クリード チャンプを継ぐ男 (Creed) ネタバレあり感想 蘇れ、不死鳥のように。

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オススメ度: ★★★☆


あらすじ


ボクシングのヘビー級チャンピオンであったアポロ・クリードの息子、アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)[以下:ドニー]は、昼はサラリーマン、夜は独学で学んだボクシングで道場破りに励む日々を送っていた。

施設で少年時代を送った彼は、アポロの妻メアリー・アン(フィリシア・ラシャド)に引き取られ、今では豪邸に母と二人暮らし。
大きく立派なオフィスでビジネスマンとして活躍し、仕事も順風満帆な日々を過ごしていた。

しかし、ドニーの中に眠る伝説のチャンピオンの血が、普通の会社員として一生を送ることを許すはずもない。
ボクサーとして成功することこそが自分の運命だと悟ったドニーは会社を辞め、プロボクサーとして生きていく道を選ぶのだった。

母親の反対を押し切り、プロボクサーとなるべく家を出たドニーは、父のライバルで親友だったロッキー(シルヴェスター・スタローン)を訪ねてトレーナーになってほしいと申し出るのだが...

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感想


「マッド・マックス」に「スター・ウォーズ」など、伝説的な映画シリーズたちが次々と復活した2015年を締めくくるのは、なんとあの「ロッキー」の後継者となる青年の物語を描いた完全新作!
映画ファンなら誰もが興奮せずにはいられないニュースですよね。

...とか言いながら私、実は「ロッキー」シリーズを一本も観たことがないんですよ。そんなんでよく映画好き名乗ってられるな、という感じなんですけど。

そんな私から観たこの「クリード」、簡単に言うなら「『多分』面白かったんじゃないのかなあ」という、曖昧で自分でもよく分からない感想が真っ先に浮かんできちゃいました。

だってこの映画、最大限に楽しむためにはロッキーシリーズを鑑賞していることが大前提となっているのがモロ分かりなんですもん!

両親のいない主人公のドニーは子どもの頃、施設に預けられていました。
伝説のボクシングチャンピオンの血を引く彼は、まるで自分の力を持て余しているかのように毎日ケンカばかり。
そんな彼はある日、直接会ったこともない父親の妻と名乗るメアリー・アンという女性の手によって引き取られます。

そこからの日々は苦労ばかり...かと思いきや、17年が経ってすっかり大人になったクリードはL.A.にある立派なオフィスでスーツに身を包み、ビジネスマンとして大活躍。つい最近に昇進が決まったばかりです。
通勤には豪華なオープンカーを乗り回し、母親と2人で住むには大きすぎる豪邸で何不自由なく暮らしています。

そんな彼には夜の顔があり、メキシコまで遠出しては道場破りをして賞金を稼いでいたわけですが、それだけでは自分の中に流れるチャンプの血を抑えられなくなった彼は、突然会社を辞め、母親の反対を押し切って家出。プロボクサーを目指すこととなります。

なんかなあ。この設定だけ見ると、彼のことを本気で応援したいと思えなくて。
「ロッキー」って破天荒で喧嘩っ早い、苦労人の主人公たちが、誰が一番強いのかを正当な方法で競う話かと勝手に思ってたんですよ。

でも今作の主人公ドニーは普通にインテリで、劇中でみんなに言われてたように「ボクシングをしなくても生きていく道がある」人です。
だから、彼は「父親が最強のボクサーになれたのなら、俺だって才能あるだろ!」っていうただの見栄っ張りか、自信過剰な人が趣味で始めただけにしか見えなくって。

劇中でも正直あまりストイックなトレーニングをしているとは思えない言動が多すぎて、「この人マジでプロの世界を金持ちの道楽かなんかと勘違いしてるんじゃあ...」という疑念が最後まで晴れなかったのがちょっと残念でした。

これがシリーズをちゃんと見てた人からすれば、「血は争えんなぁ...」と感慨深いところなんでしょうけど、一見さんにはちょっと入りづらい設定になっちゃってるかもしれませんね。

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そんなドニーは、父の最大のライバルだった伝説のボクサー、ロッキーにコーチをつけてもらうよう頼み込みます。
運命を感じたロッキーは、最初は渋るものの、意外とあっさり折れてドニーのコーチを引き受けるんですが、ここからの流れもちょっと中途半端だったかな。

極端なネタバレは好きでないので控えますが、とりあえずこれはドニーの物語を描きたいのか、ロッキーのその後を描きたいのかフォーカスが定まっていなかったように思えます。
あくまでドニーが主人公だけど、ロッキーにも当然なんらかの山場を作ってあげたいし...という思いだけが空回りして、結局どっちのキャラにも感情移入できないまま終わっちゃう、みたいな。

そんな感じでストーリーには割と問題ありな部分が多かったように思いましたが、ボクシングのシーンの迫力は素直に圧巻でした。
今作でドニーの前に立ちはだかるボクサーたちは、みんな本物のプロボクサーたちが演じています。
だからこそ動きの俊敏さやパンチの重たさまでもが画面から伝わってきて、まるで本物の試合を見ているような感覚にさえ陥ってしまう瞬間もあるほど。

そして劇中で、ロッキーが手で書いた練習メニューをドニーが写メで撮り、メモを捨ててしまおうとするシーンで

ロッキー「携帯が壊れたらどうするんだ?」
ドニー「今は何でもクラウドに保管しているから大丈夫だよ!」
ロッキー「雲(クラウド)に保存するってどゆこと?」

といったやりとりがあることからもわかるように、スルスルと流れるような自然かつテンポの良いセリフ運びに、臨場感と緊迫感を両立したちょっと忙しめのカメラワークなど、映画の演出自体もいかにも現代っぽいものとなっています。
ボクシングのシーンに長回しが使われていたのもグッド。あれで一気に試合にリアリティがでましたね。

ドニーのキャラ設定や言動も含め、なんかすっごく2015年っぽい映画だなあ、と思っていたら、監督は「フルートベール駅で」にて高い評価を得た、若干29歳のライアン・クーグラー監督だったんですね。そりゃ納得だ。
そういえば、「フルートベール駅で」の主演もマイケル・B・ジョーダンでしたね。

確かにクーグラー監督の演出力は疑いようもなく洗練されているし、マイケル・B・ジョーダンも、本物のボクサーたちに混じっても不自然さを感じさせないほど役作りに励んできたのがわかる素晴らしい演技を見せてくれてはいるのですが、
どうも監督の「ロッキー」愛が強すぎて、一見さんには敷居の高い作品に作品になってしまったのかも。

映画のクライマックスとなるラストマッチの間でも、劇場内では様々なところからすすり泣きが聞こえてきたのに、私はただただ「うわ、痛そー... でもドニー頑張れー! 負けるなー!」くらいの、完全なる傍観者的な気持ちしか湧き上がって来なかったというのがちょっと悲しかったです。

まあ、こういう映画を観に行くという時点で予習してない私が悪いっちゃ悪いんですが、正直30年も40年も前、まだ生まれてすらいなかった時に公開された映画を「観てて当然」みたいな演出を多めに持ってこられるとちょっとキツいものがありますよね。
その辺り、先日公開された「スターウォーズ」の方はシリーズファンへのサービスと、新規ファン取り込みをうまいこと両立させていたと思うんですが...

って気づいたら批判的なことばっかり言ってますね。
基本的にはこの映画、ストーリーはちょっとガバガバな点も見られますが、面白いですよ。
ただ、感動だったりキャラクターへの感情移入をしたい場合には、シリーズの予習が必須かと思われますけども。

シリーズファンの方は見逃す手はない作品だと思いますし、
ロッキーほど有名な作品なら多分、レンタル屋さんでDVD全部揃いますよね? 家にいることも多くなる年末年始、「スターウォーズ」と「ロッキー」を家族みんなで復習した後、映画館に繰り出すのもまた一興かもしれません!




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2016/01/16 (Sat) 17:40

17日のことですが、映画「クリード チャンプを継ぐ男」を鑑賞しました。 試写会にて アドニス・ジョンソンは亡きボクサー アポロ・クリードと愛人の間に生まれた子であり、現在は大手企業の社員として働いていた しかし いつしか父を追うように自己流でボクシングに打ち...

笑う社会人の生活 - http://blog.goo.ne.jp/macbookw/e/dc2e82ecb71d4bd236549ff7159bdf7d