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ブラック・スキャンダル (Black Mass) 極力ネタバレなし感想 闇の心臓部。

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オススメ度 ★★★★



あらすじ


1970年代のマサチューセッツ州。

大都市ボストンの中でも犯罪率の高い地域と悪名高いサウス・ボストンは地元民から「サウシー」と呼ばれ、多くのギャンググループがはびこっていた。

中でも有名なのは、アイリッシュ・マフィアのボスとして同地一帯を牛耳るジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー(ジョニー・デップ)

麻薬に賭博、殺人などありとあらゆる犯罪を続けるバルジャーの元に、幼少時代からの親友であるジョン・コナリー(ジョエル・エドガートン)が接触を図ってくる。

現在はFBI捜査官となったコナリーは、イタリア系マフィアを駆逐すべく、バルジャーの犯罪を見逃す代わりに、FBIに情報を提供するという密約を提案。
両者の利害は完全に一致し、こうしてアメリカの犯罪史に名を残す恐ろしい「協定」が結ばれたのだった...

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感想


よいこのみんな、ジョニー・デップは好きかなー!?

(だいすきー!)

うん、そうかそうか、じゃあ、この「ブラック・スキャンダル」は絶対観なくちゃいけませんよ。
なんせ、あのジョニデ様が、2009年の「パブリック・エネミーズ」以来久々にまともな役に当たった映画なのだから!

南極の氷の冷たく、殺気に満ちた目。死神のような笑顔。
何を考えているのかわからない人ほど恐ろしい人間はいません。

アメリカはボストンで実際に起こったショッキングすぎる事件を実写映画化した「ブラック・スキャンダル」は、ジョニー・デップが遂に本領を発揮した(させてもらえた?)最高の演技が観るものすべてを深淵の闇へと引きずり込む、最「凶」のクライムサスペンスに仕上がっています。

物語の主人公は、アイリッシュ・マフィアのボス、ジミー・"ホワイティ"・バルジャー。
とは言っても、彼の犯罪は恐喝、ドラッグなど、ボストンの街のコミュニティだけに知られる程度のケチなもの。

通称「サウシー」と呼ばれるアイルランド系アメリカ人のコミュニュティで生まれ育った彼は、彼が犯罪者だと知っていようがいまいが、街の誰からも愛される存在。
そんな彼は、最近縄張りを荒らすイタリアのマフィア軍団をどうやって叩き潰してやろうかと頭を悩ませていました。

そこで彼のバルジャーの元に現れたのは、同じくサウシーで生まれ育った幼馴染、ジョン・コナリー。
マフィアのボスであるバルジャーとは対照的にFBIの捜査官となっていたコナリーは、バルジャーにとある提案を持ちかけます。

その内容がまたとんでもない。
なんと、FBIとバルジャーにとって共通の敵であるイタリアンマフィアを潰すため、バルジャーの犯罪を見逃す代わりに、FBIへの情報提供者となれという、もう完全に言い逃れのできない闇取引なのでした。

で、その関係というのはフェアなものとして機能したのか?
答えは当然「ノー」です。

FBIの保護を得て、ある意味「公式に」犯罪を犯すことを許されたバルジャーはやりたい放題。
邪魔者はどんどん殺し、ドラッグも売捌きまくり。
多少の情報さえ提供すれば、あとはFBIが勝手にイタリアンマフィアを始末してくれる。
こんなに美味しいお話はないわけです。

この契約は、コナリーにとっても甘すぎる蜜でした。
バルジャーの情報によってイタリアンマフィアを壊滅へ追い込んだコナリーは、一躍FBIの英雄的存在に。

味をしめたコナリーはバルジャーとの関係を深め、来ている服から歩き方さえも変わるなど、どんどん深い闇へと堕ちていってしまいます。
着る服やアクセサリー、歩き方さえも変わり、悪に染まっていくコナリーは最愛の妻にさえも訝しがられるように。

それは、コナリーがバルジャーに抱く歪んだ憧れがもたらしたものだったのか、この「協定」がもたらす甘い毒牙によっていただけなのか、それともその両方だったのか。
私たちには推し量ることしかできませんが、恐ろしい速度で悪に落ちていくコナリーの姿が滑稽で、どこまでも皮肉に描かれているのが非常に印象的です。

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一方ジョニデ様が演じるバルジャーは? といえば、上述の通りやりたい放題なので、あっという間にアメリカを代表する大犯罪者にのし上がっていきます。

犯罪者として成功すればするほど、その冷酷さも苛烈を極めていき、自身の逮捕につながりそうな言葉を一文字でも吐いた人間は自身の手で容赦なく殺すなど、こっちはこっちで闇の底へと超ハイスピードで突き進んでいるわけです。

その冷酷さを象徴しているのが、コナリー家での会食で起こる2つの事件。

仲間内で、「家族の秘密だ」というステーキソースのレシピを「ナイフで脅しちゃうぞぉ♡」なんてお茶目な態度で聞き出した次の瞬間...
あれは、一瞬にして観客全員の背筋が凍りついたはずです。あのポーカーフェイスの内部に広がる深淵の闇が姿を表す瞬間ですね。

そこに続くのは、バルジャーを嫌って寝室に篭っていたコナリーの妻を見舞いに寝室へ行って...
あそこもとんでもないですよ。下手なホラーよりも全然恐ろしいですね。

あの恐ろしさは、ここに至るまでの展開で、バルジャーが男/女関係なしに、情け容赦なく人間の命を奪うシーンをいくつも見せつけてきたことが効果的に働いていると思えますね。素晴らしい...と言っていいのでしょうか。倫理的には完全アウトですけどね。

ここで気になるのが、バルジャーの弟にして、ボストンで最大の影響力を持った政治家でもあったトミーの存在ですね。

2015年アカデミー賞ではゲイの天才数学者を演じた「イミテーション・ゲーム」でノミネートを受けたばかりのベネディクト・カンバーバッチがキャスティングされ、

日本版公式サイトでは、「ギャング、FBI、政治家が手を組んだ、アメリカ史上最悪の汚職事件=スキャンダルが暴かれる!」と高らかに謳っていたことから、彼もバルジャーやコナリーの積極的な協力者として事件に濃厚に絡んでくることを期待している皆さんも多いでしょうが残念。

トミーさんは、バルジャーの犯罪への関与に対してむしろ否定的。コナリーに自分の政治家としての立場の危うさをネタに脅された時でさえ、「そんな愚かな考えを持ったまま私の部屋に入るな」と一蹴してしまうほどです。

現在注目のキャストが入っていると、それを呼び物にしたがるのは日本映画界の悪い癖ですが、映画の内容と違う売り文句を持ってくるのはさすがにいかがなんですかね。

トミーが犯罪に関与していた可能性を匂わせるより、「犯罪王の弟でも、政治家として支持を集められる」というアメリカの政治的思想について切り込んでくれていたら、この映画はさらに深みを増していたんだと思いますが。

しかしこの映画、そう言った政治的背景や、この事件から学ぶべき教訓よりも、「こんな恐ろしい事件が現実にあったんだ」ということに素直に驚き、恐れおののくという楽しみ方こそが正解の、純粋なエンタメ作品としての側面が強いように思います。

ジョニー・デップがキャスティングされたのもそこが要因の一つかと。
世界最強のエンタメキングが本気の演技を見せる。才能に溢れた俳優の実力を最大限に活かした物語を、存分に楽しんでくださいよと。

今作の監督スコット・クーパーの代表作「クレイジー・ハート」もそうでしたよね。
「人生はやり直せる」というありふれすぎたメッセージを、「世界で最も過小評価された俳優」と呼ばれていたジェフ・ブリッジスにのびのびと演じさせて、最終的には彼をアカデミー賞の主演男優賞へと導いたではありませんか。

この作品は、ジョニデ様のファンだけど、最近の作品は話自体がつまらないから不満だったよ...という方々が狂喜乱舞してこそ本望な、ジョニデ様祭を楽しむ映画、と言ってしまってもいいかもしれませんね。

...ということでみんな、わかったかな!? この映画はとっても面白いから、ジョニデ様のかっこいいとこ見たい人は、絶対観に行くんですよ!

えっ、これR15+指定だから、よいこのみんなは観ることすら叶わないって!?
仕方ないなあ、じゃあDVDが出たら、お母さんには内緒でこっそり観るんです。 だって、「誰も見てないとこでやったなら、それはなかったことと同じ」ですからね!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

  • 2016/02/04 (Thu) 00:14
    にとり #X.Av9vec - URL
    No title

    良い子のみんなはこの映画を観てスクスクと育って欲しいですね(酷
    この映画は下手なホラーよりも怖いですね。
    ジョニー・デップの演技がとにかく光る素敵な映画でした。

  • 2016/02/04 (Thu) 01:25
    UC #- - URL
    Re: No title

    にとりさん、コメントありがとうございます!

    そうですよ、世界中のよいこたちは、ちゃんと悪いことをする時には見えないところでするように学ばないと!

    あのお食事シーンは2016年一番肝が冷えたシーンでしたね。観ながら「シュォォォ」とか変な息を漏らしちゃいました。
    ジョニー・デップはここからまたいい映画にたくさん出て、世界にその才能を見せつけて欲しいですね。

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