アングリーバード (The Angry Birds Movie) ネタバレあり感想 みんな、仲良くしてね。

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オススメ度 ★★★★☆



あらすじ


飛べない鳥たちが平和に生活しているバードアイランド。

街を離れた場所に一人で暮らす、個性的な太いまゆを持つレッド(ジェイソン・サダイキス)は、いつも怒ってばかりの嫌われ者だ。

そんな彼のヒーローは、かつて大空を自由に飛んだというスーパーヒーローのマイティ・イーグル。
周りのみんなはマイティ・イーグルはただのフィクションだとバカにするが、レッドは彼の存在を心のよりどころにしてきた。

そんな彼はある日、ある家族の誕生ケーキの配達の仕事でしくじった際に逆ギレ。
子どもを巻き込んだ事件に発展してしまい、街の裁判にかけられることに。

そこで怒りをコントロールするためのリハビリに通うことを命じられた彼は、その会合でハイテンションすぎるという問題を持ったチャック(ジョシュ・ギャッド)、ビビると爆発してしまうボム(ダニー・マクブライド)と知り合う。

そんな折、島に緑の体をしたピッグという謎の集団が訪れ、心優しい鳥たちは彼らを丁寧にもてなす。

レッドは島を我が物顔で変えていくピッグたちが裏で何かをたくらんでいるのではないかと疑い、みんなに警告をするも、誰もレッドの話に耳を傾けてはくれない。

そこでレッドは、チャックとボムと共に、どこかにいるかもしれないマイティ・イーグルに助けを求めるべく旅に出るが...

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感想


まさか携帯アプリが映画化される日が来るなんて、誰が思ったことでしょう。

日本ではあまり知名度が高くないかと思いますが、世界で最も成功したアプリゲームと呼ばれる「アングリーバード」がまさかの3Dアニメ映画化。

飛べない鳥たちをパチンコ(Notギャンブル)で弾いて、彼らの卵を奪っていった緑色のピッグたちの砦を破壊していくっていう、かわいい見た目に反して恐ろしめなゲームだったりします。

なんかの映画でも、何か事件の収集に必要な情報を集めてる感じでスマホをいじってる人に「何やってんの?」って聞いたら「アングリーバード」って返すっていうギャグありましたよね。それくらい有名なゲームなんです。

それで出来上がった映画がどんな物語かというと...
何だろう、もっとあっさりさっくり爽快な映画かと思いきや、人によっては胸が締め付けられるほど残酷で、でもこれ以上なく救われる、優しいヒューマンドラマが展開するんです。いやあ、感動しました。特に私が。

舞台は飛べない鳥たちが平和に暮らす島・バードアイランド。
主人公のレッド(ジェイソン・サダイキス)は怒りんぼでみんなの嫌われ者です。

そんな彼は物語の開幕早々、とある家族の子どもの誕生日にピエロとしてケーキを届けるバイトに奔走。
森の中をツタを渡りあるいたり、ターザンもびっくりのド派手なアクションを披露してくれます。緑色に輝くバードアイランドの美しい景色に、まずは目を奪われてしまいます。

そしてようやく目的の家にたどり着いたかと思いきや、パーティも終わりかけ、完全なる遅刻です。
色々あったけど頑張ってきたんだよ、という言い訳も通用せず、ボロボロに悪口を言われてしまうレッド。

怒りっぽいレッドは逆ギレ。
家長のお父さんの顔面にケーキをぶちまけるなど大暴れし、子どもたちもがっかりです。

その結果、彼は街の裁判にかけられ、怒りをコントロールするためのリハビリに通うことを命じられてしまいます。
そこから彼の人生は大きく動き始めることとなるのですが...

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ちょっとしたことでイライラ、怒りをぶつけずにはいられない。
誰かと話すときには早口でまくしたて、会話の中に皮肉ばかりを盛り込んで相手を不快にする。

レッドはなんでこんな性格になってしまったんでしょうか?
そこには、彼の子ども時代の警官が深く関わっています。

大きく太いまゆげが特徴的な彼のことを、周りの鳥たちはみんな「まゆげ」とあだ名をつけてバカにして、仲間はずれにします。
子どもの頃は、両親がいないという悲しさにも負けない、とっても純粋で好奇心旺盛な少年で、周りの子どもたちとだって普通に仲良くしたかったのに...

そんな彼は、かつて空を飛んだという伝説のマイティ・イーグルに憧れていました。
でも周りの子どもたちは、「マイティ・イーグルはただのフィクションだって両親に教えてもらわなかったの、まゆげ! でもあんたにはそれを教えてくれる両親も、友だちすらいないからわかんないんだ!」と言って笑うんです。

見た目や生まれなんていう、本人に非のない原因によっていじめられていたレッドは人里離れた浜辺に家を建て、一人ぼっちで暮らし始めました。性格もだんだん怒りっぽく、他人と関わるのをやめるように...

その結果、大人になってからも本人の性格のせいで街の人たちからさらに嫌われ始めるんです。
レッドの裁判の最中、裁判長は

「 君が一人で町外れに家を建てるといった時、君を止めた人は誰一人いなかったじゃないか。みんな街ですれ違う君に笑いかけるけれど、それは君のことを好きだからじゃない。」

なんて、この世にこんな残酷な言葉はないんじゃないか、というひどい言葉をかけるんです。

レッドはもう、みんなが自分のことをそんなにも嫌いなら、自分だって誰も好きにならない信じない、と心を閉ざしてしまったのではないでしょうか。
誰のことも近づけないように怒りをぶつけて、その結果さらに嫌われていく...という悪循環に陥ってしまってるんですね。

これって、いじめを受けた人の心理に近いと思うんです。
昔いじめられっ子だった私は、レッドに感情移入せずにはいられなくて胸が苦しく、涙も出そうになってしまったほどです。

自分がそこにいるだけで、まるでその存在を消したいという言わんばかりに苦しみを与えてくる奴らのことなんて、どうして好きにならなきゃいけないんですか。

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そんなレッドに大きな影響を与えることとなるのは、リハビリの会合で出会う、
せっかちなチャック(ジョシュ・ギャッドが声優やるの、「アナ雪」のオラフぶりですよ!)、ビビると爆発してしまうボム(ダニー・マクブライド)という二人。

それぞれに異なる問題を抱えた彼らは、レッドのことも偏見なく受け入れ、友だちになろうと近づいてきてくれます。

でも、乱暴な性格のレッドはチャックの作った人形を知らない間にボコボコにしちゃったり、
遊びに誘ってくれても「今から用事がある。っていうのも君たちと遊びたくないって意味だけど」なんてついつい嫌な態度を取ってしまったり。

その帰り道のレッドの表情はなんだか寂しげ、街で楽しそうに会話を楽しむ人々の様子をどこかうらやましげに見るんです。

本当は寂しくて押しつぶされそうだけど、素直な気持ちを他人には見せられないんです。
だって自分から仲良くなろうと決めたって、また嫌われちゃったら、ずっと嫌われ続けることより辛いじゃないですか?

ああ、辛い...って、大丈夫ですかね。
こんなに長い文章書いておいて、ここまでで上映時間の20分くらいまでの部分しか話してないですよ。

そんなある日、バードアイランドの運命を変える事件が起こります。

突如、バードアイランドに大きな船が上陸。この世には他の島なんてないと思っていたのに...
船から降りてきたのは、緑色の体をした見たこともない生物たち。

「ピッグ」と名乗る彼らは、鳥たちが見たこともないようなハイテクな道具を様々もたらし、初めての客人を鳥たちは盛大にもてなします。
しかし、彼らの行動に不信感を抱いたレッドは彼らの船にこっそり潜入。
2人しかいないと言っていたピッグの仲間たちが実は船の中に大量に隠れていたり、何に使うのかわからない道具を大量に持ち込んできた彼らは危険だと街の仲間たちに伝えようとします。

しかし、嫌われ者のレッドの話には誰も耳を傾けてくれません。逆にレッドは客人に無礼なことを言ったとしてブーイングを受けてしまいます。

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けれどやっぱりピッグたちへの疑いを捨てられないレッドは、チャックとボムと一緒に、どこかにいるというマイティ・イーグルに助けを求めるべく旅に出かけます。

けれど、たどり着いた先にいたマイティ・イーグルはレッドの思い描いていた姿とは違っておなかはダルンダルン、起き抜けに海に向かって立ちションしたりと、部屋に飾られたかつての栄光にあぐらをかいた、怠惰な生活を送っていたのでした。

この映画、家族向け映画だけあって極端な下ネタはないんですが、こういうちょっとした下ネタがきつすぎるのが玉に瑕な気がするんですよね。
イーグルさんのおしっこのねっとりした質感とか、最後の方で出てくる鼻水ギャグのぐちょぐちょ感とか、あまりにも生々しすぎて食べてるポップコーンとコーラがオエッてなっちゃいましたよ。それだけアニメーション技術が素晴らしいってことかもしれませんが。

イーグルの現在の姿にがっかりしたレッドたちが街に戻ると、ピッグたちはついに本性を現します。
彼らの狙いは、鳥たちの子どもである卵。それを自分たちの食料としようとしていたんですね。

ようやくピッグたちが悪者だったことに気づいた鳥たちは、レッドが正しかったということ、そして自分たちはレッドの声に耳を傾けようとしなかったことを反省。
レッドを中心に卵の奪還作戦に臨むことになります。

ここからがゲーム版のファンが待ち望んでいた展開の始まりです。
鳥たちはピッグたちが持ち込んできたパチンコを使い、ピッグの街へ突撃。次々に建物を爆破していきます。

いくら目的が目的だからって、相手の街を崩壊させるのはモラル的にいかがなもんなんですか、という道徳的なツッコミは受け付けません。
おなじみのキャラクターたちが、ゲーム版に準じたそれぞれの能力を使い、3Dの旨味を存分に使ったバトルを繰り広げる姿、とにかく楽しいじゃないですか。

特に、超速で動く能力を持つチャックが、某スーパーヒーロー映画のキャラよろしく、止まった時間の中でピタゴラスイッチもびっくりのギミックで相手をやっつけるところとか、もうたまりません。

そして戦いを乗り越えて、街のみんながレッドをどのように見直したか...うん、私は涙を堪えられませんでしたよ。
見ている私もなんだか長年積もった思いから救われるようなラストシーン。もしレッドに少しでも共感出来るような経験のある方ならば、きっと感動できるはず!

超大作と言えるほどのスケール感でもないですし、モラルの観点で言うときっと100%共感出来る話でもありません。
だけど、何だか「救われる」話なんです。これは私だけかもしれませんが。

この秋、他の何よりも激しく、そして優しい鳥たちの「怒り」をぜひ劇場にてご覧ください!




おまけ:

この映画、往年のヒットのカバーが並んだサントラもかなり良くできてるのでオススメです。

中でも私は、サントラ中で数少ないオリジナル曲、Charli XCXの"Explode"が大のお気に入り、現在ヘビロテ中です。
ポップでディスコでクラブな、レトロさと近未来感が混じり合ったサウンドがたまらない! みなさんもよろしければぜひ聴いてみてください!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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