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海賊と呼ばれた男 ちょっとネタバレあり感想 貫きたい思いがある。

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オススメ度 ★★



あらすじ


敗戦後の1945年、東京。

石油会社・国岡商店を率いる国岡鐡造(岡田准一)は、日本人としての誇りを持ち復興に向け突き進もうと従業員を激励しつつ、自身も国の復興のために何とか貢献することができないかという道を模索していた。

義に厚い人物である彼は、戦後の混乱期にもかかわらず誰も解雇せず、独自の経営哲学と行動力で事業を広げていく。

しかし、独自の方法で経営を広げていく彼のやり方をよく思わない国内企業や、海外の石油会社は、国岡商店の経営を邪魔する包囲網を築いていく...

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感想


「事実に基づく話」というものの多くは、多くの人に知られておくべきだという信念に基づいて製作されている以上美しいものが多いのですが、「何が美しいのか」というのは製作者の考え方にどうしても依存してしまうものでして。

今の出光を築いた実在の人物の人生をもとに描かれた今作「海賊と呼ばれた男」は、1945年の敗戦後、「日本再興」を目指した熱い男の燃えるような人生を映像化した作品となっているのですが...

このテーマは間違い無く、2011年の震災を受けて描きたいと思ったものなのでしょう。
確かに、2016年に高い評価を受けた日本映画、特に「君の名は。」や「シン・ゴジラ」はその影響をもろに受けて製作された作品だったわけですし、映画を撮る人々としては現在最も撮るべきテーマということなのでしょう。

「永遠の0」では戦争で兵隊として戦った男性の姿から愛国心を山崎貴監督でしたが、今作の主人公・国岡鐡造(岡田准一)は、戦争には直接参加していない人物による、また別の形での愛国心を示した男性です。

時は1945年、敗戦直後の日本。
石油会社の「国岡商店」という大企業を営む国岡さんは、久々に自分の会社を訪れるなり、従業員たちに「この国は再び立ち上がる!」と語気も強めに演説を行います。

日本国内どころか、海外でも有名な大企業である国岡商店ですが、国内の同業者からはなんだか嫌われている様子(ライバル企業のトップを演じる國村隼さんは、「ちはやふる」みたいな優しい役も、今作みたいなちょっと嫌な役もなんでもお任せですね!) 石油を会社にまわしてもらえず、商売も立ち行かなくなりそうなのです。

でも、国岡さんは情に厚い人。決して社員をクビにするという選択肢は取らず、今いるみんなで頑張って、ダメだったら、社長である自分も含めて「みんなで乞食でもしようや」と言ってのける人です。

彼は一体、どんな人生を歩むんできたらこんなに厚い人になれたのか。大企業の今になっても「店員」と呼ぶ社員さんたちから愛される存在となれたのか? というところに、なんと彼が会社を始めた20代中盤の頃からの歴史を、欲張りにもほぼ全部描き切ろうとしたのがこの映画です。

小説版は上下巻に分かれた長編小説で、漫画版も現在で7〜8巻ほど出ているはず。私はどちらも読んだことがないのですが、一人の人間の人生を、若い頃から晩年まで全て描こうと思えば、それくらいの長さはどうしても必要であろうことは想像に難くありません。

原作のある伝記もの映画が陥りがちなパターンだと思うんですが、「小説の中にあるエピソードをできるだけ多く、でも正確に語りたい。だからと言って、どこか一つの重要なパートに偏りすぎて、シーンをカットしたくない」という思いからか、一つ一つのシーンがどれもダイジェストちっくになりすぎて、結局物語の中で何を語りたいのかが少し不明瞭になってしまうと思うんです。この映画もまた然り。

若い国岡さんが石油を売り始めたところから、お見合いをして奥さん(綾瀬はるか)と結婚して、彼の人徳に惹かれて、どんどん従業員が増えていって...という過程は確かに必要だったと思うんですが、「このエピソードは終わったから次これ撮りましょうね」という声が聞こえてきそうなくらい、びっくりするくらい淡々と進んでいってしまうのはいかがかなぁ、と思わされてしまいました。

そこのエピソードが彼の人生観にどんな影響を与えたのか、という心理的な部分までを描く前に次のエピソードに進んでいってしまうんですよね。

それが顕著に表れていたのは、国岡さんが満州鉄道に自身の調合した石油を売りに行ったものの、競合国の企業による圧力のせいで、実力があることも証明された自分たちの石油を使ってもらえなかったシーン。

日本という国がすごい商品を作れるのだ、未来を作れるのだと世界に証明するために夜を徹して頑張ってきたのに、結局は権力に握りつぶされてしまうという無力感、そして自分があまりにも仕事に全てをつぎ込みすぎてきたがために、愛する妻を失ってしまったという悲しみから何かを学ぶ姿を見たかったのに、それら一連の流れが終わった後に表示されたのは、

「その後、国岡商店は満州へ進出し、成功を収めた」
という、たった一文だけ、しかも文字だけでの説明文。今までこんなにも色々と丁寧に描いてきたのに、一番大事な部分がこれかい!! がっかりでしたね。

山崎貴監督のいつもの、よく言えば整理された、悪く言えばわざとらしい演出も健在すぎるくらい。
俳優陣には実力も実績もある人々が集まっているのに、みんなの言動がどれもわざとらしく、読まされている感満載に味付けされてしまっていて、そのせいで実在の人物をモチーフにしている物語が、ひどく正気を失ったように見えてしまったんです。

主演のV6岡田准一くんは間違い無く実力のある俳優さんだと思いますし、今作では全年代での国岡さんを、特殊メイクを駆使しながら演じているのですが、年齢ごとの話し方の微妙な変化、声の出し方までから、国岡さんが年をおうごとに円熟していく、あるいはわずかな後悔も積み上げていく様子までを細かく演じていて、そこには何の文句も言いようがありません。

だけどなあ、2時間半という上映時間を通して、キャラクター達はわざとらしいくらいに大げさなリアクションを取り続けているのに、物語そのものの進み方は何とも淡白すぎて、国岡さんという人物の大きさに完全に没入することができなかったというのが正直な感想でした。

そして一点、失礼ながらどうしても笑いを堪えられなかったシーンがございまして。
以下のシーン、周囲を見回しても笑っていたのが私だけだったことに、逆に驚いてしまいました。これって、私だけでしょうか? 共感してくれる人々、飲みに行きましょう。





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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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