ジャングル・ブック (The Jungle Book) ネタバレあり感想 ここが、ぼくのいきる場所。

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オススメ度 ★★★★☆



あらすじ


人間の子どもモーグリ(ニール・セティ)は、ジャングルで動物たちに育てられた少年だ。

彼はもっと小さかった頃、一人ぼっちで佇んでいた彼を黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングズレー)が見つけ、オオカミのラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)に託し、モーグリは狼の群れの中で暮らしてきたのだった。

ラクシャ、そして群れの長・アキーラ(ジャンカルロ・エスポジート)の愛情を受け、自然の厳しさと生き抜くための知恵と術を学んでいくモーグリだったが、兄弟のように育った狼たちのようにうまく森の中を走れなかったりと、他の動物たちと同じように生きられない自分に葛藤を抱き始める。

そんな折、モーグリの前に乱暴者のトラ、シア・カーン(イドリス・エルバ)が現れる。
人間に恨みを抱くシア・カーンは、ジャングルに生きる動物たちに、人間は恐怖の対象であると語り、モーグリを匿っている狼たちの元へ、まるで脅しをかけるように直談判にやってくるのだが...

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感想


映画を観て「魔法にかかったよう」なんてよく聞く感想ですが、この映画ほどその言葉がふさわしい映画はないんじゃないでしょうか。

ディズニーが'67年にアニメ映画として発表した作品を実写化...いや、「実写」と呼ぶべきかもちょっと迷うような斬新な手法で蘇らせた今作「ジャングル・ブック」は、まるでジャングルの世界に迷い込んでしまったかのような感覚を味わえる、体験型のアドベンチャームービーとなっています。

もしご自宅の近くに3Dのシアターがある映画館がありましたら、できればそちらで観て頂けると感動が一層増すこと間違いなしですよ!

主人公のモーグリ(ニール・セティ)はジャングルで動物たちに育てられた、人間の男の子。今は狼の群れに引き取られ、兄弟のように育った子供の狼たちとともにジャングルを飛び回っていました。

自分を拾って狼に引き渡してくれた黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングズレー)もずっと近くで見守ってくれていて、幸せいっぱいに見えるモーグリ。
でも彼にも一つの悩みが。どんなに仲良く馴染んでいても、やっぱり彼は人間の子。他の兄弟たちほどうまく木と木を「飛び回れなかったり、速く走れなかったりする自分に葛藤していたのです。

さらに、狼の兄弟たちは人間の何倍も年をとるのが早いので、周りはどんどん大人になっていくのに、自分だけ取り残されたような感覚に陥ってしまうことも彼の孤独を深めていきました。

母オオカミのラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)と群れの長・アキーラ(ジャンカルロ・エスポジート)はモーグリに他の子達と変わらぬ愛情を注ぐも、だんだんと心に溝が生まれて行ってしまいます。

しかもアキーラはモーグリを立派な狼として育てるべく、彼の人間的な部分を象徴する「道具」の使用を禁じていたことも、モーグリにもっと狼らしく生きなければというプレッシャーを与えていたのかな、と。

そんな折、少しずつ深まっていった心の溝を、決定的にしてしまう事件が起こります。

干ばつとなったある年の乾季、池の水が干上がったことによって、普段は敵対関係にある動物たちも休戦状態に入り、誰もが平等に残った水を分け合います。

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しかし、つかの間の平和を壊すものが現れます。
乱暴者のトラ、シア・カーン(イドリス・エルバ)です。

人間に恨みを抱くシア・カーンは、モーグリがいずれジャングルに災いをもたらすだろうと口にした後、オオカミたちの暮らす場所へ現れ、モーグリをかくまうならば、休戦が明けた後の平和は保証できないだろうというのです。

シア・カーンが人間を恨むのは、人間だけが持つ強大な力である「赤い花」という恐ろしいものによって片目に傷を負った過去があるから。

それを受け、オオカミたちは大騒ぎ。
強大な力を持ったシア・カーンに襲われては、群れの誰もがやられてしまうかもしれません。
人間の子であるモーグリは、これをもってオオカミの里を離れるべきだ、という決断が下されます。

モーグリをかくまうべきだ、一緒に戦うべきだと主張するラクシャでしたがその願いは聞き入れられず。
モーグリ本人も、仲間たちに迷惑をかけないために群れを離れる道を選びます。
ラクシャを演じるルピタ・ニョンゴの演技は慈愛に溢れ、涙を誘われる人も多いのではないでしょうか。

バギーラもともについていくことを選び、1人と一頭は広大なジャングルを旅することとなるのですが...

この映画を観た多くの人が聞いたことのある話だとは思いますが、モーグリを演じたニール・セティくん以外の動物達、そしてジャングルの風景のすべてがCGでできているというのは、にわかには信じられない話です。
CGの動物たちが人間の言葉を話す口の動きが、信じられないほど自然で。もしかしたらジャングルの奥地では、動物たちは本当に言葉を使ってお互いが共存できる世界を持ち、私たちの知らない世界を持っているんじゃないかと信じたくなってしまうほど。

ディズニーのすごいところは、今年の大ヒット作「ズートピア」もそうでしたが、虚構の世界と知りながらも本当に行ってみたくなる、もしかしたら本当にあるんじゃないかと信じられずにはいられない世界を作り上げてしまうところだと思います。

ジャングルの世界はモーグリが深みに入ってどんどん暗くなっていくと同時に、むしろさらにまばゆいほど鮮やかな世界を見せてくれるんです。

モーグリが巨大な毒ヘビのカーと出会うシーンの怪しさがまた素晴らしいんですよ。まさに「妖艶」という言葉がぴったりなスカーレット・ヨハンソンの演技と相まって、見ているこっちまでモーグリと一緒に誘惑されそうになってしまいます。

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カーの魔性に危うく命を落としかけたモーグリを救ったのは、一人怠惰な暮らしをしているクマのバルー(ビル・マーレイ)です。

バルーはモーグリの命を救ってやった代わりに、自分の食用の蜂蜜を集めてくれと言います。

今年は「レヴェナント」でレオナルド・ディカプリオを噛んで遊ぶ用のぬいぐるみみたいにしてしまった恐ろしいイメージのあるあのクマが、だるーい感じでハチミツをなめてるんですよ。可愛くないですか?

バルーを演じるビル・マーレイがやっぱり最高なんだなあ...
特に名曲"The Bare Necessities"の脱力感なんてもはや芸術の域ですよ。

バルーがこれまでモーグリが関わってきた動物達と違うのが、モーグリの「人間らしさ」を象徴する「道具」を使って何かを成し遂げることの大事さを教えてくれたということ。
もしかしたらバルーにとって、最初はただの便利屋のような存在としてみていなかったのかもしれないモーグリと徐々に関係を深めていく様子が、程よく力を抜いて見られるところに新鮮さを感じます。

毒ヘビ・カーの存在やモーグリを執拗につけ狙うシア・カーンの存在、さらにはモーグリの持つ人間の力を利用しようと企む大猿キング・ルイ(クリストファー・ウォーケン)など、ジャングルの冒険には恐ろしいこともいっぱい。

でもこれはディズニー映画。物語は着実にハッピーエンディングへの道を突き進んでいきます。

とはいえそこは「アイアンマン」や「シェフ」など個性的な映画を撮り続けてきたジョン・ファブロー監督。安易におセンチでお涙ちょうだいな展開を持ってくることはなく、本来いるはずではなかったジャングルの中で「人間」として共存する道を見つけていくモーグリの姿に共感せずにはいられない物語となっているんです。

マイノリティに対するメッセージ? たしかにたしかに。
でもこの映画を見れば、ジョン・ファブロー監督が政治的だったり人道的なメッセージを送る以上に、観ている人の誰もが、そして誰より監督をしている自分が楽しい作品を作ったんだということが読み取れて、そこが何よりも愛しいと感じさせられてしまいます。

ロサンゼルスのスタジオの中だけで作られたこの映画は、2016年の今1番広大で美しい世界を見せてくれるという事実に、改めて、
やっぱり映画は素晴らしいと実感させてくれる、そんな作品なのでした。あっぱれ。



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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