アーロと少年 (The Good Dinosaur) ネタバレあり感想 踏み出す一歩が。

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オススメ度 ★★★☆



あらすじ


恐竜が世界の支配者だった時代、もしも、史実では恐竜を滅ぼしたとされる彗星が地球に落ちていなかったら...

知性が高まり、言語を介してコミュニケーションを取るようになった恐竜たち。
そんな中、とある草食恐竜の夫婦の間に、3頭の子どもが生まれた。

上の2頭パパ(ジェフリー・ライト)ママ(フランシス・マクドーマンド)に似て賢く勇敢だったが、三男のアーロ(レイモンド・オチョア)だけは体も小さく、おっちょこちょいで臆病。落ちこぼれとして、いつもみんなの笑いものだった。

そんなダメダメなアーロのことを諦めることなく、パパは彼を強い男の子に育てようと、様々な仕事を与える。
しかし、どの仕事もアーロはことごとく失敗。ついには、彼らの食料を狙って現れた謎の生物を取り逃がしてしまう。

アーロの不甲斐なさにしびれを切らしたパパは、アーロを山の中に連れて行き、無理にでも恐怖を払拭させようとする。

しかし、山の中で嵐に見舞われた彼らの背後には、山上からの大濁流が迫っていた...

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感想


落ちこぼれだったけど、旅を通じて自分の内面の弱さを克服していく主人公に、それを傍で支える忠実なペットの物語。その設定を聞くだけで、どう考えたって泣ける話になりそうじゃないですか?

でもその話、もしも人間とペットの立場が逆転していたらどうなるんでしょう?

それが今作「アーロと少年」の舞台設定。
もともとは世界の支配者だった恐竜たちを一瞬で滅ぼしたとされる彗星が、もしも地球に落ちていなかったら...というifストーリーとなっているのです。

恐竜が滅びなかった地球では、草食恐竜たちは言語を介してコミュニケーションをとり、農業をして自給自足の生活を送っています。
山の中にある一つの小屋の中、慎ましい生活をしていた草食恐竜の夫婦のもとに、春が訪れます。

彼らの間に、子どもが生まれたのです、それも3頭!
長女のリビーは兄弟の中で一番賢く、長男のバックは誰より勇敢。しかし、三男のアーロ(レイモンド・オチョア)だけは体も小さく、おっちょこちょいで臆病。何をやらせても失敗ばかりのダメ男くんだったのです。

きょうだいたちだけでなく、ママからも呆れられるアーロでしたが、そんな中でもパパだけは諦めませんでした。
アーロにたくましい男のことになってもらおうと、パパはアーロに様々な仕事を言いつけます。でも、やっぱりどれも失敗ばかり。

汚名返上のための大仕事、食料庫の防衛という任務も、謎の四速歩行生物に邪魔をされて大失敗。
もう我慢ならんと、パパはアーロを山へと連れ出します。

しかし、それが悲劇の始まりでした。
山には嵐が迫っていて、山の上からは大濁流が流れ出してきていたことに、パパはまだ気づいていなかったのです。

案の定逃げ場を失ってしまった彼らですが、パパは決死の覚悟でアーロを救出。
なんとか難を逃れたアーロでしたが、パパは濁流にのまれて還らぬ人となってしまいます。

この辺までの話、どっかで聞いたことあると思いました?
いやいや、「どっかで」どころか何度も聞いてるはずですよ。同じディズニーだと、尊敬する親から切り離されてしまった息子が奮闘するという話は、「ライオンキング」や「ダンボ」もそうですよね。でもそれを、仲間たちと協力しあってなんとか乗り越えていくんですよ。

基本的には、この「アーロと少年」も同じ内容のお話です。けれど、他の話では仲間たちと言語を介して意思疎通ができていたじゃないですか? そこが今作をユニークなものとしている部分と言えるはずです。

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一家の大黒柱を失ったアーロ家は、深刻な食糧不足に悩まされます。

「あなたがもっと頑張らなくちゃ」という母親の言葉に応えられるよう努力することを誓ったアーロでしたが、そこに再び、あの謎の四速歩行生物が!

パパを失ったのはお前のせいだと生き物を追いかけるアーロは、その拍子に川に落ち、下流へと流されていってしまいます。

目覚めて辺りを見回すと、そこは今まで来たことも見たこともない山の中。
なんとか家に帰らないと。アーロは、唯一そばにいた存在である謎の生き物にスポット(ジャック・ブライト)と名前をつけて、一緒に行動することになります。

そのあとの話は、皆さんご想像の通りです。

ずる賢くて残忍なプテラノドンとの闘いや、快活で心優しいティラノサウルスの家族の助けを借りながら、アーロはスポットとともに自分の心の中にある恐怖を克服していく...という物語になっています。
ね、とってもベーシックなプロットでしょ?

劇中でのスポットは、見た目は人間だけど、仕草も鳴き声も含め、どこからどう見ても犬です。この時代だったら狼か?
恐竜の...というか言葉を話すことができない彼は、アーロと対等な立場の友達というよりも、今でいう「ペット」のような扱いになっています。

だからこそ、今までは守られるだけの立場だったアーロがスポットのことを守るために強くなろうとする過程が感動的に映るんですよね。

そして、とんでもなく美麗な映像と音楽はこの映画最大の魅力と言えるでしょう。

まるで私たちまで原始時代の山の中へと迷い混んでしまったかのように感じられるほど繊細で壮大な風景は、CG技術の素晴らしさを感じさせられますね。
そこにバイオリンの音色が鳴り響いちゃったりすると...もう、感動的なシーンでもないのに、思わず涙が出てきちゃうよ!

特にラスト、アーロが故郷への道を一歩一歩力強く踏み出していくシーンは完璧です。
家を出た時よりもひとまわり大きくなった彼が、夕日が差す壮大な高原を歩く姿には、神々しさすら感じられます。

このお話は、これまでピクサーが数々の傑作たちのレベルには達していないかもしれませんが、それでも観客を自分の世界観へとグイグイ引き込む力は健在。

シンプルで小さな物語なのに、観客の心に強く大きなインパクトを与えられるこの映画、
映画館の大きなスクリーンで、目の前に広がる広大な自然に身を投げ出してみてはいかがでしょうか。



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2016/04/30 (Sat) 18:05

15日のことですが、映画「アーロと少年」を鑑賞しました。 3兄弟の中でも体が小さな末っ子アーロは甘えん坊で臆病な性格のため みんなにからかわれ兄や姉たちに少なからず劣等感を抱いていた ある事故で父は亡くなったが 深い愛情に包まれて育ったアーロだが、ある日川の...

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