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SCOOP! ネタバレ控えめ/全開感想 撮れ。

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*注意! 記事の最後は、終盤のネタバレ全開です。

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オススメ度 ★★★☆



あらすじ


写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(福山雅治)
しかし、今では借金に追われつつ、芸能人のスキャンダルばかりを扱うフリーランスのパパラッチとして生活している。

副編集長である横川定子(吉田羊)としばらくは「SCOOP!」の専属として働くことを約束させられた静は、配属されてきた新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とタッグを組まされることに。

長年の付き合いである情報屋・チャラ源(リリー・フランキー)からのネタと経験を武器に次々と大スクープを撮り続け、凸凹コンビは低迷していた「SCOOP!」の売り上げを史上最大にまで伸ばしていく。

その後、芸能での活躍を認められた静は、野火と共に今後は事件斑の仕事も取り扱って欲しいと言われるが...

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感想


大好きな芸能人でも、不倫なんかはもちろん、お酒に酔って道端に倒れている姿や、お洒落なバーで他の芸能人といい感じになっているところを見せられるだけでも幻滅して「ファン辞める」なんてわざわざインターネット上で全世界にお知らせしたくなっちゃたりするものじゃないですか?

まあ不倫とかはともかくとして、「スクープ」なんて大仰に週刊誌で報じられる芸能ネタって、大概は私たち一般人も1度や2度ならずやってることも多いと思うんですけど、芸能人ってだけで過剰なまでのモラルや清廉潔白さを求めちゃうのが私たち。

でも、綺麗なとこだけ見たいなら週刊誌などには目を瞑ってればいいじゃん、と思いつつも、むしろ芸能人の欠点が露呈される様を見たくて、けなしたくて、楽しんじゃうのもまた我々の性。

じゃあ、それを探して私たちに提供してくれる記者はどんなことをしてネタを見つけてるんですか、という点に迫ったのが、前作「バクマン」で編集部でのやり取りなどを実に生々しく描いた大根仁監督の新作
「SCOOP!」です。

主人公の都城静(福山雅治)は、かつては「SCOOP!」誌のエースカメラマンとして、芸能ネタもシリアスな事件も彼に任せればOK!の大活躍を見せていた男です。
しかしフリーに転向した今は、泥酔したり不倫したりと日々を楽しむ芸能人の汚ねぇケツばかりを追う、ただの中年パパラッチ。私生活の方では、少ないギャラで膨大な借金に戦いを挑む日々に追われています。

物語は、彼が「SCOOP!」の副編集長・横川定子(吉田羊)の依頼で、しばらく「SCOOP!」の専属として働くことになるところからスタート。
いつものように芸能人が集まるバーの近くに張り込み、現れた奴らが乱痴気騒ぎを起こすまで気長に待ってはカバンに潜ませたカメラでパシャリ。

いつも入念に取材を行い、リアルな仕事現場の様子を描くことに定評のある大根仁監督の仕事は今回も完璧。
静ちゃんのカメラの忍ばせ方から編集部の雑多な様子、さらには乗る車のちょっと臭いそうな感じに至るまで、とにかく世界観の作り込み方が尋常ではありません。

画面の中にある世界があまりにもリアルだからこそ、もしかしたら目の前で起こっているこの物語は、私たちの身の回りで起きているかもしれないと思わされてしまうからこそ、映画へ没入することができるのでしょう。

フリーになってからは誰の指図も受けず、一人自分のメソッドに則って働くことを信条としてきた静ちゃんですが、それを突如ぶち壊す存在が現れます。

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「SCOOP!」に配属されてきた、かりー、きゃ、...きゃりーぱむp...ああ、もう言えない! みたいな、いかにも今時の若者っぽい格好の新人記者・行川野火(二階堂ふみ)

現場経験のない彼女は、プライベートではしゃいじゃってる芸能人に
「あのー、なんか話を聞いてこいって言われたんですけど... 好きな食べものとか?」
なんて、お前仕事で来てること理解してんのか、と言いたくなる突撃取材をしちゃったりとか、仕事場に来ているというのに、渋谷だか原宿だかに来ているかのようなファッションにメイクもヘアスタイルもバッチリ。新人さんらしさ全開なんです。

みんな仕事を始めたばかりの頃って実際こんな感じじゃないですか? 働き始めてしばらく経つ方々なんかは、「ああ、自分にもこんな時期があったなあ」なんて自分の姿を重ねられそうなキャラです。

大好きな芸能人が嫌なところを晒すまで追いかけ回して、一般人だって一度や二度はやったことのあるだろうダメなところを取り上げて、それを証拠となる写真に残して世間に暴露する。しかも芸能人からだって追いかけ回されて嫌われて...

「マジで最悪ですね、この仕事」と口癖のように何度も漏らす彼女に対して、
「俺たちの仕事はゴキブリかドブネズミ以下なんだよ」と平然と返す静ちゃん。

でも大スクープを撮る瞬間はスリルと興奮に溢れていて、有名人の誰も知らない裏の顔を自分の手の中にできる。いい仕事をして、それが雑誌の売上部数として結果に残る。その喜びは、他のどんな仕事でも得られないものなんじゃないでしょうか。

だんだんと仕事の楽しさを覚え、スクープを撮りたいという気持ちが出てきた野火ちゃんの内面の変化は、彼女の見た目にも影響を及ぼしていきます。

メイクが薄く、髪は無造作にまとめられ、上半身はウィンドブレーカー、下半身には歩きやすそうなショートパンツにレギンスなど、とにかく動きやすさを重視した格好へとだんだんと変わっていくんです。そして、ラストシーンでは...
目に見えてたくましくなっていく野火ちゃんの姿に、自分も一緒に頑張ろうと元気をもらって劇場を出られる社会人の方も多いのでは?

野火ちゃんを鍛える主人公・静ちゃん役を演じた福山雅治は普段からくだけた感じでしたが、今回はアウトローな感じを頑張って演じられてましたね。服装からしてちょいヤ◯ザっぽい感じで編集部の中のものを次々蹴飛ばしてったり、一般人のことを「カタギ」って呼んでいたりする姿はちょっと似合わないところもありましたが、

仕事一筋で車内でのだらしない生活を続けているカメラマンとしての風格がしっかり出ていて、ボサボサの髪で「お風呂はいってる?」と訊ねたくなるような小汚い感じをしっかり出せていたところには作品に対する気合いを感じましたね。だって、ちょっと臭そうなんですよ。福山なのに。革命的ですよ。

あと女性の方々は要注意ポイントですが、この映画は下ネタ満載です。
福山雅治がお下劣な下ネタを連発する様は、逆に自然体で似合ってましたけどね。今はもう終わっちゃったんですけど、去年までやってた「魂のラジオ」とか聞いたことあります?

中高生の頃は毎週聞いてたんですが、あの福山が「ポリネシアンセッ◯ス」について延々と語ってた回とかありましたからね。そういう意味では、真の「ましゃ」が見られるということで、ファンにはたまらなかったのではないでしょうか。

しかし、静ちゃんを含め、キャラの性格の描写が極端すぎるのは大根監督の毎回の弱点と言えそう。
芸能人のチャラくてオラオラした感じとか、現実にはここまで極端な人はいないだろうなあっていうキャラが目白押しなのは、もしかしたらエンタメとして成立させるためにわざとやっていることなのかもしれないですが、

設定や世界観でここまでリアルさを追求しているのに、出てくるキャラの立ち居振る舞いはかなりデフォルメされている感じがするのはちぐはぐな感じがしてちょっと残念。あくまで私は、ですよ!

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静ちゃんの古くからの友人である情報屋・チャラ源(リリー・フランキーのリアルジャンキーな演技が素晴らしい!)の助けもあって次々とスクープを連発し、「SCOOP!」の部数を誌の記録に残るまで伸ばしていく静ちゃん&野火くんコンビ(ドラ◯も〜ん!)。

仕事ができるようになってきた時に調子に乗って、静ちゃんが危険すぎると判断した撮影に「びびってんすか」と野火ちゃんが単独で乗り込み、結局捕まっていたぶられちゃったりする失敗もありましたが、そこも含めて新人さんが必ず通る道。

でも、捕まった野火ちゃんを静ちゃんとチャラ源さんが助けに来るシーンは激ヤバでしたけどね。

野火ちゃんを捕まえた芸能人&ボディガードの、昼ドラに出てきそうなチンピラ感と、最強の男・チャラ源さんが敵をやっつけていく時の動きの鈍さと効果音の安っぽさとか。「ああ〜、やっちゃってんな」と思わず顔を覆いたくなったほどのチープさでした。なんでこのシーン入れた? と恥ずかしさで死にそうになりましたが、まさかこれが終盤の伏線だったとは誰が思うでしょう。

「SCOOP!」の救世主となった野火・静コンビに次に課せられた使命は、芸能ネタだけではなくシリアスな事件を扱うこと。
そもそも定子さんが静ちゃんを再び「SCOOP!」へ呼び戻したのは、彼にくだらない芸能ネタだけではなく事件班で大きな仕事をして、もう一度「ホームランを打って欲しい」からだったんだとか。

で、最初は渋っていた静ちゃんでしたが、野火ちゃんが乗り気だったこともあってかその仕事を受けることになります。
彼らのミッションは、4人の女性をレイプした上で殺害したという残忍極まりない殺人犯の護送の際、事件から月日が流れた「今」の顔写真を撮ってくること。

うーん、この展開、私はちょっと好きではなかったんですよねえ。
っていうのも、事件班での今回の仕事をノリノリでこなしている静ちゃんの姿を見ていると、芸能人のスキャンダルネタが「ゴキブリかドブネズミ以下」って、言葉で言いつつも内心誇りを持ってやってたのかなあと思っていたのに、その言葉は本心で自分を蔑んで言ってたんだなあと思わされちゃって。

「どんな仕事にもやりがいはあって、誇りを持って臨むことが大事だよ」ということを言っているのかなあと思っていたら、監督の言いたいことはそこではなかったみたい。監督が本当に言いたかったことは、あまりにも衝撃的なラストに凝縮されていたわけなんですけどね。

果たして彼らのミッションは無事に成功するのでしょうか? その先に待っているものとは...
ちょっと惜しいなあという展開は多いものの、大根仁監督による独特の映像表現やカメラワークが緊張感と同時に大きな笑いも届けてくれる、素晴らしいエンタメ作品に仕上がっています。

以下、予告編に続いて終盤〜ラストのネタバレあり感想をお届けいたします。作品をご覧になってからお読みください...





終盤のネタバレ感想


無事...ではないけれど殺人犯の写真を撮ることに成功した静ちゃんと野火ちゃんは、すっかり雑誌のヒーローに。

そしてお約束、やっぱり静ちゃんのことを好きになっちゃった野火ちゃんは、静ちゃんの家に行ってセッ◯スしちゃいます。
二階堂ふみのラブシーン! よくやったぞ大根仁監督! ...と思いきや、事の間ずっと二階堂ふみはブラもパンツも付けっ放し。こんなことあります?

なんだこの退屈な時間。せめてやるなら全力で脱がせるのよ!
いや、別に二階堂ふみの裸が見たいとかでは全くなくて、逆に付けてる方がやらしいんじゃないかなと思ってしまって。

下着姿の二階堂ふみが中途半端に悶えてる姿を長めの尺で映し続けるって、誰に向けてのサービスショットだったんだろう。こんな中途半端なベッドシーンならやらないほうがいいですよ。逆にエッチなファンサービスとしか見えなくて余計やらしいので。

ことを終えた野火ちゃんは、静ちゃんの昔の話を聞かせてもらうことに。

もともとは中学校の図書室に置いてあった一冊の本の、その中の1ページ載っていた戦場カメラマンによる1枚の写真を見てカメラマンを志した彼でしたが、結局「自分は何者かになれる」という思いだけを抱き続けてカメラを握り続けたけれども、結局誰にもなれなかった...というのです。

何者にもなれなかった自分だけど、今の自分にはカメラしかない。だから写真を撮り続けるんだという静ちゃん。
きっとみんな同じですよね。いつか自分は「何か」になれるんじゃないかと思って日々生きているけれども、じゃあその「何か」って一体なんなのか、ということは掴めないままに時が過ぎていく...

じゃあそこに意味はなかったのでしょうか? そこに迫るのが、続くラストの展開です。

野火ちゃんとの会話の途中、静ちゃんの元に1本の電話がかかってきます。

電話の主は、チャラ源さんでした。
彼が言うには、娘の顔を見るために元妻の家に行ったら、妻が子どもには会わせないというばかりか、新しい男が家にいた。
だからちょっと暴れてやったら、みんな動かなくなったんだよ、と言うのです。

つまりはチャラ源さんが元妻と、その新しい夫を殺してしまったということですね。
チャラ源さんを助けるべく、静ちゃんは彼の元に向かいます。野火ちゃんも付いてくると言って聞かないので、一緒に行くことに。

娘を人質のように抱え、駆けつけた警察官を見るなり拳銃で撃ち殺したチャラ源さんはもうまともではありません。完全にイっちゃってて、「静ちゃん、俺が誰かをぶっ放すところを撮ってよ!」などと訳のわからないことを言って、撮影に出かけようというのです。

ドラッグ漬け、前科あり、言動も落ち着かない感じだったりと最初からまともではなさそうなチャラ源さんを演じたリリー・フランキーの演技は完璧でしたね。焦点の合わない目、おぼつかない足取りで拳銃を振り回す彼の姿にはどんなホラー映画よりも恐怖心を煽られること必至です。

彼をなだめながら機を見計らって警察に抑えてもらおうと必死になっていた静ちゃんと、
その姿、そしてこの大事件をカメラに収めようと彼らを追っていた野火ちゃん。

しかし、彼らの進行方向、真正面の物陰からカメラを向けていた野火ちゃんは、チャラ源さんに気付かれてしまいます。
「俺の専属カメラマンは静ちゃんだけなんだよ!」とブチ切れたチャラ源さんは野火ちゃんに銃を向けるのですが...

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それに気づいた静ちゃんは、チャラ源さんの銃を引っ張って自分に向け、勢い余ったチャラ源さんは引き金を引いてしまいます。

その瞬間、「野火、撮れ。」という声が野火ちゃんの頭に響きます。

静ちゃんがチャラ源さんに頭を撃ち抜かれる、まさにその瞬間を野火ちゃんはカメラに捉えたのです。
その写真は野火ちゃんの手によって記事に起こされ、日本中の読者の手元に届くことに...

戦場カメラマンに憧れた男が、日常のすぐそばにあった戦いの場で頭を撃ち抜かれ、その瞬間を捉えた写真が日本中に広まって、凄惨な事件の恐ろしさを伝える結果となる。

そして、静ちゃんのカメラに対する情熱を引き継いだ野火ちゃんは、今まで以上にほとんどノーメイクとなった姿で、後輩を引き連れたくましい姿で次のスクープを探しに行く...

この終盤の流れ、間違いなく唐突すぎます。
今までの話はなんだったの? ってくらいに全然違う話になっちゃってる感は否めないし、むしろ前半の話を続けてたら物語が盛り上がらないし結末もつけられないから、無理やり引っ張ってきたんじゃないか、と思う方がいるのも当然だと思うんですよ。

でも、ここにこそ監督が言いたかったことが詰まってると思うんです。

確かに静ちゃんは、生きている間は何者にもなれなかったかもしれません。
でも、彼の生きた証、彼がこの世に伝えたかったことは確かに残って、次世代へ、そして今を生きている世の中の人々の心の中に「何か」を残すことができた、と思うんです。

みんな、自分の中で、そして他者にとっての確たる「何者か」にはなれないかもしれない。でも、自分以外の誰かの心に何かを残すことはできる。だからこそ、自分の今やっていることは無意味なんかじゃなくて、一人一人の人生に価値はあるんだ、と教えてくれているように、私には思えました。

人生は意味のないことばかりに見えて、でもそういったことにこそ楽しさや生きがいが溢れているのかも。この映画も同じなのかな。

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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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