アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅 (Alice Through the Looking Glass) ネタバレあり感想 「不可能」は冒険の始まり。

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オススメ度 ★★★



あらすじ


ワンダーランドでの冒険から月日は流れても、アリス(ミア・ワシコウスカ)は相変わらずの冒険家。今となっては貿易船の女船長として、その勇敢さで広い世界への道を切り開いていた。

船の名前はワンダー号。中国への3年に及ぶ船旅からロンドンに帰郷した彼女だったが、勤める貿易会社の社長の息子からの求婚を断ったことが引き金となり、船を売り渡さなければ家を失うことになると脅されてしまう。

女には船長など向いていない...会社の役員たちだけでなく、アリスの実の母・ヘレン(リンゼイ・ダンカン)までもが女性としてのアリスの人生の限界を突きつけてくる。

愛した父の形見でもあるワンダー号を売り渡すなんて...落ち込んでいたアリスの前に、青い蝶アブソレム(アラン・リックマン)が現れる。
アブソレムを追いかけるうち、アリスは鏡の中の世界へ足を踏み入れる...

鏡の中に広がっていたのは、見慣れたワンダーランドの風景。

白の女王(アン・ハサウェイ)たちワンダーランドの住民たちの話によれば、最近マッドハッター(ジョニー・デップ)の様子がおかしいらしく...

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感想


童話でおなじみの乙女たちが自ら剣やら弓やら持って戦いますよ、っていうダークファンタジー映画が近年たくさん作られていますが、それと同時に、「悪役が悪い人になっちゃったのには、実は深い裏事情があったんですよ〜」って話も出てきたりしてますよね。ほら、「マレフィセント」とかそうだったじゃないですか?

みなさんおなじみ「不思議の国のアリス」を二次創作的に膨らませた「アリス・イン・ワンダーランド」シリーズは、まさにその王道を行っています。
第1作目となる前作では、勇気に満ち溢れたアリスが剣を持ってドラゴンと戦い、そして続編となる今作では...

おっと、これを言ってしまったら物語の結末までをネタバレしちゃうことになるので控えますね。

前作での冒険を終えたアリスは父の意志を継ぐように、世界を股にかける貿易船の船長となっていました。
冒頭では相変わらず冒険が大好きな彼女が、屈強な男性の船員たちに指示を出し、嵐の中自分たちを狙う敵の船をかいくぐる様子が描かれます。

船の上では誰もが認める実力派の船長であるアリスですが、船を降りた先に待つ現実は厳しいものでした。
アリスのように父の跡を継ぎつつも、父の意志は継いでいない貿易会社の社長・ヘイミッシュ(レオ・ビル)は、アリスの家族が住む家を何らかの方法で押さえ、家を守りたければ船を売れ、と迫ってきます。

その理由がまた酷い。
政略結婚としてヘイミッシュとの結婚を強要されようとしていたアリスが、そんなのは納得いかないと断ったからなんですね。

ヘイミッシュにヘコヘコしている会社の役員たちは、「船長は女の仕事ではない」なんて的外れな意見を押し付けてきます。
そんなわけわかんないこと、家を守るお母様が許すわけないじゃない...と思いきや、なんとこの意見には、母であるヘレン(リンゼイ・ダンカン)も賛成していたのでした。

「女は自分の人生で諦めなくちゃいけない時があるの。私もそうしてきたわ」と語るヘレンの言葉を聞いて悲しみが倍増したアリスは、走ってその場を逃げ出してしまいます。

ティム・バートンが監督を降りてプロデュース側に回った今作は、前作以上にディズニー色が強くなってます。
ここまでの話の流れからもわかるかと思いますが、今作でのアリスは男性社会だった昔のロンドンにおいてフェミニズムを推し進める役割として描かれてたり。

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で、今回のアンダーランド(ワンダーランド)での冒険はここからスタートします。
アリスが逃げた先で待っていたのは、アンダーランドの住民である青い蝶のアブソレム(アラン・リックマン)。
彼に誘われるまま、屋敷の中の一部屋に入っていったアリス。そこにあった鏡が不思議な輝きを放っていて...

屋敷の衛兵がやってきたので急いで鏡の世界へダイブすると、そこはワンダーランド。
昔馴染みの白の女王(アン・ハサウェイ)たちに迎えられたアリスは、マッドハッター(ジョニー・デップ)が体調を崩してしまっているとの情報を耳にします。

マッドハッターは、最近見つけたとある小さな帽子が原因で、赤の女王が引き起こした「ジャバ・ウォッキーの日」事件によって失われた家族のことを思い出し、あまりの悲しみから死への階段を上って行ってしまっているのだというのです。

彼を救うためにはどうしたら良いか?
その手段として白の女王が提案したのは、時を遡ってマッドハッターが家族を失わないよう、過去を修正すること。
大きな危険が伴う行為ではありますが、真の親友を救うため。アリスは再び「不可能」に挑むことを決意するのですが...

そこで登場するのが今作の新キャラ・タイム(サシャ・バロン・コーエン)さんです。
巨大な時計が特徴的な城に住む彼は、家来のロボットたちとともに「時」を管理していたわけです。

アリスはタイムさんに時を遡る方法である「クロノスフィア」を貸してくれないかと頼みますが、
「過去は変えることができない。クロノスフィアを貸すことはできない」と一蹴され、追い返されてしまいます。

しかし今は大親友の一大事。そんなことにかまってはいられません。
タイムさんの制止も聞かず、アリスはクロノスフィアを盗み出し、過去への旅路へ出てしまいます。

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タイムスリップの様子を荒れ狂う海のように描写したり、船を操作するようにクロノスフィアを駆るアリス=ミア・ワシコウスカの姿は確かにかっこいいし、ビジュアルは相変わらずこだわっているなあ、という感じはするのですが、

なんだろう。登場するファンタジックなキャラクターたちにイマイチ大きな魅力と個性を感じられなかったというか。
まあ、もはやティム・バートンの映画ではレギュラー、ファンタジーこそ彼らの住処と言えそうなマッドハッター=ジョニー・デップと、そして前作に引き続き登場する赤の女王ヘレナ・ボナム=カーターはまた別の話なんですけどね。

そう、前作で悪役だった赤の女王がまた登場するんです。しかも今作では、彼女こそが第二の主役と言っても過言ではないのでは、という活躍っぷりで。

タイムトラベルを続けるうち、アリスは「まず赤の女王があの事件を起こさないよう、悪い人にならないよう、その根本から正せばいいのでは?」という結論に至り、彼女とそしてその姉妹である白の女王の幼少時代にまで遡っていきます。

ここからの展開は...うーん、これこそが物語のメインテーマの一つであると思うので言わずにおきます。
ただ一つだけ言うならば、最初に私が「悪役が悪い人になっちゃったのには、実は深い裏事情があったんですよ〜」って言ってたことに関係があるとだけ知っておいて頂ければ。

誰もが被害者であり、そして誰もが加害者であるっていう展開はディズニーにしては珍しい気もするんですが、
ラストは子どもたちに優しいメッセージを送れるハッピーエンドで締めてるあたりはやっぱり安心のディズニーだな、と。

ただ唯一の100%な被害者はタイムさんですが。彼は悪い事何にもしてないのに死に掛けたりととんでもない目にあっててかわいそうでしたね。

ちなみに私がこの映画から受け取ったメッセージは、「嘘はダメだよ!」っていう事でした。前作から続く事件のすべての元凶が、まさかあんな些細な嘘から始まったなんて...って思ったら、ちょっとした嘘は本当に未来の全てを変えていくんだな、と恐ろしくなりました。

おそらくこれは、子どもたち以上に大人にも刺さるメッセージ。私も反省します...



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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