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杉原千畝 -スギハラチウネ- ネタバレあり感想 これを見るよりWikipediaを読みましょう

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オススメ度: ★★


あらすじ


1935年、満洲国外交部勤務の杉原千畝(唐沢寿明)は高い語学力と情報網を武器に、ソ連との北満鉄道譲渡交渉を成立させた。

ところがその後、彼を警戒するソ連から入国を拒否され、念願の在モスクワ日本大使館への赴任を断念することになった杉原は、リトアニアの日本領事館への勤務を命じられる。

リトアニアの地で、迫害を受け国外逃亡を望むが、ビザがおりずに国外へ出ることのできない難民たちの姿を目の当たりにした杉原は、日本の外務省に許可を取らず、彼らにビザを発給することを決めるのだが...

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感想


いやあ、眠かった眠かった。

終戦70年を記念し、リトアニアの地でユダヤ系難民に国外逃亡用のビザを発給し続けたというなんともヒロイックなエピソードを持つ日本人・杉原千畝氏の半生を描いたこの映画、事実かどうかもわからない脚色がバンバン入っている割に、なぜか映画としてはつまらないという残念作になっています。

何がつまらないかっていうと、杉原さんがすごく頑張ってたということがちっとも伝わってこないところなんですよね。
「淡々としている」というのともまた違うというか、観終わった後に「杉原千畝さん本人の力って、結局どこがそんなにすごかったの?」となってしまう描き方になっていることなんです。

今作ではビザ発給以外にも、実は諜報員としても優秀だったという杉原さんのエピソードにもフォーカスをおいており、
冒頭でのソ連との北満鉄道譲渡交渉のシーンはまるでスパイ映画さながら。杉原さんの意志とは違って無残にも敵兵が日本軍によって惨殺されてしまうシーンがあったりと、理想と現実のギャップに苦しむ彼の姿も垣間見えます。

冒頭で自分でも「私のことを理想主義者だと思う人もいるかもしれない、でも!!」と力強く宣言したのだから、どんな困難にも負けず、苦しみながらも世界の人々の幸せ、そしてひいては大日本帝國の国力強化、戦争での勝利へ向けて奮闘する姿が描かれるのかと思いきや...

なんだろうな、杉原さん、あんまり苦労してなくない?

諜報員としての活動は、基本的に部下のドライバーさんが情報を集めてきていたみたいだし、自身で情報集めに乗り出した具体例が描かれるのも、家族でピクニックへ行くふりをして、ドイツ軍の侵攻の状況を確認するシーンくらいのもの。

終盤で杉原さんが「今から6日後、日本はアメリカに戦争を仕掛け、そして敗北するでしょう」とピタリと当ててみせるシーンはおそらくこの映画のクライマックスの一つなのでしょうが、上にあげたくらいの少ないヒントから、「おお、やっぱ杉原さんは優秀な諜報員だったんだ、すげー!!」という感動には至らないと思うんですよね。

別にボンドみたく壁から壁へと飛び移るスーパーマンを期待してはいませんでしたが、「なんであれだけのヒントからこんなに正確な予想ができたんだろう...」と逆にクエスチョンマークが浮かんでしまうような中途半端な描き方をするくらいなら、スパイ的な要素は排除しても良かったんじゃないのかなあ、とすら思わされてしまいました。


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そして肝心のビザ発給のシーンもまた中途半端。

領事館の前で飢えと寒さを耐え偲びながらビザの発給を訴える人々に心を動かされ、妻の幸子(小雪)さんの後押しもあって、日本の外務省の許可も取らずにビザ発給に乗り出す杉原さんですが、ビザ発給までの葛藤もかなりあっさり。

愛国者であった彼が、日本国の法に背くような勝手をするに至るまでには、死をも覚悟した相当な勇気が必要だったはず。
しかしこの映画では、マジで家で一晩考えたくらいで領事館に人を招き、勝手に書類にサインを始めちゃうのであれれれれ? ビザって意外と簡単に発給できちゃうのね、という印象になってしまいます。

そして杉原千畝さんのWikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/杉原千畝)を読むと、

「一時に多量のビザを手書きして万年筆が折れ、ペンにインクをつけては査証を認める日々が続くと、一日が終わり『ぐったり疲れて、そのままベッドに倒れ込む』状態になり、さらに『痛くなって動かなくなった腕』を夫人がマッサージしなくてはならない事態にまで陥った」彼は、ソ連の策略によって領事館が閉鎖され、ベルリンへ発つことになった日も、「ベルリンへ旅立つ車上の人になっても、杉原は車窓から手渡しされたビザを書き続けた」のだそうです。

そして汽車が走り出してビザが書けなくなると、「『許して下さい、私にはもう書けない。みなさんのご無事を祈っています』」と見送る群衆に頭を下げたんだとか。

すごく感動的なエピソード。私はこのWikipediaを読みながらちょっと涙がこぼれたのですが...

あれ? 映画でそんな描写なくなかった?

確かに行列も苦ともせずにビザを書き続けた彼の姿はあったし、最終日も駅近くのホテルでビザは書き続けてたけど、最終的には補佐のペシュ(ボリス・スジック)が作ったハンコで効率化を図ってたし、旅立つ直前はささっとビザを書くのをやめて、ペシュに「あとは任せた」とか行ってあっさりと旅立ってませんでしたか?

なんかさあ、こっちの方が逆にリアルなのかもしれないですが、これ映画ですから。補佐の人たちだって実際にいたかわからないわけじゃないですか。

そういう脚色ありきな映画作品をよりも、Wikipediaの文章の方がよっぽど感動的っていうのはいかがなもんなんですかね。
まあもちろんWikipediaに載ってる話が全部真実とも限らないわけですけど。

そんなこんなで、最初っから最後まで杉原千畝さんに感情移入できないのが非常に残念な映画です。
日本男児っぽい見た目に仕上げてきた(?)唐沢寿明は頑張ってたと思うんだけどなあ。

あとは妻の幸子さんはせっかく小雪を使ってたのに、どんな人なのかが最後まで掴めなかったですね。
最初の登場シーンでは、着替えの最中を杉原さんに見られていきなりビンタだし、翌朝もちょっとお茶目でドジなところを見せたりとか、当時の日本女性のイメージからすると新しい感じの人だなあ、と思っていたら、

その後は特に目立った活躍もなく、普通に一歩引いて主人を支えます...っていう昭和の日本女性のイメージに戻ってしまってたのもこれまた残念。
2015年の映画だし、監督のチェリン・グラックさんはアメリカ人的感性も持ち合わせた人なわけだから、一貫して破天荒なキャラを作り上げても良かったのかもしれません。迫り来るソ連軍に、「何触ってんのよ、この****!!」とかっていう放送禁止用語を連発するとかね。

もっとも、そんなことやったらご年配のお客さんが卒倒しちゃうか。やっぱダメですね。無念。




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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

  • 2015/12/23 (Wed) 16:52
    こんにちは

    はじめまして!あるブログを拝見していたら、このブログに出会いました。私もブログを開設しています。「鬼藤千春の小説・短歌」で検索できます。一度訪問してみて下さい。よろしくお願い致します。

  • 2016/02/10 (Wed) 13:45
    あきこ #- - URL
    No title

    共感します!眠かった、、
    Wikiのほうが面白いですね!

  • 2016/02/11 (Thu) 00:56
    UC #- - URL
    Re: No title


    あきこさん、コメントありがとうございます!

    この映画は眠いですよね...wikipediaに載っている彼の活躍の方がよっぽどドラマチックだったというのはどうなんでしょうね。

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