デスノート Light Up the NEW World ネタバレかなり控えめ感想 ここから先は、神の領域。

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オススメ度 ★★☆



あらすじ


そのノートに名前を書かれた人間は、死ぬ。

デスノートの力を使ってこの世の犯罪者を大量に「削除」し、新世界の神になろうとした「キラ」こと夜神月(藤原竜也)と、彼を追い詰めた世界的な天才探偵・L(松山ケンイチ)の伝説のバトルから10年が経った。

デスノートによる大量虐殺は終わったかのように見えたが、死神を統治する死神大王はキラによる大量殺人を気に入り、死神たちの次のキラを探させ、もっと「面白いもの」を見るため、人間界に6冊のデスノートをばらまいた。

それを機に、世界各地でデスノートによる大量殺人が再び始まった。

デスノート対策本部に所属し、キラ事件を熟知する三島創(東出昌大)をはじめとするチームは、Lの後継者・竜崎(池松壮亮)の協力を経て、事件の収集に臨む。

しかしその裏では、キラを信奉する天才ハッカー・紫苑優輝(菅田将暉)による恐ろしい陰謀が動き出していた...

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感想


「デスノート」、流行ってましたよねえ。
私が高一の時のクラスの男子はみーんな読んでて、読んでないやつには単行本を貸してとにかく読ませる、という恐怖の習慣すらあったくらい。
だからこれまで25年間の人生、一度も少年ジャンプを読んだことのない私ですら、「デスノート」だけは全部読んだことあるんですよ。

私の高一の時のクラスでは「殺す」っていう、学生時代の男子はよく使いたがるワードが「削除」に置き換えられ、キラを神と崇める男たちが溢れる恐ろしいクラスだったのです。いや、別にほんとの危険思想を持った人はいませんでしたよ? ...多分。

その「デスノート」の映画版が公開されてから、早くも10年が経過。時の流れは早いものですねえ。

10周年を記念してか、新たな主人公たちを迎えて公開された今作「デスノート Light Up the NEW World」は、今でも日本中に残るキラ信者たちの新たなる希望になるかと思いきや...

逆に、原作を熱烈に愛していたファンの皆様からこそ酷評されているみたいですね。「なんとなく読んだことあります」程度で、なおかつ原作の、背景がほとんど文字で埋め尽くされている圧倒的な頭脳戦を8割理解できてたかどうか、という頭の悪い私からすると、この映画は「まあこんなもんでしょ」という感じだったんですが、
逆に深く考えなくても、ファンの皆様から嫌われる理由もわかりやすいくらいわかるなあ、と。

というのも原作の魅力っておそらく、

●主人公が「犯罪者を削除して、平和な世界を作る」という確たる信念のもとに行動していた、単純なる正義か悪か判断できない存在だった
●相手の100手先まで読んで行動できる天才2人(原作最後は3人か)が、いかに次の101手目を読み切って勝利するかというギリギリの勝負を繰り広げていた

あたりだと思うんですよね。だけど今作は2時間の中で全てを新たに始めて終わらせなければならなくて、その中に見せ場も作らなければならない完全新作なわけなので、

●3人の主人公が、相手の1手先を読んでるか読みきれてないか微妙、っていうくらいの軽めな頭脳戦。
●デスノートを使ってる人たちが単なる娯楽で大量殺人をしている人ばかり

っていう、原作とはちょっと趣の違う作風になっちゃってるからなのかなあ、と思います。

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多分ね、映画開始直後に流れる解説文も批判を買ってる要因の一つなんじゃないかなあ、と。

「キラによる大量虐殺を面白いと思った死神大王が次のキラを探すべく、地上に6冊のノートを落とした...」

死神大王って。
あれ、原作でも名前出てたらごめんなさい。でも、デスノートみたいなセリフだらけの頭を使うコミックが大好きだった人たちに、こんなファミリー向け映画みたいな可愛い設定持ち出してきちゃったら、その時点でイラッときた人多いんじゃないですかね。私はちょっと笑いました。大王て。

物語は、極寒の地・ロシアからスタート。ロシア!?
6冊のうち、最初のノートはロシアに落とされました。拾ったのは、老衰で苦しむ一人の男性を看病しているお医者さんです。

彼の患者さんは、「こんな辛い思いをするくらいなら、もう死なせてくれ...」とうわ言のように呟きます。
その言葉に同情するように、デスノートに「彼に安息を」と名前を書き込むと、なんと直後、老人は息を引き取ってしまったではないですか!

ノートの力を信じることにした彼はその後、ロシアとヨーロッパ中の自殺志願者を次々と殺害。彼らに安息を与えようとしたわけですね。

この人の思想、なんとなく原作のキラっぽいですよね。彼がキラの後継者? 敵はまさかのロシア人...?
と一瞬不安になった皆様ご安心を。デスノートの存在を私たちに印象付けた後、舞台はもちろん日本へ移ります。
でも、なんでロシアなんだろう。やっぱその後の日本で始まる話にはスケールが足りないから外国ロケが必要だと思っちゃったのかな。

日本で最初にデスノートでの大量殺戮を繰り広げるのは、普通な女の子っぽい青木さくら(元AKB48の川栄李奈)。
「キラよりも面白いもの、見せてあげる」と見えない「何か」に話しかける彼女は、渋谷のスクランブル交差点で大勢の一般人を通り魔的に殺害していきます。そこには何の思想もない。彼女にとってはただの娯楽です。

しかしそれは、過去にキラを止めた「デスノート対策本部」という警察内の組織によって再び阻止されることとなります。
その中心となるのは、キラ事件のことを研究し尽くし、誰よりもキラに詳しい三島創(東出昌大)

誰よりも熱く強い気持ちで、仲間たちとともにデスノート事件を終わりに近づけようとする彼は、チームにいながらにして誰のことも信じず、自分の頭脳だけを信じ、仲間たちのことを手駒としか思っていなさそうな天才探偵、そしてLの後継者・竜崎(池松壮亮)とはぶつかってばかりです。

東出昌大くん、演技がダメだダメだと言われていますが、彼の演技がどう頑張ってもダメに見えてしまうのは、本田翼ちゃんがダメっぽく見えてしまうのと同じ理由だと思うんですよね。なんていうか、あの鼻声? 生来の喋り方? 見た目はすっごくかっこいいんだけどなあ。

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彼らと相対することになるのは、キラを信奉する天才ハッカー・紫苑優輝(菅田将暉)

彼の能力は最強で、スマホから簡単に監視カメラにアクセスして情報を書き換えたり、世界中のあらゆるパソコンに「キラウィルス」と呼ばれる映像を勝手に流したりできるんですね。
そんな最強能力があれば、デスノートなんてなくても世界を牛耳れるだろ、というツッコミも入れたくなるところですが、彼がデスノートの使用にこだわるのには一つの理由があって...

紫苑くんは、自分の家族を惨殺した殺人鬼を殺してくれたキラのことを神として崇めているんですが、
彼は「6冊のデスノートを集めて約束の場所に来れば、キラは復活する」というメッセージを受け取り、キラと会うためにノートを集めているんですね。

で、警察+L側は、「デスノートは6冊以上人間界に持ち込めない」というルールを逆手にとって、「じゃあ6冊を手元に集めちゃえば、デスノートは封印できる」という理由で、お互いにデスノートを集めるための戦いが始まるわけなんですね。だから予告編で竜崎くんも「こっからはデスノート争奪戦だぁ!」と、実にLっぽくない挑発的な口調で言ってるわけなんですけど。

で、こっから始まる「頭脳戦」というのがきっと批判を浴びてる原因ですよね。

紫苑くんはLの挑発に乗って簡単に逆探知されるような罠に乗って、竜崎くんと直接会話すべく電話回線を繋いでしまいます。

原作のLなら「これすらも敵の罠だ」と気づいてさらに2手くらい先を読んだ策を用意するはずなんですけど、映画の尺の問題か、残念ながら竜崎くんは「お、罠にかかったぞ! お前ら突入〜!」と逆探知先のマンションに警察チームを送り込んでしまいます。

で、案の定それは紫苑くんの罠。原作でも大事な役を担っていたとあるキャラクターをあっさり死なせてしまいます。全然頭脳戦になってねえな。

しかも、キラ事件のことを知り尽くしているはずの三島くんが、デスノートの「顔と名前が全て分かっている相手しか殺せない」というルール上でかなり優位に立てる、見るだけで相手の名前がわかるという「死神の目」を使われても死なないために思いついた方法が、

片手で口を隠す

っていうね。マスクくらい買えや! 警察のコスト削減ハンパねえな!

で、頭脳戦が弱いと思ったのか、最後はヘリまで持ち出してきて、銃撃戦でドンパチやります。これは「図書館戦争」や「アイアムアヒーロー」などで日本映画できるアクションの限界に挑み続けてきた佐藤信介監督だから、やっぱ最後は派手にやりたかったんでしょうね。

「デスノート」といえば、細かい表情や顔の動き一つが命に関わるくらいの緊迫感に満ちた頭脳戦...と思ってらっしゃる方々にとっては、「俺たちのデスノートをバカにするな!」と怒り心頭なのはわかるなあ、という映画です。
原作の重要人物・ミサミサこと弥海砂(戸田恵梨香、超セクシーになりましたよね。)が微妙すぎる役回りで中途半端に「登場してきたことも怒りを買ってそうですよね。

逆に原作にあまり思い入れがないという人にとっては...何も深く考えずに見ればなかなかに楽しめるエンタメ作品にはなっているのではないでしょうか。

でも、私個人的に、原作へのリスペクトが感じられるシーンもたくさんあったと思うんですよね。

この映画のエンドロール後には、とあるおまけ映像が流れるんですが、原作を読んでいれば「ああ、そりゃそうですよね」と感じられるはず。ヒントだけ言っちゃうと、あれって原作でキラがLをやっつけた決め手になる方法と同じじゃないですか?

いや、私個人は高校時代、数学の先生に「お前よりバカなやつ、今まで見たことねーよ!」と授業中に怒られたことがあるほど頭の悪い人なので、全然見当違いのことを言っている可能性の方が高いんですけどね。



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