亜人 -衝戟- ネタバレ少なめ感想 混沌か、平穏か。

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オススメ度 ★★★★



あらすじ


17年前のアフリカで、「神の兵」と呼ばれる不死身の兵士が捕えられた。
死亡後に即座に体を再生する不死の存在である彼は“亜人”と呼ばれ、その後に世界で46体が確認された。

それから17年後の日本。
ある日、交通事故に遭った高校生の永井圭(宮野真守)が死亡直後によみがえり、国内3例目の亜人であることが発覚する。

一度は政府に捕らわれ、あらゆる暴力的な方法で殺され続けるという恐ろしい実験の対象となってしまった圭だったが、謎の帽子の男・佐藤(大塚芳忠)の協力を得てなんとか脱出。

しかし、亜人ではない人間に対して異常な敵意を持ち、残忍な方法で目的を達成しようとする佐藤のやり方に賛同できなかった圭は佐藤と対立。命からがら逃げ出した彼は、海へ飛び込みとある田舎町にたどり着く。

一方の佐藤は、騒ぎを聞きつけて集まった報道陣に対し、亜人の権利を涙ながらに訴える。
しかし彼の目的は一般人の心に訴えかけることではなく、日本中に潜伏している亜人たちを決起させることにあった。

大義名分のもと、大規模なテロ行為を繰り返す佐藤。

その裏で、まるで社会の敵かのように追われた圭は田舎町での平穏な日々すら奪われ、亜人対策本部の戸崎(櫻井孝宏)と協力して、佐藤を止めるための戦いに挑むこととなる...

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感想


激動の第一部第二部に続く三部作の最終作。

不死身...というか死んだって何度でも生き返る新種の人類「亜人」をめぐる戦いの日々を描いた本格派SFアクション映画シリーズにも、いよいよ終わりが訪れるわけです。

話は前作の続きから。
亜人の国内での権利、ひいては亜人のみの独立自治区を作ることを要求し、国家が満足する答えを用意しなければ残虐なテロ行為を繰り返して回るという、恐ろしい亜人の軍団を率いる謎の男・佐藤(大塚芳忠)を倒すべく、
圭くんは彼自身を追って酷い目に合わせてきた敵である亜人対策本部の戸崎(櫻井孝宏)と協力することに...

前作での大規模なテロを成功させた佐藤さんは勢いに乗って、今度は国家が彼らの要求を飲まなければ、15人の要人たちを殺害していくと言い出します。これはなんとでも阻止しないと!

佐藤さんと戦うべく、圭くんたちは山奥にある秘密基地で猛特訓を始めます。
特訓のメニューですか? うーん、メインはやっぱり腕立て伏せですかね。

やっぱ敵をなぎ倒す筋力をつけるためには腕立てが一番ですよね!
え、間近に控えた敵の決戦までに実践に役立つほどの筋肉がつくわけねーだろって? そんなことは、考えちゃダメだ!

佐藤が次々と要人たちの暗殺...いや、ビルや飛行機を大爆破したりと、もはや見せしめ、エンターテイメントのためにやっているとしか思えないほど派手な方法で一人、また一人と殺害している間も圭くんたちはトレーニング中。ちょっと呑気すぎやしませんか、と思いますよね。

でも、頭脳派な圭くんと戸崎さんのこと。もちろんこれも作戦の一つだったのです。
彼らが狙いを定めたのは、15人のターゲットの中でも最も重要な要人である、
14番目の標的(ターゲット)

名探偵コ◯ンッッ!!

いやあ、はっきり言ってましたからね。「14番目の標的(ターゲット)」って。超笑ったわ。あれ、今の若い人はこの映画知らないっすか!? 参ったなあ。

作戦会議中の圭・戸崎チームの会話、そして対する佐藤チーム、それぞれ統制を取れている感じではなくちぐはぐで、お互いの話を聞いているようでみんなが好き勝手喋っているいびつな感じがいいですよねえ。
個性や目標の達成によって得たいと思っているものが違う人々が、目の前に立ちふさがる、達成しなければならないミッションのために集まって力を合わせていくという展開に心が熱くなります。

人が話し出すタイミングも、映画やテレビドラマにありがちな、必ず誰かが話し終わるまで律儀に待ってから別の人が話し出す、という演出感ありありな間の取り方ではなく、少しでも反対すべきことが思い浮かんだら、相手に少しかぶせていくくらいのペースで話し出すところにリアリティがあり、映画全体にスピード感とテンポの良さを与えてくれているように思えます。

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14番目の標的暗殺を阻止するため、戸崎さんの側近で「彼氏とかいんのかな」と気にもなってしまうほどの美女、しかも亜人な下村泉(小松未可子)は暗殺の舞台となるであろう秘密の会合の場所と時間を探りに行きます。

しかしその場で、戸崎さんがアメリカ国防省からやってきたアルメイヤと、その側近の爆乳金髪美女・マイヤーズという2人組によって誘拐されてしまいました! (マイヤーズが爆乳を見せつけるようにエッチな角度から谷間を映すカットがあるのは、男性へのサービスショットですよね。ありがとう...)

亜人が出すことのできる黒い幽霊・IBMのクロちゃんを出して彼を奪還しようとする泉さんでしたが、それはどこからか現れたもう一体のIBMによって阻まれてしまいます。

なんと、マイヤーズは亜人だったのです!
国の要人であるアルメイヤと、ボディガードのマイヤーズ...その関係は戸崎さんと泉さんの関係にそっくり。

けれど、彼らの間柄には決定的な違いがありました。
両親を亡くした地獄の苦しみと、亜人であることがバレたら国から追われてしまっていただろう彼女を救ってくれた戸崎さんに心からの忠誠を誓う泉さんと、
実験動物にされたくなければ任務を完璧にこなせ! さもなくば...と恐怖で無理やり主人に仕えさせられているマイヤーズ。

果たしてどちらが勝つのか... これは原作にはなく、映画オリジナルの展開なんだそう。登場人物たちのバックグラウンドや設定の解説に多くの時間を割くよりもド派手なアクションで魅せることに力を入れているところが好感触なこのシリーズですが、この話はIBM同士の迫力あふれるバトルに、さらに感情を乗せて熱くなることができた良い追加点だと思います。

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アルメイヤたちとのバトルに苦心している間に、佐藤さんたちは14番目の暗殺を成功させてしまいます。
もう希望は潰えたかと思った時、佐藤さんは最後の犯行予告を日本じゅうに向けて発信します。しかも、自分が不利になることは間違いないのに、時間と場所までを公開して...

それを受け、国家は亜人との戦いに特化して最強の部隊「対亜」を動かし、佐藤さんを必ずここで止めると宣言。
対亜が動いてしまったら、自分たちにはもうすべきことはないのでは...と考えた泉さんたちですが、圭くんはむしろこここそが最後にして最大のチャンスだと、自分たちが先回りして暗殺の現場で佐藤さんを倒そうと提案します。

望んだ平穏な暮らしを取り戻すため、仲間たちと最後の戦いに挑む圭くんたち。
そして、亜人の権利のために戦う佐藤さんとその仲間たち。

ここからが「亜人」シリーズの真骨頂ですよ。人間最強の部隊である「対亜」と、死なない最強の兵士・佐藤さんの戦いは、佐藤さんの言葉を借りればまるで「フリーフォール」のように圧倒的なスピード感とスリルに満ち溢れています。

大人数でやってくる対亜の兵士たちをちぎっては投げちぎっては投げ、躊躇なくナイフで刺し殺していく佐藤さんの姿は、不謹慎かもしれませんが超かっこいい! ポリゴンアニメだからこそ実現できるド派手かつ連続性のあるアクションは、テレビゲームの世界などに憧れたことのある男性にはたまらなく「刺さる」のではないでしょうか。

そして、戦いの中で失われていく仲間たち。
その生い立ちから、大切なものなんて作らずに一切の感情を切り離そうと生きてきた圭くんが、仲間たちの身の安全を思って心から叫ぶ姿に彼の成長と変化を感じさせ、感動を呼びます。

でもあれ、ちょっと待ってください。亜人の権利のために戦っているだけなんだとしたら、佐藤さんはどうしてこんなに危険なテロ行為ばかりを繰り返し、しかも最後の戦いというところで自分たちがむしろ不利になる宣言をしたりしたんでしょう?

そう、この戦いでようやく佐藤さんは本性を現します。
実は佐藤さんは不死身の身体を使い、無意味に戦争を起こしてあそびたかっただけ。亜人の権利がどうなんて、どーーーーでも良かったわけなんですね。

亜人として追われる身から解放され、平穏な暮らしを手に入れることを目的とする圭くんと、
亜人の能力を最大限に使って遊びたい佐藤さん。

最初は完璧なサイコパス、自分の目的のためなら唯一の親友すらも切り捨てる利己主義、自己中心的な人物として描かれていた圭くんと、登場した当初は周囲の亜人のために行動していたように見えた佐藤さんの立場が逆転して進むラストバトルは、まさにシリーズのクライマックスと呼ぶにふさわしいものとなっています。

まさにキャッチコピー通りの「死ねない、最終決戦」
果たして勝利するのはどちらか? 劇場へ足を運んで観る価値のある作品です。3週間限定公開のため、お早めに劇場へ!



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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

  • 2016/10/15 (Sat) 22:53
    にとり #X.Av9vec - URL
    No title

    14番目のターゲットは微妙に歳バレるからダメです!w

    アルメイダとマイヤーズは原作だと一瞬しか出てないのですが、キャストに森川智之と坂本真綾入れてきた時点でお察しな感じでしたが、いい感じに物語のスパイスになっていたと思います。

    それにしても原作よりも可愛い泉ちゃんが3部も超絶可愛くて生きるの辛いです…

  • 2016/10/16 (Sun) 20:20
    UC #- - URL
    Re: No title

    ななな、14番目のターゲットはやっぱ歳ばれますか! くぅ〜。
    あの2人は原作でも微妙には出てくるんですね! 原作も読まないと!
    泉ちゃんはやっぱ可愛いですねえ。得体の知れないIBMを「クロちゃん」って呼んでたりとか...

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