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帰ってきたヒトラー (Er ist wieder da) ネタバレ少なめ感想 誰の桃源郷?

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オススメ度 ★★★★



あらすじ


ナチス・ドイツを率いて世界を恐怖に陥れたアドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)。1945年に没したと思われていた彼だったが、実はまだ死んでいなかった。

彼が目をさますと、周りの風景はすっかり変わり、若い連中は彼に敬礼もしないどころか、彼のことを知ってすらいない。
それどころか、笑いながら彼に近づいてきて、一緒に写真を撮ろうという者さえいるのだ。

いったい何が起きているのか...フラフラとしながら近くのキオスクの新聞を見ると、なんとそこには、西暦2014...あれ?

そう、なんと彼は、現代にタイムスリップしていたのだった!

キオスクに滞在することとなった彼の元に、ファビアン・ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)というテレビマンがやってくる。

最近テレビ局をクビになったファビツキは、本物そっくりのヒトラーを題材にした政治系番組を作ってテレビ局への復帰を目論んでいたのだ。

そしてファビツキが映像をインターネットに流すと大成功。
ヒトラーは一躍インターネットの人気者となり、人気のテレビ番組への出演が決まったのだが...

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感想


歴史上で悪政を敷いた人物の話って、どこか他人事のように感じてしまう自分がいるんですよ。
だって、この現代で「大総統に敬礼せよ!」とか、絶対服従を命じるような独裁者が出てきたら絶対クビにされちゃって終わり、っていうのが目に見えているじゃないですか?

それに、他国を滅ぼすぞ! 命をかけて戦え! って現代で叫ばれたって、「戦争反対」の世論がその意見を圧倒してしまうのだって、それも目に見えていると思うので。

だけど、もしもそれを、一見政治とは何の関係もなさそうな人がやっていたら?
テレビで芸人さんが、「ネタ」として言っている政治的な意見が、実はものすごーく共感できるものだったとしたら?

あからさまなプロパガンダとしてではなく、むしろ今の政治への反対意見として述べられたものが、実は一般人の願望に非常にマッチしたものだったとしたら、それはどのように捉えられるんでしょう。

おそらく世界一有名で、世界一嫌われる独裁者アドルフ・ヒトラーが現代に甦ったとしたら...を描いた今作
「帰ってきたヒトラー」
は、現代に帰ってきたヒトラーが、コメディアンとして再びドイツを席巻する過程をコミカルに、でも背筋が凍るほど冷たく恐ろしく描いた、ありえない話なのにとてつもなくリアルに感じられる作品となっています。

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1945年に自殺したと考えられているヒトラーですが、実は現代にタイムスリップしていただけだった...というのが今回の設定です。
現代にタイムスリップしたヒトラーは、とりあえず状況を把握するために街に出るんですが、そこで眼にした光景は、想像していたのとは全然別の意味で衝撃的なものだったのです。

若者たちは誰もヒトラーのことを恐れないどころか、むしろ芸人でも見るかのように近づいてきて、小さくて長方形の何かを取り出して写真を撮ってくるではないですか。

それもそのはず。2014年の現在にはナチスドイツ時代の恐怖は何処へやら。
みんな平和ボケして、ヒトラーなんて恐怖よりも笑いの対象になってしまっていたのです。

この冒頭のシーン、若者たちが自撮り写真をせがんだり、ポーズを撮ってたりとか、逆にそうでなく引いた感じで眺めている人たちの反応がとってもリアル。しかもなぜか顔にモザイクが入ってる人もいるし、そういえば映像もホームビデオっぽい感触があるなあ...

なんとこのシーン、今作でヒトラーを演じたオリヴァー・マスッチを、ヒトラーの格好をしたまま街に出して、人々のリアルな反応をゲリラ的に撮影するという手法を取っているんだとか。
つまりこの若者たちの反応、演技じゃなくて実際にヒトラーの格好をした人を見た時の反応みたいなんですね。

つまり現代、実際にヒトラーがタイムスリップして出てきちゃったとしても、今更危機感を覚える人って少なくなっちゃってる、ってわけなんです。

じゃあ実際に、過去に恐れられたヒトラーがその思想を現代に復活させようと試みたらどうなるのか、というのが今回のメインテーマでして...

ヒトラーの格好をした変な人がいる、という噂を聞きつけたテレビマンのファビアン・ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)という人物がヒトラーの元にやってきて、
「国民の抱える政治的な不満をヒトラーが聞いていく」という番組を作ろうと提案します。

そこから始まった、ヒトラーとテレビマンによるドイツ縦断。
現代のドイツ国民が抱えている悩みとは、外国人の流入。それによって仕事や収入に影響を及ぼしている人もいるようで、ドイツ国民にとってはかなり深刻な悩みとなっているようなのです。

国民の悩みに対し、戦って外国人を追い出し、ドイツの国力を強めよう、という意見を述べるヒトラー。
そんなん歴史の繰り返し、武力で無理やり問題を解決するなんて誰も賛同しないでしょう...

と思いきや、ドイツの国民たちの多くはヒトラーの意見に感銘を受け、ヒトラーとサヴァツキの映像は一瞬にしてインターネットで100万再生を記録するほどの大人気動画に。
ついには大人気のトーク番組に出演し、芸人としてその人気を不動のものにしてしまうのです。

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ヒトラーがありのまま、過去にドイツを牛耳ったままの思想を現代で振りかざす。
ヒトラーがヒトラーのままでいればいるほど、2014年の国民の支持を得ていく様子には身も凍るような恐怖を覚えさせられてしまいます。

映画そのもののタッチはコメディタッチで、現代の文化に触れておとぼけなボケを連発するヒトラーの姿にはお腹を抱えて笑えること間違いなし。
しかし、その笑いの向かう先はどこなのか...というのを想像すればするほど恐ろしくなってくるという逆転の構図が興味深い作品になっているんです。

ヒトラーを発掘し、芸人としてブレイクさせた張本人であるサヴァツキも、最後の最後までヒトラーが本人であると気づくことはなく、真にヒトラーになりきっているだけの変人だと信じて疑いません。

でも、芸人がテレビで言っていることなら、全てが冗談で終われるんでしょうか。
テレビやインターネットの世界で強い影響力を持った人間が、国民にその思想を浸透させていく。
たとえそれが明らかに政治家の意見として述べられたものでなくとも、エンタメの世界で語られるものであったとしても、
それを国民の多くが正しいものだと信じれば、いずれは政治にも影響を及ぼしていくのではないか...

映画のラストはかなり衝撃的、背筋が凍るような思いをさせられること間違いなし。
突き刺すような冷たい笑いを届けてくれる今作「帰ってきたヒトラー」、人種差別的なギャグや危険な思想が満載なので、人によっては不快感を覚える場合もあるかもしれませんが、一度は観てみる価値のある作品だと思います。



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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2016/08/19 (Fri) 10:37

23日のことですが、映画「帰ってきたヒトラー」を鑑賞しました。 1945年から現代にタイムスリップしたヒトラー、彼はテレビマンにより、モノマネ芸人としてテレビに出演させられるハメに 気迫に満ちた演説を繰り出す彼に視聴者は度肝を抜かれ ヒトラーを模した完成度の高...

笑う社会人の生活 - http://blog.goo.ne.jp/macbookw/e/788a196db90e92e2b6e76abfb52f883b
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