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あやしい彼女 ネタバレあり感想 見上げてごらん。

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オススメ度 ★★★★☆



あらすじ


女手一つで娘を育て上げた73歳の瀬山カツ(倍賞美津子)は明るい性格をしていながら、頑固でおせっかいなために周りからは敬遠されがち。

そんなカツさんは、ファッション雑誌の編集長を務める娘・幸恵(小林聡美)と、プロのミュージシャンを目指してバンド活動に没頭する孫の翼(北村匠海)とともに楽しい生活を送っていた。

しかしある日、ひょんなことから幸恵と口論になり、家出をすることになったカツさん。
いつもの商店街で所在なくぶらぶらしていると、そこに一軒、不思議な輝きを放つ建物が。

そこは、今まで暮らしてきて一度も入ったことのなかったオオトリ写真館。
なんとなく心を惹かれて入ってみると、そこには感じの良さそうな主人(温水洋一)がいた。
憧れのオードリー・ヘップバーンのように写真が撮りたい、と写真を撮り店を出ると、なんとカツさんは20歳のときの若々しい姿(多部未華子)に変わっていた!

最初は戸惑いながらも、今までは家族に捧げてきた人生だったし、今回は自分のための人生を生きよう!とヘアスタイルやファッションを一新。名前も大鳥節子と改めた。

その後、地元ののど自慢大会で「見上げてごらん夜空の星を」を歌ったことから、彼女の人生は大きく動き始める...

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感想


映画レビューのブログをやっているくせにすっげー陳腐なことを言っちゃいますが、観終わって「幸せな気持ちになれる映画」を観に行きたくなることって、あるじゃないですか?

例えば社会派なテーマを扱っていたりとか、最新鋭の映像技術を見せつけていたりとか、人物描写が生々しいくらいリアルだったりとか、「良い映画」と呼ばれるのってそういう映画が多いと思うんですけど、

だったら私、ちょっとファンタジックでロマンチック、大きな声を出して笑えて、ラストではほろりと泣ける、「ああ、楽しかった!」と一言だけの感想が、思わず口をついて出る。
そんなひたすらハッピーな映画だって、「良い映画」と呼んであげたいと思うんですよ。

最近はそういう映画にあまり出会えていなかったなあと思っていたんですが、ついに出会っちゃいました。

2014年に韓国で公開された映画の日本版リメイクとなる「あやしい彼女」は、ひょんなきっかけから20歳の体に戻ってしまった73歳のおばあちゃんの瀬山カツ(倍賞美津子)さんが、自分のための人生を取り戻すべく大暴れ。
愉快痛快すっぺらぴっちょんな超絶ハッピーコメディに仕上がっています。

そもそもカツさんはなんで20歳の体に戻っちゃったのか?
そこには、カツさんが今まで歩んできた人生が深く関係しています。

東京にある地元で、これまでコツコツと貯めてきた貯金で悠々自適な生活を送るカツさん。
近所にある銭湯でパートタイムの仕事をしながら、昔馴染みの仲間たちとくだらない話に花を咲かせ、
自宅ではファッション雑誌の編集長を務める娘の幸恵(小林聡美)、大学に在籍しながらプロのミュージシャンを目指してバンド活動に没頭する孫の翼(北村匠海)とともに、毎日楽しく暮らしていました。

カツさんを演じる倍賞美津子さん、いいですねえ。
明るくて、ふざけたことばっかりやってるんだけど、家族への愛情や仲間たちとの絆に支えられていますよ、というちょっとの寂しさと影、そして辛い時代を生き抜いてきた逞しさ、そのどれもを兼ね備えてるじゃないですか。

羨ましくなるくらいに幸せな生活を送る彼女ですが、そこまでの道のりは平坦なものではありませんでした。
戦後で食料もない時代、その手をあかぎれでボロボロにしながら、女手一つで娘を育ててきたカツさん。自分の心の赴くままに生きるなんてもってのほか、夢を持つことすらも困難な時代を強く生き抜いてきたのです。

人生の酸いも辛いも味わってきた彼女の口から思わず出てきてしまうのは、「娘がいたから好きなことを一つも出来ずに生きてきてしまった」という、立派な娘への愛と、自分らしく生きられなかった後悔が混じり合った言葉ばかり。

そのことが引き金となり、カツさんは幸恵さんと口論になってしまいます。
幸恵さんがいたから自分は好きなことを我慢して生きてきた...と何の気もなしに口走るカツさんに怒りが爆発した幸恵さんは、思わず「だったら好きに生きればいいじゃない!」と吐き捨ててしまいます。

「それならやりたいようにやってやるわ!」と、怒りと悲しみと寂しさの中、いつもの商店街へ繰り出したカツさん。
しかし街のシャッターはすでに降りていて、まるで街全体が彼女に対して心を閉ざしてしまったかのよう。

「自分の娘のことを誇りに思って、自慢して何が悪いんだい...」と失意に落ちてしまうカツさんですが、とつぜん目の前に眩しい光が。
それは、長年ここで生きてきたというのに、今まで一度も入ったことのなかった「オオトリ写真館」というフォトスタジオ。
その不思議な雰囲気と、優しくて話しやすい店主(温水洋一)に誘われ、憧れだったオードリー・ヘップバーンみたいに写真を撮ることに。

誰よりも綺麗な写真を撮れたら、若かった頃になりたかった自分の姿を見られるかもしれない、と思いながら...

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写真を撮り終えて外に出たら、なんだか体が軽い? あれ、回らなかった肩も回るようになってる?
そこで鏡を見たカツさんは、もうもうびっくらこいてとっくりかえっちゃいそうになるのです。だって、そこに写っているのは、20歳の頃の自分の姿!

そう、なんとカツさんは、体はハタチ、頭脳は73歳の、ちょっと年上な名探偵コ◯ン状態になってしまったのです!

何が何だかわかりませんが、これは一世一代の大チャンス!
お金にも貧窮していない、物に困ることはない「自由な時代」で若返ることができたのだから、今度は自分のために人生を使おう。

髪型を変え、服も若々しいものに着替えたら、名前もオードリーにちなんで大鳥節子(多部未華子)なんて洒落た名前に変えちゃって、新しい人生を掴むんだ!

幼馴染の次郎(志賀廣太郎)の家に正体を隠して潜り込むことに成功した節子は、その勢いのまま近所ののど自慢大会に出場。

もともと歌の得意だった節子ですが、これまで歩んできた辛くて、でも明るく希望のあった長い人生経験が表祝されたその歌声には、人の心を動かす特別な力が宿っていたのです。

その歌声を聴いていたのは、何も町内会のおじいちゃんおばあちゃんだけではありません。
そこを偶然通りかかった翼は、節子の歌声に一目惚れ(人耳惚れ?)。彼女を自分のバンドのヴォーカルになってくれないかと誘います。

かわいい孫の夢の力になれるなら...と、引き受けることにした節子。
そこに、彼女の歌声の虜となってしまったうちの一人である音楽プロデューサー・小林(要潤)を巻き込んで、節子たちのバンド「怪しい彼女」は一気にスターへの階段を駆け上がっていく、っていうのがお話の大筋なんですが...

これだけ聞くと、なーんだよくあるバンドのサクセスストーリーかよ。それにタイムトラベルっぽいファンタジー色を足した感じ?なんて思う方もいらっしゃることでしょう。

いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。
この物語の魅力は、本格的なバンドの演奏や多部ちゃんの意外な歌唱力もそうですが、その素晴らしき歌の数々をうまいこと物語のメッセージに絡めて、不自然じゃない感動に昇華してしまってることにあるのですっ!!

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節子のお節介な性格は、見た目が若返っても変わることはありません。
困った人や悩んでいる人を放っておけない彼女は、ショッピングモールの中でぐずる子どもと、その子どもをおとなしくさせるために苦心するお母さんの姿を見かけたら、「お母さんもあんた(子ども)もよく頑張ったよ」と優しく声をかけてあげたりするんですよ。

この言葉が優しく心に響くのは、やっぱり節子が実は73歳、人生経験豊富なおばあちゃんだから、というのが大きいと思うんですが、そのあたりまで多部未華子ちゃんはうまーく演じてましたね。難しい役だったと思うんですが、中身はしっかりおばあちゃんだった...って言ったらおかしいですか。

時は流れても、ずっと昔から存在する「人を思いやる気持ち」は変わらないんだよ、というメッセージと、
ミスチルなどを手がける音楽プロデューサー・小林武史の手によって現代風に蘇り、驚くほど新鮮に、でも普遍的に心を打つ「見上げてごらん夜の星を」を始めとする昭和の名曲たちがリンクしているのがまた素晴らしいのです。

さっきも言いましたが、多部ちゃんが驚くほど歌が上手かったのが功を奏しましたか。
「天使の歌声」みたいな売り文句で宣伝されてる映画に出てくる作品に限って、肝心の主役の歌が大したことない、っていうのはよくあるパターンですが、今作での多部ちゃんの歌声は本当についつい聴き入ってしまような魅力に満ち溢れていました。
節子の過去の思い出と、彼女の歌声を重ねた演出もクサくなりすぎていなくて良かったですね。

ギャグのキレも抜群で、見た目は若くて可愛いのに、言ってることと仕草が完全におばあちゃん、というギャップだけでどうしてこんなに笑えるのでしょう。多部未華子ちゃんはコメディエンヌとしての才能ありまくりでしょ。
特に中盤、次郎に×××しちゃうシーンでは、劇場にこれでもかっていうほど大きな笑いが起きてましたね。

でも、こんなに楽しい20歳生活は永遠に続いてくれるの?
その答えは是非、皆さんのその目で確かめていただきたいところです。

ただ、笑って泣いて、二度目の青春を自由に謳歌する節子さんの姿を観ていたら、彼女の楽しい人生の春が、永遠に続いてほしいと願わずにはいられなくなってしまうんです。

この映画そのものにも同じことが言えそう。お腹がよじれて痛くなってしまうほど大笑いして、中に混じったチクっと刺さるトゲまで含めめて愛したくなってしまう、「この映画がずっと終わらなければいいのに」と思わされてしまう。

私たちの人生も、もしかしたら同じなのかもしれないですね。



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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