残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐ 極力ネタバレなし感想 逃れえぬ恐怖

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オススメ度 ★★☆



あらすじ


読者からの投稿を小説化する連載を持ったミステリー小説家「私(竹内結子)」の元に、読者の女子大生・久保さん(橋本愛)から、最近越してきた部屋で奇妙な現象が起こるという手紙が届く。

久保さんの手紙によると、自宅の和室から、何か掃き掃除でもしているかのような奇妙な物音が鳴り続けており、
しかもそれは、彼女が和室に背を向けている時にしか起こらないのだとか。

この怪奇現象に引っかかりを感じた「私」は、久保さんの自宅を訪れ、謎の解明に乗り出す。
調査を進めるうち、そのマンションに以前住んでいた人々が自殺や心中、殺人などの事件を起こしていたこと、さらにその根源となる原因は、なんと20世紀前半の、現在マンションが建っている場所ではない土地で起きた事件まで関わっていることが判明。

果たして「私」と久保さんは、この怪奇現象の根源を突き止めることができるのか...

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感想


Jホラーといえば、わけのわからない超能力で人の体を捻ったりミイラにしたりする女の子が大暴れするイメージが強いかと思います。あれ、もしかして私だけですか?

しかしこの「残穢」は、そんなテンプレ化したJホラーのフォーミュラにメスを入れる斬新な設定が売りの、新感覚なホラー映画。

ミステリー作家である主人公の「私」が、ネタの投稿者である女子大生・仮名「久保さん」や作家仲間を巻き込んで怪奇現象の根っこの部分に迫っていく、この映画そのものまでもがミステリー映画のように進行していくという、一風変わった物語になっています。

物語はあるマンションの一室から始まります。
大学進学を機に上京してきた女子大生の久保さんは、部屋の和室から鳴る奇妙な物音を耳にします。
それはまるで、誰かが同じところをずーっと掃き掃除をしているかのような...

しかしその音は、なぜか久保さんが和室の方を向いている時には鳴らないのです。なんと不思議な。
なんだか不気味だと思った久保さんは、この話を実話系ミステリー作家で今回の主人公「私」に手紙で投稿。

興味を抱いた「私」は、事態の調査に乗り出すわけですが...

サブタイトルが「住んではいけない部屋」であるため、一見久保さんの住むマンションの一室だけを舞台にした作品だとミスリードさせられてしまいがちですが、実際は閉塞感のとっても少ないお話。

一つの怪奇現象の原因を調べれば調べるほど、実はそれは時間や場所の垣根を越えて起きてきた様々な怪奇現象を巻き込み、全ての根源へつながっていた...というのがこの物語のテーマです。
そのため「私」と久保さんは様々なところへ取材に出かけ、東京都小平市に始まった調査範囲は、最終的に福岡県の北九州市まで広がっていきます。

調査の過程では、所々モノローグの形で怪奇現象が映し出されるものの、基本的には「私」や久保さんが幽霊なんかを目にするシーンはほとんどありません。
関係者にインタビューをしたり文献の調査をしていく様子は非常に淡々としており、映画というよりむしろ「放送禁止! 〜不幸のマンションの真実に迫る〜」なんてタイトルのテレビスペシャルとして放送されていそう。

意図的なのかもしれないですが、それ以外にもテレビチックな演出が目立ったのが少し気になりましたね。
特にラスト直前で、事件の関係者たちが、移動中なんかに自然に話していたと思ったら、最後に突然カメラ目線になって決めセリフを言い放つ演出なんかはその最たるものですね。
そこまで保ってきた緊張感がそこで一気に気が抜けた感じになっちゃうのが残念。

あと個人的に気になったのが、「私」と久保さんがお寺にインタビューをしに行ったシーンの背景が、合成感ありありのグリーンバックエフェクトだったこと。あれ、グリーンバックでしたよね? やっぱり心霊現象をテーマにした作品をお寺で撮影するのは難しかったのかしら。

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とはいえ、この事件があたかも現実のものであり、もしかしたら観客である我々にも祟りが降りかかってくるのではないかと思わせる展開のさせ方は上手だと思いました。

主人公の「私」が、どう考えたって原作者の小野不由美さん本人をモデルとしているため、もしかしたらこの映画、というか原作の話も実際に投稿された話がもとになっているんじゃあ...という想像をさせるには絶好の設定ですし、

劇中で語られる「話しても、聞いただけでも祟られる」という恐ろしすぎる祟りの本質は、登場人物が本当に実在の人たちなのかも...と思わせられてこそ生きてきたのだと思います。

それを観客の脳にドカーンと突きつけるのが、ラストにやってくる怒涛の「アレ」です。
あそこ、演出さえ間違ってなければ超怖かったんですけどね。ていうか、竹内結子のあれだけで終わっておけばよかったんですよ。

他の方々のはかなりの蛇足だった...というか、カメラワークも演出も、あそこだけは何から何まで現実離れした、いわゆる典型的な超常現象系Jホラーになってしまってたのは惜しいなあ、と思いました。
ホラーが大の苦手な怖がりの私でも、あそこの部分はちょっと笑いそうになっちゃいましたし。

キャスト陣は個性豊かで良かったですね。
今大人気の橋本愛は、相変わらずの美貌と安定した演技力で、しっかりと観客の視線を釘付けにする存在感を放っていましたし、
調査に協力してくれるミステリー作家の平岡芳明を演じた佐々木蔵之介のひょうきんなキャラクターも、作品のスパイスとして上手に機能していたように思います。

そして何と言っても、ちょっと枯れた感じの小説化を演じた主演の竹内結子が美人だった...
パッと明るいキャラクターより、ああいう影のある女性に惹かれちゃうんですよ。この映画を観た世の男性の皆さんは、一発でノックアウトされちゃったんじゃないでしょうか。

でも私、竹内結子と橋本愛の美貌にやられてる場合じゃないんですよ。
だってこの映画の話、さっきも言ったように「話しても、聞いただけでも祟られる」んですよ? 私の家にもなんか来ちゃったらどうしようと思ったら、もう布団を出られない! どうするんですか、このブログを書きながら、隣の部屋から床を擦るような音が聞こえてきちゃったら!

ああもう、布団も出られないし、音も聞きたくないからイヤホンも外せない! これはもう、明日は会社休みます!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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