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殿、利息でござる! あんまりネタバレなし感想 一人じゃない。

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オススメ度 ★★★



あらすじ


江戸中期、財政の低迷が進む仙台藩では、領民に対する重税破産から起きる夜逃げが問題となっていた。

小さな宿場町・吉岡宿でも同様の問題が発生し、村人たちは貧困への一途をたどっていくばかり。

そんな吉岡宿に、宿場一番の切れ者と言われていた菅原屋篤平治(瑛太)が戻ってくる。

自分の畑でお茶を育て、宿場の名産物を作ろうと考えていた篤平治は、村の現状を憂う商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)と再会。
十三郎は、現在の宿場の状況を打開する方法を探し、お上に直訴しようかというとんでもないことを考えていたのだった。

そんな十三郎をなんとか諌めた篤平治は、その夜の酒の席で、「藩に金を貸し付けて毎年の利息を住民に配る」という宿場を救うかもしれない作戦を、なんとも軽いノリで口走ってしまう。

しかしその作戦を真に受けてしまった十三郎は、千両(現在でいう3億円)という莫大な金額を集めるために奔走する。

最初は十三郎を止めるために無茶なプランを実行に移していった篤平治だったが、自身の利益を顧みず、宿場の未来のために行動しようとする宿場の住民たちや十三郎の姿に心を打たれ、自身もだんだんとこの計画に本気で臨むようになる。

果たして前代未聞のこの計画を、吉岡宿の住民たちは成功へ導くことができるのか...

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感想


阿部サダヲ主演、予告編はどうも軽そうなノリ。タイトルもなんだかコメディチック。
義理と人情が命の時代劇で、国の上層部にお金を貸して利子をもらう...っていう悪どさを発揮するギャップがおかしみを呼ぶ、「金儲けエンターテインメント」みたいな作品なのかなって思ってたんですよ。

そう、実際にこの作品を観るまでは。

「実は実話」な、小さな宿場の再生ストーリーをベースにした今作「殿、利息でござる!」は、お上に貸したお金で得る利益は何のためなのか、なぜお上にお金を貸さなければならないのか、という部分に温かい視線を向けた、
なんとも血の通った金貸しの方法を描いた、人情味に溢れる感動作に仕上がっていたんだから驚きです。

物語が始まって最初に登場する人物は、原作「無私の日本人」における主人公...ではなく、外の街へ勉強? 出稼ぎ? その辺りに言及されていたかは忘れちゃいましたが、とにかく外の街から地元である吉岡宿に戻ってきた菅原屋篤平治(瑛太)

吉岡宿イチの切れ者と呼ばれていた彼は、新しくできたお嫁さんとともに、お茶畑を作って吉岡宿の名産を生み出してやろうという希望に満ちていました。

しかし肝心の吉岡宿そのものはというと、領民に対する重税が大きな問題となり、それを払いきれなくなった住民たちが次々と夜逃げ。街の人々が少なくなっていくと、一人一人に課せられる税は重くなり、それが引き金となってさらに多くの人々が街を出て行ってしまう...という負のスパイラルにはまってしまっていたのでした。

それをなんとかしようと本気で考えていたのが、そう、主人公の穀田屋十三郎(阿部サダヲ)だったわけですね。

このまま日々を必死に耐え続けても何も変わらないと決意を固めた彼は、吉岡宿を練り歩くお上に直訴しようと、認めた書状を大事に握りしめていたところでした。
そこに通りがかった篤平治は、とっさの知恵を効かせて十三郎の直訴をストップしますが、どうやら十三郎の決意は固いらしい。

十三郎から、この負のサイクルから抜け出すためにするべきことの意見を求められた篤平治は、「頑張る、しかないでしょうなぁ...」となんとも歯切れの悪いその場しのぎの言葉しか返すことができません。
その言葉にがっかりした十三郎はすっかり落胆してしまうのですが...

同じ日の夜、すっかり疲れて馴染みの店にお酒を飲みに来た篤平治は、そこでまたも十三郎とばったり。
十三郎の弟で、宿場でも大手の金貸しを営んでいた浅野屋甚内(妻夫木聡)が高額な利子を取る「守銭奴」と呼ばれている...という会話の流れから、篤平治は

「お上に銭を貸して、利子を頂く。その利子を街に分配すれば、税金をまかなうことができるのではないか」
という安易な思いつきを口走ってしまいます。

しかし、宿場の税金をまかなうために必要なお金は、ざっと100両。
当時の金利の相場は一年間で1割といったところ。つまりお上に貸すために集めなければいけない金額は、1,000両といったところ。

この1,000両って、現在の金額でいうとどれくらいかって?
聞いて驚け、なんと、約3億円なんですって。

軽く口走ってしまったものの、3億円ものお金を、重税に苦しんでいる宿場のどこから引っ張り出してくるのか。
まあ、酒の席での冗談ということで....と流そうとした篤平治でしたが、それを聞いていた十三郎の目はまるで少年のように輝いていて、完全に本気にしちゃっていたようなのです。

阿部サダヲは年齢的にはいいおじさんなのに、こういう純粋無垢な若々しい役が似合いますね。ていうかもう、本人の雰囲気が若い感じがしますもんね。枯れた感じがゼロっていうか。
小さなきっかけから幸せへの道筋を見つけて、ゴールに向かって直進できそうというか。だからこそ、この配役はかなりのハマリ役だったのかな、と思います。

まあちょっと、主人公としての活躍っぷりは薄かったかな、という感じは否めませんでしたけれどね。
むしろ誰よりもアクティブに交渉役として活躍していた篤平治なんかの方が主人公臭が凄かったような...十三郎は途中ちょっとの間、物語から抜けちゃったりしますし。

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そのやりとりから時は流れ、篤平治は自分の茶畑を少しずつ大きくし、村の名産を作って村に貢献しようという計画に少しずつ近づいている感じもしてきたぞ...

そこに現れたのは十三郎。嬉しそうに叫ぶ彼の傍らには、宿場で同じように百姓を営む穀田屋十兵衛(きたろう)の姿が。
いったい何事かと篤平治が駆け寄ると、十三郎は篤平治があの酒場で口にした計画を実行に移すべく出資者を探し続けており、十兵衛はその最初の一人になってくれるのだというではないですか。

ここから、お上に貸し付けるための3億円を集めるための出資者を募るという無謀すぎる計画はついに動き始めるわけなのですが...

瑛太演じる篤平治のキャラクターも魅力的でしたね。
最初は乗り気ではないというか、無理難題だと思われる実行計画を次々と十三郎に押し付け、彼をなんとか諦めさせようとするんですが、その計画はことごとく失敗。

自身の利益のことよりも宿場を救おうとする十三郎と篤平治の計画に宿場の人々は次々と心を動かされ、ついには宿場を束ねる仲内(千葉雄大くん、ちょんまげが似合ってなかったなー)までもを説得してしまうまでに至ります。

その様子にだんだんと自身の心まで動かされ、最終的には誰よりも計画に本気になっていく篤平治の姿に涙を禁じえなかった人も多いんじゃないでしょうか。瑛太くんの演技は相変わらず自然で安定してましたしね。

計画がだんだんと形になっていく過程で、十三郎はほとんど絶縁関係にあった弟の甚内との確執とも向き合っていくこととなります。
「守銭奴」と呼ばれ、きっと今回の計画にも一銭も出すことはないだろうと言われていた甚内が胸に秘めていた本当の気持ちは物語を動かす最も大事なキーになってくるんですが、

たしかにここ、すっごく感動的なんですよ。
どこまで本当の話かはわからないけど、もし甚内さんが今回したことが本当だったとしたら、真に英雄と呼ばれるべきはこういう人なんだろうな、と思えるくらい、なんですが...

「泣かせ」のシーンのテンポの悪さ、クドさがちょっと惜しかったかな、なんて。
甚内役の妻夫木くんは、冷たいように見える奥に眠る優しさが透けて見えるようでとっても神神しく素晴らしい演技を見せてくれてたと思うんですが、彼がしゃべるシーン、いちいち長すぎてだんだん飽きてきちゃった自分がいました。ああ、心が腐ってる。

甚内、ひいては浅野屋が先代から成し遂げようと積み上げてきた努力を、いろんな人物が代わる代わる何度もなんども同じ話を繰り返し続ける演出もうーん...という感じでした。いや、観客はわかってんだから、その辺は簡略化しちゃった方が、それを聞いた人物のリアクションまでを自分の心の中で想像できる余地が広がってよかったんじゃないかなあ、なんて思いました。

だってみーんな同じなんですもん、リアクションが。
確かにあんなに暖かい話を聞かされたら、氷のように冷たいお上・萱場杢(松田龍平)の心だって溶かされちゃうってもんだとは思いますが、なんかもうちょっと、同じシーンの繰り返しにならないような何かがあっても...ねぇ?

とは言ったものの、まずはこんなにも心を動かされる、まさに「無私」の精神で何年もの時間をかけ、前代未聞の計画を実現に導いてしまった人が日本にいた、という事実に対して素直に感動すべきであり、

大きな「制度」というものに対して無力感を感じるよりも、誠心誠意を尽くして必死に活動を続ければ、自ずと賛同してくれる仲間は現れるよ、というメッセージも、流されが地、長いものに巻かれがちな私たち日本人に必要なメッセージなんだと教えてくれる、優しくも力強い映画である事は間違いありません。

全く不可能なようにも見える十三郎たちの計画は、果たしてどのような結末を迎えるのか?
義理と人情が命の時代劇において、水と油の関係のようにも見える「お金」にどのように命が吹き込まれるのか、ぜひ皆さんも劇場でお確かめください!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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