TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ ネタバレ控えめ感想 かっこいいからここにいる。

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オススメ度 ★★★★★



あらすじ


修学旅行に来ていた高校生の大助(神木隆之介)は、密かに想いを寄せる同級生のひろ美(森川葵)ちゃんと近づくために様々な策略を巡らせていた。

彼のずる賢い計略が功を奏し、移動のバスではひろ美ちゃんの隣の席をゲット!
ここから一気に距離を縮めようと張り切っていた大助だったが、そこで大事件が起こる。

なんと、大助たちが乗っていたバスが崖から転落してしまったのだ!

これは絶対死んだでしょ...と思いきや、まさかまさか、大助は目を覚ました! しかもほとんど無傷!

これは一体どうしたことか...と。そんな彼の前に鬼のような格好をした男が現れ、突然バンドとともにロックミュージックを演奏し始める。

その赤鬼の名は、地獄農業高校軽音楽部顧問にしてロックバンドの地獄図(ヘルズ)のリーダーであるキラーK(長瀬智也)

彼の話によれば、大助は生前の行いのせいで、死んで地獄に来てしまったのだというが...

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感想


いや、わかっているのですよ。ちゃんと理解しているの。

この映画を大好きだと言ってしまうことで、自分のモラルの低さが露呈してしまうってことは。

でもどうしてだろう。この映画を観て以来、ずっとあの歌が耳を離れないんです。
仕事をしていても街を歩いていても、あの曲が頭の中をぐるぐる回って止まらないんです。

じゃあみなさん、一緒に歌いましょう。せーの、

「トゥーヤントゥーダー!!! トゥーヤントゥーダー!!!」

...はい、ということでいつも以上にわけわかんない感じの書き出しになってしまいましたが、とにかく何が言いたいかっていうと、
映画ファンの間では賛否両論ございますが、私は宮藤官九郎監督の最新作「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」が好きで好きでたまらないのだということです。

主人公はイケてない感全開の高校生・大助(神木隆之介)
好きな女の子にはまともに声もかけられないどころか、むしろお風呂に入ってるところを盗み見して、しかもそれを動画に撮っちゃうような変態野郎なのです。

今作はそんな彼がひょんなきっかけから大事故に会い、地獄に落ちてしまうところからスタートします。

そもそも彼が地獄に来てしまった理由、あまり同情できるものではありません。
修学旅行中、密かに想いを寄せる同級生のひろ美(森川葵)ちゃんと移動のバスで隣になるため、クラスメイトのこれまたイケてない友達に女子の入浴シーンを盗撮した動画をエサに席を交換させた挙句、

バスの中で食べたバナナが喉に詰まって窒息寸前。バスを止めようと運転手の邪魔をした結果、運転が狂ってバスごと全員崖から転落。クラスメイト全員を巻き込んで死亡...っていうのがきっかけなわけですね。

何が何だかわからないまま目を覚ました大助の前で、いきなり謎のロックバンドが超ハイテンションな曲を演奏し始めます。
その歌詞がこれまたわけわかんないんですよ。だって出だしが「俺の右腕はジミヘンの左腕 俺の左腕はカート・コバーンの右腕」とか言ってますからね。

揺れ動くカメラワークがその異様なテンションの高さ、高揚感を上手に演出しています。
映画が始まってから時間もそんなに経ってないのに、否応なく気分を上げられてしまうことってあんまりありません。
どう考えたって歌詞は変だし、セットも意図的なのか微妙にチープなんですが、そこもまた味。まるで高校の文化祭に来たかのような気持ちにさせられちゃうんです。

それを演奏していているのは、わかりやすく鬼っぽい格好をした、キラーK(長瀬智也)と名乗る男性率いるバンド。
彼は地獄専属のロックバンド・地獄図(ヘルズ)のリーダーであり、地獄農業高校軽音楽部の顧問なんだとか。

大好きなひろ美ちゃんと再会するためにもなんとか生き返りたい大助。
キラーKが言うには、地獄ロックバトルロイヤル:通称ジゴロックという大会で優勝することができれば、人間として生き返ることができるというのですが...

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最初っから最後までとにかくハイテンション、まるでジェットコースターのように進んでいきます。

で、たしかにギャグが最低なんですよ。特に女性のみなさんにとっては。
大助はキラーKの生前の彼女(尾野真千子)に対して、その幸薄そうな見た目から「死神」なんてあだ名をつけてバカにしてるし、

クラスメイトのじゅんこちゃんは男優の皆川猿時が演じている上、クラスメートたちからは「せんせーい、じゅんこちゃんが顔色悪いでーす!」に引っ掛けて、「せんせーい、じゅんこちゃんの顔が悪いでーす!」なんて、もはやギャグっていうか単なる悪口を言ったと思ったら、最後の方にはみんなから「デブス」なんてこれ以上ないほどの悪口で罵られてるし、

挙句の果てには男共がセクシーな服を着た女性の雑誌を見ながらオ◯◯ーしているところが男の汚ねえケツと一緒に映し出されたりと、もう下品を極めてるんですよ。

女性を性の対象として消費するような表現に溢れてるし、女性を見た目によって差別するような描写でもあると思うし、正直女性の皆さんは映倫に訴えた方がいいんじゃないかと思うレベルなんです。

しかも、まあこれは仏教の教えがあるので仕方ないのかもですが、輪廻転生の理の中で人間になれなかったものは「畜生道」と言って動物に生まれ変わる、という描写が何度も出てくるんですが、
動物に生まれ変わった大助が出てくる場所は必ずトイレ。しかも「畜生道」とか言ってる時点で動物が人間よりも劣った存在であると明言しちゃってるわけで、これも動物愛護団体の皆さんは映倫に訴えた方がいいかもしれないのですよ。

こんなに倫理観に悖る映画もなかなかないと思うんですよ。まともなモラル感覚のある人にとっては最悪の映画の一つであることは間違いないと思うんですが...

だけどね...いいですかぁ...?

そんなこと どーーーーーだっていいんだよ!!

この映画を観る時には頭を空っぽにして、言っちゃえばもうおバカになって観るのが正解なんだと思います。
おバカで下品なギャグの連続を全力で演じきった神木隆之介くんと長瀬智也くんのなりきり具合と自然な演技が物語の世界に力強く引き込んでくれるし、

何より劇中に頻繁に挿入されるバラエティ豊かでハイテンションな音楽たちを聴くと否応なしに盛り上がっちゃうんですよ。

それにこの映画でやってるギャグ、高校生の時なら一度は考えたことのあるようなおバカでくだらないものばっかりで、アンリアルで頭悪そうに思えるものの、実はけっこう共感度高いと思うんです。男性陣にとっては、ですけど。

それにね、物語そのものはけっこう練られてて、
大助がこんな悲惨な事故を起こしてしまった原因、キラーKの過去と未来、ひろ美ちゃんと大助の恋など、物語が進んでいくにつれて最初はわけわからないだけだったシーンの謎が少しづつほどけていって、ラストには生きているからこそできること、生きることの意味を考えさせてくれるような感動も与えてくれるんです。

だって私、まさか最後にほろりと泣けるなんて予想だにしてなかったですよ。いやー、やられたなあ。

長瀬くん演じるキラーKは、神木くん演じる大助に、「オメー、かっこよすぎて地獄に来ちゃったんじゃねぇの?」と何度か言うシーンがあるんですが、このセリフも意味なさそうに見えてすっごく共感しちゃったんですよ。

この映画の中で描かれる地獄って、実は意外と人間界と似たような構造になっていて、
右を見ても左を見ても辛いことばかりの中、何か一つ叶えたい願いや信念のために必死にもがいた人こそが報われ、悪い事が起きれば自業自得...

でも、みっともなく汚くなってもがく姿こそがかっこいい。それこそが我々が生きているという証なんだ、と教えてくれるセリフに聞こえたんです。考えすぎですかね?

ひろ美ちゃんとの恋を諦めずに成就させるという目的のため、どれだけ時間がかかっても、ひろ美ちゃんの生きる世界と自分の世界が離れていってもひたむきに追いかけ続ける大助の姿が段々かっこよく見えてきちゃうのはなぜなんだ。くっそう、惚れたぜ!

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2016/12/18 (Sun) 11:09

最悪のクソ映画でクソつまんねぇけど面白かった。 最近『HELLS ANGELS』を観てしまってたからか、実写っつーか邦画の限界、特にこの映画だとクドカンのケレン味が悪い意味でチープに感じた。 地獄が舞台なので、多分恐ろしくスタジオチックなミニチュアファンタジーがコントされるんだろうと予想してたのだが、それ以上にミニマムで、本来それも監督の味ではあるものの、狭苦しい印象が序盤に展開...

えらそーかんそー - http://eilithcrown.blog.fc2.com/blog-entry-329.html