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神様メール (La Tout Nouveau Testament) あんまりネタバレなし感想 みんな、それぞれの人生。

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オススメ度 ★★★★



あらすじ


神は天上に住んでいる、もしくは実在しないとさえ思う人も多いであろう。

しかし、神はベルギーのブリュッセルに住んでいる。

とあるアパートに家族と共に生活している神(ブノワ・ポールヴールド)は、自分の部屋に置かれたパソコンを使って天地を創造し、今も世界を管理しているのだ。

人々は神を慈悲深い人物だとイメージしているが、実際の彼は意地悪で悪意に満ちた人物。
退屈しのぎに人々の苦しむ姿を見ようと、タバコをふかしながら浴びるように酒を飲み、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいる。

しかも唯一触れ合うことのできる存在である家族にも罵声を浴びせ暴力を振るうという、とにかくとんでもない奴なのだった。

そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、兄のJC(ダヴィッド・ミュルジア)の助けを借りながら家出を考える。

まずは手始めに、父のように人々を苦しめることはやめ、人々を助けようと、父親のパソコンから、全人類に各々の余命を記載したメールを送信してしまう。

当然、それを受けて人間界は大パニック。

そんな中、エアは人間界に降り立ち、兄が12人の使徒を集めて新約聖書を書いたように、自分にも6人の使徒を集め、自分だけの新約聖書を書くことを決めるが...

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感想


皆さんは、神様の存在って信じますか?

私はあんまり信じてないし、万が一いたとしても、みんなが言うほど平等で優しい人じゃないと思うんですよね。
だってほら、どんなに願ったって、思い描いていた通りの人生を生きている人なんて、ほんの一握りいるかいないかじゃないですか?

ていうか神様が優しいなら、自分で作り出した種族である人間が地球の環境を破壊して動物を苦しめたりするのも見逃さないだろうし、第一生き物同士でお互いを食料として食べたりするなんて残酷なこと、許してないんじゃないかなあ、なんていろいろ考えちゃうんですよね。

今作「神様メール」は、私が思う神様像に若干近い...いや、私が想像していた以上の、とんでもないゲス野郎だったわけですが。

多くの人は天国に住んでいると思っているのであろう神様(ブノワ・ポールヴールド)は、実はベルギーのブリュッセルに住んでいるのだそうで、しかも住宅はそんなに大きくもないアパートの一室です。

神様はその部屋にある、たった一台のパソコンを使って世界を想像し、ゾウやキリンなどの動物を作り、自分の姿によく似せた「人間」という種族を生み出しました。

最初っから映像の撮り方がコミカルでシュールです。
特に最初の人間であるアダムは、やっぱり洋服という概念がないので素っ裸。

股間には当然モザイクが入っているわけですが、なんとそのモザイク、映画を観ている私たちだけじゃなく、アダム本人にも見えているみたいで、アダムはモザイクに手で触れてどかそうとしちゃったりするのです。まあメタいわねえ。

そしてアダムはイヴと出会い、子どもを作り、そこから人類の歴史は幕をあけるわけですが。

しかし順風満帆に物事が進んでしまっては面白くない。というか、人類の営みを普通に眺めているだけに飽きてしまった神様は、天災や大規模な事故、そして大量の「不幸のルール」を定めて、人々の身に訪れる不幸を楽しむようになります。

神様の器のまた小さいこと小さいこと。
「バスタブに浸かった瞬間に電話が鳴る」とか、「隣のレジの方が早く進む」なーんて細かすぎるちょっとした不幸のルールを1,000個以上も定め、それをお酒に酔ってタバコをふかしながら嬉々として見ているんですよ。
神様のクズ野郎っぷりが冴え渡っていて、もう一周回って清々しくて大好きでしたねえ。

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しかし、被害を被る側である家族は、神様の横暴を好きになんてなれるはずありません。

神様の10歳になる娘・エア(ピリ・グロワーヌ)は、もし自分が世界をコントロールできるなら、もっとうまく、人々のためになる世界を作ろうと、10歳とは思えないほど高い志を持った女の子です。

そんな彼女は、兄のJC(ダヴィッド・ミュルジア)の助言を受けて、人間界へ出て自分のための使徒を6人集め、新たな新約聖書(原題の"La Tout Nouveau Testament"は「最新版新約聖書」みたいな意味です)を作成することを決めます。

JCって、もちろんJesus Christの略ですよ。略すとなんかカジュアルでストリートっぽくていいですね。

エアは人間界をよくするための手始めに、人間たちを助けるべく、世界中の人間に余命を知らせるメールを発信します。なぜかはあんまり説明されないんですが、まあまあそれはそういうもんなんだと自分を納得させましょう。
でもみなさん、自分の携帯に突然余命が送信されてきたらどうします? パニックになりますよね。「えっ、私あと2日で死ぬの!?」ってなったら、逆にそのショックでその場で死んでしまいそうなものですよね。

エアのメールを受けて、人間界は大パニックに。
中には死期が近いことを知って部屋に籠る人もいたり、逆に死期が遠いことを知って、ありとあらゆる危険なところからダイブする様子を動画投稿したりする者も現れます。

そんな人間界に降り立ったエアは、6人の使徒を探す旅に出るのですが...

エアちゃんが可愛すぎて、ロリコンの気はゼロなのですが、ついつい目で追ってしまいますね。
その割に、自分がこれから出会う使徒に対して「彼の人生はクソだ」と言い放ったりしちゃう突き放した感じもまたおかしみを誘います。

エアが出会う6人の使徒(+一頭)と、新約聖書の記録係が全員とてもユニークで、誰もがちょっと悲しくて、でもちょっとおかしな人生を送っている人ばかり。

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つまらない仕事と家を往復するだけの退屈な独身生活を送っている中年男性ジャン=クロードや、

セックス依存症と言いつつ、やっていることはただお金を払って女性が目の前で踊っているのを眺めているだけのマルク、

長年一緒にいる夫との愛を感じられなくなってしまったマルティーヌに、

保険屋の仕事をしながら、自分を死の世界と現世をつなぐ「殺し屋」だと自称するという、中二病をこじらせちゃった男性・フランソワなど、

彼らが劇中で辿っていく運命はそれぞれ、それこそ「神様級」な超展開の連続なのに、
彼らひとりひとりが日々向き合っている哀しみは観客である私たちにもリンクしそうなものばかり。

ダメダメなように見える彼らの人生に、愛着を持たずにはいられなくなってしまうんです。

物語は一続きの物語というよりも群像劇のように進んでいくのですが、

エアの少し突き放して、でも優しい目線を通して6人の使徒たちの人生を見ることができるので、私たちも6人の人生を体験しているかのような感覚を持つことができます。

絶えず挿入されるユーモアが、悲壮感ではなく、余命を宣告されようとされなくとも、終わりのある人生への希望を感じさせてくれてグッドです。

私が一番笑っちゃったのは、人間界に降り立った神様の辿る末路ですね。
もう、なんでそうなっちゃった感しかない。ぜひ劇場で。




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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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