに、1位と3位に園子温監督の作品を入れちゃってるくらい彼の作品が苦手なんです。
それを園子温大好き、サブカル男子の友人に言ってみたところ、「お前マジ!? 園子温こそ芸術だろ!!」と力強く返されてしまいました。
マジかぁ...これって芸術なのか...だったら私、芸術的センスゼロでもいいなあ、と開き直れたことが2015年に得た収穫の一つでした。ちゃんちゃん。
関連記事
スポンサーサイト
Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

  • 2015/12/15 (Tue) 01:37
    Aira #- - URL
    No title

    初めまして。
    私は園子温は好きでしたが、「ヒミズ」より後は印象に残る映画はないですね。
    焦ってるのかなんなのか知りませんが、もっとしっかり練った上で映画を作って欲しいです。
    2015のベスト10も楽しみにしています。

  • 2015/12/15 (Tue) 12:28
    UC #- - URL
    Re: No title

    Airaさん、コメントありがとうございます!
    実は私、「ヒミズ」さえも苦手なんですよね...なのでランキングつけると、自然と園子音監督の作品がワースト上位に上がってきちゃうんです。狙ってやってるんでしょうけど、あのチープな映像と演出がどうしても受け付けなくて。
    ベスト10も早めにアップしようと思いますので、よろしければまた見に来てください!

  • 2015/12/15 (Tue) 12:45
    ふじつぼだんき #LWshcgts - URL
    大きな声では言えない意見?

    私も園子温って結構苦手なクチなんですよー。
    芸術なのかどうかは分からんですが、どーもすさんだ気分に
    なるというか、そんな感じで。もひとつ分かりやすくないし…。
    ま、私はもともと単純明快B級系ハリウッド映画派ですがね。

    ジョニー・デップ出演作がナニ案件、まさしくおっしゃる通りですな。
    まあ、全部観てるわけではないですが。古くて地味でしたけど、
    『ニック・オブ・タイム』みたいな普通の人の役やってる時の方が、
    この人って合うんではないかと思います。

  • 2015/12/15 (Tue) 23:16
    ようかん #- - URL
    No title

    こんばんは!
    「チャーリー・モルデカイ」でジョック役のポール・ベタニーが飛行機内で
    ××していたシーンが笑っていいのか困惑しました。

    モルデカイもキャラ的にいいところがないのがツラい。

  • 2015/12/15 (Tue) 23:38
    UC #- - URL
    Re:

    ふじつぼだんきさん
    いつもありがとうございます! 園子温監督の映画は基本的に何が言いたいのかわからないのに、監督の「どうだ俺はすげーだろ!」という自己顕示欲だけがひしひしと伝わってくるのが苦手です。あと、最近のジョニー・デップはアニメ映画の「ランゴ」以外はつまらなかったような。確かに道化を演じるよりも普通の人の方が似合いそうですね。

  • 2015/12/15 (Tue) 23:40
    UC #- - URL
    Re: No title

    ようかんさん
    コメントありがとうございます! いつもブログ拝見してます...
    「チャーリー・モルデカイ」はくだらなすぎる設定から子供向けかと思いきや、絶倫男が出てきたり、ジョニデ様も隙あらばグウィネス・パルトローと事に及ぼうとしたり、倫理的に不可解な映画ですね。私に子供がいたら、絶対一緒には観ないです。

  • 2015/12/17 (Thu) 21:18
    しろくろshow #- - URL
    納得のランキングでした

    こんばんは。

    園監督ですが実は私も自分にはちょっと合わない監督だと思ってました。けっこう本数は見てきたつもりなんですが納得(?)できたのは「冷たい熱帯魚」と「自殺サークル」くらいなもので。

    「みんな!エスパーだよ」はテレビの方を見てたんですけど毎回ビックリするくらい笑うとこなくて往生しましたし(ーー;)(それでも最終回はまだ楽しかったですが)

    怪獣映画好きとしては未見の「ラブ&ピース」に期待をしてしまうところもありますが、手を出すのをやや躊躇してますね。

  • 2015/12/18 (Fri) 11:19
    UC #- - URL
    Re: 納得のランキングでした

    しろくろshowさん、いつもありがとうございます!

    園子温監督はちょっとチープな独特の感じが観る人を選びそうですね。私は映画館に来てまでチープな映像を観たくないので苦手なんですが。
    「みんな! エスパーだよ!」はテレビ版の方がまだマシだったような気がします。映画版は本当にひどかった...

    「ラブ&ピース」は園子温監督の作品の中では意外なくらい面白かったです。特撮的な要素は薄い&迫力あるものではないので、特撮ファンの方からすると微妙かもしれません...

  • 2017/04/30 (Sun) 05:52
    #- - URL
    No title

    別にラブライブを性的に見ているわけではありませんよ。変な偏見持つ前に少し考えたら?

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する