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ヒメアノ〜ル ネタバレあり感想 なにもかも なにもかも。

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オススメ度 ★★★★☆



あらすじ


ビル清掃会社でバイトをしている岡田くん(濱田岳)は、趣味も熱中できることもない、平凡すぎる自分の人生に、どこか不安を抱えながら生きていた。

そんな岡田くんはある日、バイト先の気持ち悪い先輩・安藤さん(ムロツヨシ)から、彼が恋しているカフェの店員ユカちゃん(佐津川愛美)との恋の橋渡し役を頼まれ、安藤さんと一緒にカフェに行くように頼まれる。

彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、高校時代の同級生・森田くん(森田剛)と再会する。

しかし、安藤さんが言うには、森田くんは何をするわけでもなくカフェでユカちゃんのことを見つめ続けていて、
ユカちゃんからは、森田くんがカフェに来るようになってから、郵便物が抜かれていたりなど、身の回りで変なことが起こるようになったのだと悩みを告げられる。

果たして森田くんの目的はなんなのか?

そんな中、不思議に思いながらもユカちゃんと安藤さんの橋渡しに奔走する岡田くんは、知らず知らずにユカちゃんとの距離が縮まって行って...

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感想


テレビで殺人事件のニュースを見たりすると、自分とは完全に別の人種の、完全なる異常者の行動だわー、怖いわー、って思っちゃうことが多いと思うんですけど、
実際はまだ「そう」なってしまうほど大きなきっかけに出会っていないってことかもしれないな、と思うんですよね。それが他人から見て大きいか小さいかは別の話として。

もっと言えば、誰かを殺さなければいけないほど精神的に追いやられている人がいるとしたら、それは無関心に他人を見ているように見えて、実は身近な人を迫害してしまっている、「普通な人たち」の責任によるところも大きいんじゃないかなって。私はそう思うんですよ。

今作「ヒメアノ〜ル」は、その行動を観ていたら誰もが「異常者だ」と思ってしまうようなサイコキラーが、まるで息をするように人を殺していく様子が生々しく描かれる映画なんですが、
作品の主人公の一人である殺人者はある意味で被害者だったとも言える、壮絶な事件の裏に見え隠れする哀しみをうまく表現したスリラーに仕上がっています。

物語は、実に平和(っぽい)ラブコメとして幕を開けます。

ビルの清掃員としてバイトをしている岡田くん(濱田岳)は、仕事もできない、趣味も熱中できるものもない。ついでに言えば彼女どころか好きな人もいない、実に平凡で退屈な人生を送っていました。

しかし、劇中での濱田岳くんのファッションはことごとくオシャレで可愛い感じで、しかも髪型も含めて全部似合ってたのがいやらしいですね。お前、童貞オーラ出しまくっといて確信犯か!
くぅ〜、その服どこで買ってんのか、俺にも教えろよ! (パクる気マンマン)

そんな彼が仲良くしているのは、バイト先の超★気持ち悪い先輩・安藤さん(ムロツヨシ)

そんな彼に、普段は何をしているのかを尋ねると、「俺は毎日、恋をしていると、そんな顔で「恋」とか言わないでくれよ頼むから、っていうツッコミすら忘れてしまうほど無機質なテンションで言ってきます。

そんな彼に付き合わされて、岡田くんは安藤さんの「恋」のお相手を見るため、安藤さん行きつけのカフェに向かうことになるんですが...

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カフェに着いた岡田くんたちの目に飛び込んできたのは、ちょっとドジっ子で、見た目は超絶カワイイうら若き店員さん。
ユカちゃん(佐津川愛美)というその女の子は、男なら一瞬目をやっただけで誰でもコロッといっちゃうほどに魅力的な女の子なのでした。

あんなのとは生きる世界が違います、諦めましょう...と言う岡田くんを尻目に、安藤さんがユカちゃんには絶望的に釣り合っていないこととは別に、もっとヤバい問題が起きていることが発覚してしまいます。

安藤さんが言うには、自分以外にもユカちゃんを狙ってカフェに通っている男がいるんだとか。
そいつは何をするわけでもなく、毎日のようにカフェに来てはユカちゃんを見つめているだけなんだとか...
あっ、ほら、今日も来てるよ、そいつ!

岡田くんがその男の方に目を向けると、どこか見慣れた顔がそこにはありました。
それは、岡田くんの高校時代の同級生・森田くん(森田剛)
ちょうどいい、声をかけて、ユカちゃんのことをどう思ってるのか聞いてきてくれよ、という安藤さんの提案をしぶしぶ受け入れ、森田くんに声をかけることに。

すると、森田くんは「このカフェには初めて来た」なんて言うじゃないですか!
んん、なんか変だなあ、と思いながらも森田くんと連絡先を交換することにする岡田くん。コミュ力たけえな! 俺なら絶対無理だわ!
しかし、このコミュ力の高さが悲劇を生むことになると、今の岡田くんはまだ知らないのでした。

その後は、安藤さんの恋のキューピッドとなるべく、安藤さんの代わりにユカちゃんと触れ合い、ユカちゃんの好みや悩みを聞いてあげるという役回りにされてしまう岡田くん。
でもさあ、冷静に考えたら、触れ合う機会の少ない男女より、実際に触れ合う機会が多い人の方に心が惹かれていっちゃうのは当然のことだってわかりそうなもんじゃないですか?

安藤さん役のムロツヨシもまた、ちょっと壊れた一般人をうまいこと演じてましたね。
結局決まった枠組みの中でしか生きられないんだけど、中身はどっか壊れてる、みたいな。誰しもに安藤さんみたいな一面、あるんじゃないですか?

そんなこんなで、最終的に、岡田くんは予告編の通り、ユカちゃんから告白されちゃいます。あっれー、そんなはずじゃなかったのになー(棒読み)。

この時の岡田くんの反応がまた、非モテっぽくてよかったですねえ。
「えっ、罰ゲームとかですか?」「カメラ、カメラ!」
ああ、私が高校の時に告白された時と、全く同じ反応してるわ...(私も実際に「なんかの罰ゲームだよね?」って聞き返しました)

しかもその告白シーンを隠れて見ていた安藤さんは「ギャーーーー!!」と奇声を発しながら、どこの宇宙外生命体だよ、っていう走り方で逃げ出したり、なぜかユカちゃんまで奇声を発しながら逃げたりとか、もうなんなんだよ!
っていうか岡田くんも「ちょちょちょ!」とか言ってる前に、どっちかを追いかけないと!

もう完全なるコメディじゃねーか! あれ、コメディ映画を観に来てるんでしたっけ、これ!?

と、思うじゃないですか? いやいや、この映画、肝心の「アレ」がまだな時点で、実は始まってすらいなかったのですよ...

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結局、安藤さんには隠れて付き合うことになった岡田くんとユカちゃん。
初めてのデートでもんじゃ焼きを食べに行って、帰りに初めてのコンドームを買って準備万端! いざ、ユカちゃんの家に向かったら、やるべきことは一つです!

キスするタイミングをつかめなかったり、ゴムのつけ方がわからなかったり、経験豊富(つまりヤリ◯ンってことですね!)なユカちゃんの初体験の年齢を聞いて拗ねちゃったりとか、いちいち童貞っぽくて可愛い岡田くんとユカちゃんの不純異性交遊の様子には、健全だろうが不健全だろうが、すべての男女が胸キュン必至!
まあ、なんてキュートなラブコメなのかしら...と思いきや、ですよ。

岡田くんたちが絶頂を迎えようとしている時に、カメラは部屋の外へと移動します。
そしてそこには、彼らが愛を育む部屋を見つめる一人の人影が。

そう、それこそがあの森田くん(森田剛)
まるで空洞のような虚ろな目をして部屋を見つめる森田くんは、何かを決めたかのように自室に向かいます。

そこで、おそらく2016年の映画最大のサプライズを目にすることとなります。

なんとここで初めて、タイトルとともにキャスト陣の紹介が、まるでオープニング映像のように流れ始めるのです!
つまり、ここまでの数十分は単なる前フリで、ここから本番開始ですよ、という宣言だというわけです。

いやー、これは衝撃でしたね。
ここまで背筋が凍る演出はなかなかありませんよ。

ここで初めて登場するのが、予告編で流れるあの印象的なセリフです。
「高校の時さー、岡田ってやついただろ? そいつを今から殺して山に埋めようと思うんだけど」

ひ、ヒィィィィ!!! そんな、まるで何事もないかのようなトーンで殺害予告なんてしないでぇぇぇ!!

ここからの展開は、皆さん御察しの通り。残忍で残虐な殺戮ショーの始まり、なんですが...

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森田くんは確かに、どっからどう見てもサイコキラーなんですよ。
だって人を情け容赦なくガムテープでぐるぐる巻きにしては、刺し殺したり銃で顔面を撃ち抜いたりとか、正気の人間じゃあ見ているだけでも気を失ってしまいそうな非人道的行為を次々とやってのけるんですから。

でも、彼の殺人行為って、どこか「生き延びるために」「自分が自分であるために」やっているような部分が垣間見えてくるような気がしたんですよ。

というのも、例えば彼が劇中で(目に見える形で)犯した殺人である、自分を殺しにやってきたかつての友人を殺して自分の家ごと燃やす、とか、
そのせいで家を失ったから、全く関係のない他人の一家を全員殺して家を乗っ取る、とか、どう考えてもまともじゃないけど、自分が生き延びるための防衛手段というか、「そうするしかないから殺す」っていうとちょっと違うかもしれないんですが、
「殺す以外の解決策が見つからないから殺す」みたいな、自分に迫る危機への対処手段になってしまってたんじゃないかなあ、って思うんですね。

だから、映画を観た直後は
「めんどくさいから、殺していい?」
っていうキャッチコピーは完全なる間違いだと思ってたんですが、後々になってよく考えてみたら、実は森田くんを表す上で的確なフレーズだったのかな、なんて思い直したり。

っていうのは、彼が岡田くんのことを付け狙って殺そうって思うのも、本当は彼も安藤さんみたく純粋にユカちゃんに恋しているだけなんだけど、いつからか人と普通に接することができなくなってしまっていて。

だからこそ、ユカちゃんのことを好きだと表現する手段が、ストーカーをして、家の郵便物を抜いて、夜な夜な部屋の周辺を徘徊しては、家のドアを蹴って自分の存在感を少しでも知らしめようとしたりとか。

どう考えたって、彼の行動は同情できるものじゃないんですよ。
でも、彼がそうなってしまったことには大きな原因があるし、本当は世の中のルールに沿って生きようという気持ちを100%捨てたわけじゃないと思うんです。

それが現れていたのが、家を失っていた森田くんがその日の宿を得るために漫画喫茶に行ったシーンだと思います。
最初はナイトパックを頼もうと思っていたところ、手持ちが足りなくて3時間コースに変更してもらうんですね。
私ここ、「あっ、絶対店員さん殺して勝手に入り込むなー」って思ったんですよ。もし森田くんが本物のサイコパスなんだとしたら。

でも、彼はそうはしなかったし、それどころか、過去の体験から自分の中で鳴り響く声にうなされて目をさます描写まであったりとか。
人間らしさを完全に失った怪物ではなかったんだと思うんですよ。

森田くんを演じた、V6の森田剛くんの演技は完璧以上でしたね。一つ一つの表情とか、役作りにはかなり頑張って臨んだんじゃないでしょうか。
かなりヨレて色も完全にくすんだ服装とか、染めてはいるんだけど、オシャレに見せることなどには興味がないのか、ボサボサでところどころ黒が目立ってきている髪の毛とか、ちょっと壊れた雰囲気を出す見た目の作り具合から素晴らしいです。

森田くんがこんな風になってしまったのには、高校時代のとある経験がきっかけです。
彼の心が壊れてしまった瞬間までをはっきりと鮮明に描き出した監督の勇気に乾杯ですね。

あんな凄惨な出来事があって、森田くんの心が壊れてしまったことを、誰が責められるんでしょうか。
確かに今作の作中で森田くんがしてしまったことは、決して許されることではありません。

でも、だからと言って、彼をただのモンスターとして終わらせてしまっては絶対にいけないんです。
だってモンスターを生み出す原因となっているのは、他でもない「善良な」一般市民の我々なんですから。

だからこそ、あのラストシーンには監督の優しさという以上に、もっとこの物語に関して深く考えて欲しい。
世の中を少しでも住みやすい、第二の森田くんを作らないためにはどうすべきなのかを考えて欲しい、という思いがにじんでいたように思えたんです。

確かにこの映画は、見ながら背筋が凍りつき、手も足もガクガク震えてしまうような恐ろしい映画です。

しかしそれ以上に、自分が今、誰にどうやって苦しい思いをさせて、自分も他人も少しずつ心を崩壊させていってるんじゃないか...そんなことまで考えたくなってくる映画でもあるのです。

この「ヒメアノ〜ル」、決して他人事じゃないかもしれませんよ...



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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