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ボーダーライン (Sicario) 極力ネタバレなし感想 敵は誰だ。

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オススメ度 ★★★★☆



あらすじ


アリゾナ州はチャンドラー。

誘拐事件の捜査のため、FBI捜査官たちは容疑者宅に奇襲をかけた。女性捜査官のケイト・メイサー(エミリー・ブラント)は、容疑者宅の壁の中に被害者たちの死体が大量にが隠されているところを発見する。

誘拐事件の主犯と考えられているのは、マニュエル・ディアスという人物を中心とした麻薬カルテル。
ケイトは、CIAの特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)のチームでディアスのカルテルを捜査するという任務に当たることになった。

麻薬カルテルの本拠地があると考えられるテキサス州エル・パソにたどり着いたケイトは、現地で所属不明のコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。

しかし、今回の捜査には超法規的で暴力的なものが多く用いられていることに、ケイトは疑念を募らせていく。
果たしてCIAがケイトを捜査へ呼び出した真の目的とはなんなのか? アレハンドロとは一体何者なのか?

その謎の答えが明らかになる時、事件は全く別の姿を見せることになる...

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感想


原題の"Sicario"はスペイン語で「殺し屋」っていう意味らしいんですけど、映画を観るとなるほど、だからポスターのど真ん中にいるのはあの人なのね、と納得。

じゃあ邦題の「ボーダーライン」は相変わらずの雰囲気重視な適当タイトルなのかと言えば、確かに色んな意味での「ボーダーライン」を描いたお話だったよなあ、とこれまた納得。

邦題がちゃんと映画の意味を捉えてる映画って珍しいと思うんですが、
アメリカとメキシコの国境(ボーダーライン)で繰り広げられる、麻薬カルテルとCIAの戦い、そしてそこへ誘われたFBIエージェントの葛藤を描いたこの作品は、
とにかくいつ何が起こるのか、今何が起きているのか、異常な緊張感の中で闇の中をさ迷っているかのような感覚を味わえる、極上のクライム・サスペンスに仕上がっています。

まず、物語の始まりからエグい。エグいです。
アメリカはアリゾナ州にある民家からお話はスタート。一見普通に見えるこの民家、実は大規模な誘拐事件の本拠地であり、なんと主犯である麻薬カルテルのアジトだったりするのです。

主人公であるケイト・メイサー(エミリー・ブラント)を始めとするFBIエージェントたちは、犯人たちを容赦なく射殺。

ふおお、いきなりすげえもん見せつけてくるなあ、と思いきや、次の瞬間にはさらなる衝撃映像が。
敵の射撃が壁に穴を開け、その穴を覗きこんでみるとなんと! 中には誘拐被害者たちの死体が大量に隠されていたではありませんか!

ヒィィィ!! こんなんトラウマになるわ!!
しかし彼らはプロフェッショナル。あまりに凄惨な光景に外でゲーゲー吐きながらも、冷静に事件の大元の捜査に乗り出すFBIは、CIAの特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)を招いて今後の捜査についての作戦を練ることとなります。

その会議の場に呼び出されたケイトは、半ば強制的にミッションへの「自主的」参加を求められることに。
マットのチームで働くことになった彼女は、標的であるメキシコの麻薬カルテル、そしてその親玉であるマニュエル・ディアスの本拠地が存在する最付近の、テキサス州エル・パソへと移動するのですが...

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そこでケイトが出会うのが、所属不明・正体不明のコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)。マットのパートナーという彼は、エージェントとしては非常に優秀な腕を持っているとのことで。

ミッションのために国境を越え、メキシコのシウダー・フアレスにやってきたケイトたちの目に飛び込んでくるのは、まるで普通の光景であるかのように街中に吊るされた死体の数々。
思わず目をふさぎたくなってしまうような光景ですが、これこそがこの街を取り囲む現実。まるでケイトを待ち受けるミッションの過酷さを物語っているようでした...

なんて考え込んじゃう暇なんてありません!
ケイトたちのチームがアメリカ本土へ戻るために高速道路を進んでいると、なんだか不穏な空気が流れます。
麻薬カルテルの構成員たちが彼らを取り囲んでいることに気づいたアレハンドロは、ケイトにも武器を構えるように指示します。

なんだこれは。街中での銃撃戦!? 事態に困惑するケイトをよそに、敵は攻撃を開始。
的確すぎる射撃の腕で次々と敵を射殺していくアレハンドロと、なんとか手元の銃で応戦するしかないケイト。2人の間にあるのは経験の差以上に、ミッションにかける覚悟や目的意識の差です。

敵からの攻撃とはいえ、こんなにも多くの人々が出入りする巨大な高速道路上でド派手な殺戮劇を繰り広げるなんて。
そのあまりに過激で、何より違法な捜査方法に猛烈な抗議をするケイトでしたが、それを受けてマットから語られた彼らの目的は、あまりにも衝撃的なものでした。

CIAの目的は、街中でカルテルとの大立ち回りを演じることによってディアスを街へ呼び戻し、彼がカルテルを取り仕切る大ボスの麻薬王ファウスト・アラルコンの居場所を突きとめることだったのだというのです。

このシーンでのアクションシーンの迫力と臨場感が凄まじく、思わず見ているこっちまで銃弾を避けないと! と体を動かしてしまうほど。
今作はアカデミー賞の撮影賞にノミネートされましたが、後半に登場する、まるで戦場にいるエージェントになったかのような感覚に陥ってしまうようなエフェクトも含め本当に素晴らしいです。

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そこからの展開は、もう言葉にするのが難しい。
未だ明瞭ではないCIAの真の狙い、FBIエージェントのケイトがわざわざこのミッションに呼ばれた最大の理由、そして謎の軍人アレハンドロの正体...数多く存在する謎の答えが一つずつ明らかになっていく時、物語はどんどんと絶望への道を進み始めるのです。

そもそもどの団体に所属しているのかすらわからないのに、なぜかCIAと行動を共にし、麻薬カルテルの殲滅へ冷酷に突き進むアレハンドロ。彼の目的は、正義のために麻薬カルテルを撲滅すること? それとも、個人的な「何か」に突き動かされて行動しているのか?
その答えは、彼の目を見れば明らかでしょう。

謎に包まれたアレハンドロを演じたベニチオ・デル・トロの演技は、あまりの迫力に思わず震え上がってしまうほど。彼はなぜ主演男優賞にノミネートすらされなかったのでしょう?

「毒を以て毒を制する」とはよく言ったものですが、大義名分のために超法規的な悪の力を行使して捜査を進めていくCIAに正義はあるのか? そもそも、正義と悪の境界線(ボーダーライン)とはどこに存在しているのか?
なんともグレーなテーマを深みと緊張感をもって描いた展開の秀逸さは、さすが「プリズナーズ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

その境目で葛藤する主人公・ケイトを演じたエミリー・ブラントがまた素晴らしい。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ではトム・クルーズが雑魚キャラに思えてしまうほどのハードコアな最強軍人を見事に演じきった彼女が、今回もやってくれました。

メインキャラ唯一の女性でありながら、法規的な正義を信じて戦う彼女の抱く疑念や恐怖、過酷な状況の中でも力強く戦い抜こうとする彼女の姿に共感し、まるで観客である我々も彼女になったかのように、謎だらけの世界を一緒になって体験できるんです。
彼女の演技なしではここまで素晴らしい映画にはなっていなかったでしょうね。

最初から最後まで押しつぶされそうな緊迫感が支配する「ボーダーライン」ですが、実は話そのものがかなり難解なのもあって、振り落とされないように必死に観ないと途中でわけわからんくなってきた...と思っちゃうこともあるかもしれません。

しかしご安心を。
この映画、あまりの面白さに食い入って観てしまうこと間違いなしですから。



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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2016/09/04 (Sun) 01:08

(ネタバレは概要紹介の後、「以下ネタバレ注意」注意書き以降から) あれ?「ファウスト・アラルコンは組織のナンバー3」って言われてなかったっけ・・・? そんな疑問が頭に引っかかり、でもwikipediaのストーリー欄は間違いだらけでアテにならないし、なによりラストが最高過ぎたので、映画『ボーダーライン』の2回目を鑑賞してきました。 やっぱり言ってる・・・。その後さらに脚本まで...

グドすぴBlog - http://godspeeddiary.blog84.fc2.com/blog-entry-460.html
2016/09/22 (Thu) 22:42

「ボーダーライン」(原題:Sicario)は、2015年公開のアメリカのクライム・サスペンス&アクション映画です。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、...

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