1964Ears V6 Stage レビュー

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アメリカのカスタムIEMメーカー・1964Earsから

V6 Stage

のレビューです。


シェル:

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シェルは透明感が高く,触り心地もツルツルしていて気持ち良いです。
シェルの中のドライバまでくっきり見えるほどの透明感は,シェルの薄さに起因しているように思えます。
ドライバは,高域がSWFK,中域DTEC,低域Sonion3800かな?

フィットは良好なのに遮音性が他と比べてなぜか若干落ちるように感じるのは,このシェルの薄さが関係しているのかも。

ドライバの配置で特徴的なのは高域用ドライバがヘリクス部分の内部に設置されカナルからかなり遠くなっていること。
これはJH Audioが発明した,位相を合わせる技術のfreqphaseにおける高域ドライバの配置と同じなので,その辺を参考にしたのかもしれません。


音:

全体のバランス:

音量バランスは高域≧低域≒中域の高域寄りだと思うんですが,正直その差もあまり感じられないくらいフラット。トーンは明るめ。かなりバランスが良く聴きやすいです。中域の距離が近いのがそう感じさせてくれる要因かもしれません。

音場の広さはそこそこで,全体的にコンパクトにまとまっている感じ。
横に広いというよりは立体感のある音場で,高域の上に抜けていく感じも心地よいです。

質感としては若干柔らかめ。芯があるというよりは広がりのある音で,聴き疲れはしづらいです。


高域:

他の帯域と比べて量感が若干多めですがあまり刺激的な音ではなく,超高域までスーッと伸びていく感じ。レンジも広めです。この辺りの伸びの良さはさすがデュアル。

柔らかめなのにある程度シャキシャキしているというちょっと不思議な質感で,ノリの良い曲では刺激的に,落ち着いた曲では綺麗に伸びていくといった感じで曲によって表情を変えてくれるので非常に聴きやすいです。


中域:

とてもクリアで透明感があり,これまた聴きやすい音です。

ハイミッドにわかりやすいピークがあるので,声が高めの女性ヴォーカルなんかだと時々キツいと思わされる時もあるかも。
ローミッドのあたりも低域ドライバとかぶっている感じが少ないので濁りなくクリア。この辺りの強調感のなさが明るいトーンに貢献しているような気がします。

繰り返しになりますがとにかくクリア。
よっぽど中低域寄りの音が好みでない限りは好き嫌いの分かれなさそうな音と言えるのではないでしょうか。


低域:

量感としてはそこまで多くないですが,ミッドローの辺りのインパクトが強めなのでロックやEDMなんかでもノリよく楽しく鳴らしてくれます。

深いところまでもある程度ちゃんと鳴らしてくれるので,不満は出にくそう。

とにかく中〜高域をじゃましないタイトな低域です。ただ,低域好きの人にとっては量感が少ないと思われてしまうこともありそうかな?


ADEL A10との簡易比較:

同メーカーの最新機種,ADEL A10とも簡単に比べてみました。

ちなみにA10のレビューはこちら

まず,シェルの造形が変わっています。その理由は,ADELシリーズでは3Dプリンタ技術を採用しているからみたいです。
以下比較写真。左の緑がA10,右の赤がV6 Stageです。

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写真だとちょっとわかりづらいかもしれませんが,A10の方がシェルの大きさが全体的にコンパクト,A10が片耳10ドライバ,V6 Stageが片耳6ドライバだと考えるとちょっとびっくりな結果に。

音のバランスとしてはV6 Stageが中域〜高域を目立たせるためにちょっと強調気味にしているのに対し,A10はもっと余裕があってさらにフラット。低域もA10の方がちょっと多いかな?

全体的なトーンとしてはわりと似ているように感じますが,A10の方がもうちょっとシャキシャキしているかも。
ドライバの種類も中域がDTEC→Sonion 2800に変わっているので,DTECの透明感あるトーンからもう少し実体感のある生っぽい音に変わっているかな?

ただ,ADELテクノロジーを使っている時点でA10の鳴らし方は他のカスタムIEMと根本から違って,半開放型みたいな鳴らし方になっています。
そのあたりもあって音場の広がりと開放感,聴き疲れのなさはA10に大きなアドバンテージがあるように感じます。


総評:

とにかく「聴きやすい」というのが特徴のこのV6 Stage。

ちょっと高域寄りで明るく軽やかなトーンはどんな音楽を聴く人でも好き嫌いが出なさそうだし,スッキリしているのに多ドライバらしい情報量の多さも持ち合わせているという,総じてバランスの良い機種です。

シェルの綺麗さも含め,$699(直接購入の場合)でこの品質のカスタムIEMが手に入るというのは正直信じられないくらいです。
ユニバーサルイヤホンも多ドライバ化,価格の高騰が進んでいる中で「コスパ」っていう言葉があまり意味をなさなくなってきている中,このイヤホンに関しては自信を持って「コスパがいい」とお勧めできる機種であるように思います。

特に初めてカスタムIEMを買う方で,10万円はだしたくないけど,せっかくカスタムを買うならドライバはユニバーサルよりも多く入っているのが欲しいし...という方は,まずこれを買ってみるのがいいのではないでしょうか?

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