ヘイル、シーザー! (Hail, Caesar!) あんまりネタバレなし感想 映画は、楽しいんだ。

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オススメ度 ★★★★



あらすじ


1950年代のハリウッド。

映画スタジオの「キャピトル・ピクチャーズ」内にある部署の責任者であると同時に、スタジオのスターたちが起こす問題を収める「何でも屋」のような仕事をしているエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)の仕事はいつも大変なことばかりだ。

現在はスタジオの命運を左右する超大作『ヘイル、シーザー!』の撮影中。
しかしある日、世界的大スターの主演俳優ベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。

事態の収拾に乗り出したマニックスの元に、犯人から身代金として10万ドルを要求する手紙が届く。

急いでウィットロックを救出すべく動くマニックスだが、イメージは清純なものの実生活はスキャンダラスな若手女優ディアナ・モラン(スカーレット・ヨハンソン)が突然妊娠したり、
西部劇で大人気の若手俳優ホビー・ドイル(アルデン・エーレンライク)をラブロマンス映画に主演させたら演技が下手で話にならんと監督から苦情が来たりと、事件以外でもスタジオは大騒ぎ。

果たしてマニックスは、全ての事件をうまく収拾できるのか...

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感想


よく「豪華キャストの無駄遣い」なんて言葉を耳にする、キャストは豪華なのにそれを全然生かしきれてなく、映画自体にも見所のない映画ってあると思うんですけど、

いやいや、真に「超」がつくほどの豪華キャストを無駄遣いして、しかもそれを極上の笑いに変えて、面白い映画に仕上げちゃうことができる人たちがいるじゃないですか。

そう、みなさん大好き、コーエン兄弟ですね。
これまでもユーモアとウィットに溢れた作品を生み出してきた彼らの新作「ヘイル、シーザー!」は、回り道して回り道して、最後にはこの映画を観に来た観客に対して実にシンプルなメッセージと笑顔を届けてくれるコメディドラマ作品となっています。

舞台は1950年代のハリウッド。

今作の主人公エディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、映画スタジオ「キャピトル・ピクチャーズ」の中にある部署の責任者であると同時に、
スタジオのスター俳優たちが起こす様々なスキャンダルを揉み消したりという仕事を請け負う、いわゆる「フィクサー」のような役割を担っています。

そんな彼の1日は早朝...というかほぼ真夜中から始まります。
スターたちの行動を把握しておきつつ、夜中にまで車で街中を走り回り、奔放すぎる彼らが何かを起こす前に止める、というのが習慣となっていたのでした。

マニックスがこの映画の中で、特に目をつけておかなければならないのは...

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スタジオが社運をかけて送る超大作『ヘイル(万歳)、シーザー!』の主演を務めるベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)

演技力は超一流でも、酒癖と女癖が悪い彼には、どうしても隠しておきたい過去があるみたい。

ジョージ・クルーニーの演技の実力は今更私が言及するのは失礼なくらいだと思いますが、今回は偉そうで強気なふりをして、実は流されやすいだけ...な弱めのスーパースターを表現してましたね。本来の彼のイメージと比べてナヨナヨしてるのに、とっても似合ってました。あれ、逆に失礼?

『ヘイル、シーザー!』の撮影中に突然誘拐されちゃった彼が、果たしてどこの誰に、何の目的で連れて行かれちゃったのか...っていうのが今作のメインストーリーです。
ん、「メイン」!? じゃあサブ的なのもあんのか!? って感じなんですが、まあそれは追ってお話ししましょう...

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こちらは南部の田舎から出てきたばかり、セリフのほとんどない西部劇で圧巻のアクションを披露して一躍人気俳優の仲間入りをした新鋭のホビー・ドイル(アルデン・エーレンライク)

今までセリフがない役ばかりやってきたアクション俳優の彼が、今度はいきなり大人のラブロマンス映画で主演に大抜擢。
役作りに励む間も脚本を読み込む時間すら与えられないまま現場に放り出された彼ですが、持ち前の真面目な性格を活かして頑張ろうとします。まあ可愛いこと。

しかし監督のローレンス・ローレンツ(レイフ・ファインズ)は、彼の演技どころか彼が自分を呼ぶ呼び方すら気にくわないみたい。
「Mr.ローレンツと呼びなさい」と言った次の瞬間には「ローレンスだよ」と訂正したり、ええいややこしい! ていうかそこくらいは統一させとけよ! 映画監督は芸術家なだけに感情もコロコロ変わるってかい!

演じる新鋭俳優のアルデン・エーレンライクも喋り方や立ち居振る舞いまでとってもチャーミングで純朴さがにじみ出ていて、好きにならずにはいられない魅力的なキャラクターでした。

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お次はミュージカルスターのバート・ガーニー(チャニング・テイタム)

彼の劇中での役割は...ネタバレになっちゃうので避けときましょうか。

しっかしチャニング・テイタムは、「ステップ・アップ」「マジック・マイク」ですでにわかってはいたことですが、相変わらずダンスが上手いですねえ。ガチムチすぎる体型に華のあるルックスも合わさって、ついつい目が離せなくなっちゃいます。
しかも今回で歌えるってことまで証明しちゃったじゃないですか! どんだけ芸達者なんだよあんた。

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そして最後に、世間が抱く清純派なイメージとは裏腹に、実生活では超ヤリ◯ン
スタッフさんたちに対する態度荒い若手女優ディアナ・モラン(スカーレット・ヨハンソン)です。

今回だって隠れて交際中の相手との間に子どもを身ごもっちゃったりするんだからさあ大変。

スカーレット・ヨハンソンって、みなさんどういうイメージですか? やっぱりあれですか、アベンジャーズ系列のブラック・ウィドウみたいな、かっこいいけど義理堅い女性のイメージですか?

かと思いきや「アンダー・ザ・スキン」ではセックスで男性を文字通り骨抜きにしちゃう謎の宇宙人を演じていたり、私の中ではけっこうイメージの固まらない女優さんだなあ、っていうイメージなんですけどね。
今作でのビ◯チな感じもけっこう好きよ。

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と言った感じに豪華かつ個性的なキャラクターたちが登場します。
予告編の通りだと、バラバラすぎる彼らが誘拐されたウィットロック捜索にあたることになる、ということになっているんですが...

ところがどっこい、実は彼らのストーリーはほとんど独立しておりまして、まともに操作に絡んでくるのは偶然事件に巻き込まれてしまったボビー・ドイルくんくらいなんですね。

資本主義や共産主義、映画界の汚れた現実など、1950年代の映画界やアメリカの政治に詳しい方ならばもっと深く感じ入ることができる賢そうなストーリー展開が魅力の映画であると思うんですが、多分、日本でこの映画を観る人みんながみんな、そんなに知識豊富なわけではないじゃないですか?
私もそのへんの知識は全くない人間だったので、どのシーンが何の映画のオマージュになっているのかは全然わからなかったんですけれども。

それ以上にこの映画が伝えたかったのは、映画を作るにはいろんな複雑な事情が絡んできて大変なことも多いけど、それでも製作者さんを動かすのは、「映画が好きだ」という情熱なんですよ、というストレートでエモーショナルなメッセージだと思うんです。

劇中で、しかもウィットロックの捜索と同時進行で、マニックスは航空機の会社から、「虚像を生み出す会社から、現実の未来を生み出す会社に来ないか」と勧誘を受けます。

その会社が提示している待遇は、今の仕事よりも勤務時間は断然短くて家族と過ごす時間も取れるようになるし、だというのに給料だって全然いいんです。

だけどマニックスは自分自身に問いかけるように教会の神父様に問います。
「目の前に楽な道が提示されていて、今進んでいる道は険しいものだけど、そっちの方が正しい気がするんです」と。

スタジオにいることで失っているものもあれば、必要以上に大変な思いもしているのかもしれません。
けれど、そういう思いをして頑張っている人たちの思いが込められているからこそ映画は面白いんですよ、という製作者さんたちの気持ちを嫌味なく、ユーモアたっぷりに伝えてくれる映画となっているんですね。

コーエン兄弟の映画愛が爆発したこの作品、映画ファンなら必見ですよ!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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