寄生獣 完結編 感想

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オススメ度: ★★★☆

あらすじ: ある時,宇宙より突如謎の生物が飛来する。
その正体は,人間の体に寄生し人間を捕食して生きる,寄生生物であった。寄生生物たちは次々と人間たちを捕食し,人類は存続の危機に立たされていた。

そんなある日,普通の高校生,新一(染谷将太)は脳を乗っ取られることはかろうじて防げたものの,右手を寄生生物に寄生される。その寄生生物は,自分のことをミギー(阿部サダヲ)と呼ぶようにと新一に告げる。

新一の暮らす東福山市では,市長・広川(北村一輝)が率いる寄生生物たちの強大なネットワークが形成されていく。彼らの動向を注視していた人類側は,パラサイトの全滅を図るべく特殊部隊を編成して広川と配下たちの根城となっている東福山市庁舎の急襲を画策していた。

そして人間の子供を産み,人間との共存を目指す寄生生物,田宮良子(深津絵里)は,新一を共存のための希望として監視していた。

それぞれの思惑が交差する中,静かに対決の時が迫る...

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'90年代に人気を博した長編間が作品の,昨年に公開された前編に続く実写版2部作の完結編ですが,
まず,こういう有名な原作に基づいた映画の評価はすごく難しいと改めて言っておきましょう。

特に,漫画が原作だとさらに難しい。なぜなら小説と違って原作の時点で絵がついているために,登場人物の見た目や,さらにはどこの角度からどんなセリフをどんな表情で話しているかなど,全てがちゃんとある種の映像として完成されてしまっているから。

そのため,原作を読んだ人と読んでいない人の間での評価に温度差がでやすいものです。
原作を読んでいる人は原作への忠実さを求め,逆に読んでいない人は,純粋に映画としての面白さを求めるから。

かくいう私は原作を読んでいない人間なのですが,この作品は実に「惜しい!」作品であったように感じました。

この作品は深みのある世界観,「永遠の0」や「Always 三丁目の夕日」などで知られる山崎貴監督による実にウィットに富んだ脚本に加え,俳優たちによる熱演によって,緊迫感のある映像世界が作り出されていて実に素晴らしい。

特にキーキャラクターである田宮良子を演じた深津絵里は,最初は感情を持たず,全てを実験の道具としか思っていなかったところから,だんだんと優しさや母性を持ち始めていく過程を実に生々しく演じ,本作のクライマックスシーンへ感動をもたらしてくれています。

と,ここまで見ると欠点のない最高の映画なのですが...

ちょっとまずかった点は,本作のラスボス的存在である後藤(浅野忠信)とのラストバトルにおける,主人公の新一とミギーの描きかた。

そこまで緊迫感を保ってきて,最後の大一番...というところにもかかわらず,なんとも気の抜けたやりとりを繰り広げる2人の姿は,それまで築き上げてきた高揚感を一気に崩壊させ,最後に最も盛り上がるべきシーンを,まるで炭酸の抜けたコーラのような生ぬるいだけのコメディシーンへと変えてしまっています。

「終わりよければ全て良し」という言葉がありますが,この映画は最後の詰めが甘かったかな,という感じ。
別に染谷将太も阿部サダヲも,シリアスな演技ができないというわけではないと思うんですけどね。うーん...

私にはこの作品がどこまで原作に忠実だったかは知る由もありませんが,
ただ5年間以上続いた長編マンガ作品を,前後編合わせて4時間弱という短い時間の中に筋の通った物語としてまとめた山崎監督の力量には恐れ入りました。

原作ファンは,「寄生獣」という作品の一つの捉え方として,また原作を読んだことがない人は,一つのSFアクションスペクタクルとして,一度は観てみる価値のある作品であることは間違いありません!

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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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