ザ・サークル (The Circle) かなりネタバレ感想 降りかかる火の粉は払わねばならぬ。

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オススメ度 ★★★☆



あらすじ



病気の父親(ビル・パクストン)と、介護に奔走する母(グレン・ヘドリー)を支えるべく、カスタマーサービスの派遣として働くメイ・ホランド(エマ・ワトソン)

しかし、両親を支えるには今のままだと保険や福利厚生がしっかりしていないし、何よりもっと活かせる会社はある、と思うのだ。

そんな折、親友のアニー(カレン・ギラン)から連絡が入った。
なんと、メイに世界最大のSNS企業「ザ・サークル」で働くチャンスを与えてくれるというのだ。

「ザ・サークル」はカリスマCEOであるイーサン・ベイリー(トム・ハンクス)が舵を取っており、「全てを知ることはいいことである」という理念のもと、つい最近には超小型のカメラで世界中の映像をリアルタイムで撮影し、通り過ぎる人々全ての顔を認識して個人データを表示するという画期的な発明を発表したばかりだ。

最初は半ば強制的に個人情報をシェアさせられたり、社内のアクティビティへの参加データから文句を言われたりすることに不信感を隠せなかったメイだが、仕事に慣れていくにつれ、「サークラー」としての生活を楽しむようになっていった。

そしてある事件をきっかけに、メイはベイリー氏と直接的な接点を持つようになる。
ベイリー氏に気に入られたメイは、新たに開発された「透明化」のシステムの実験体になることとなる。

それは、24時間自分の生活を常にブロードキャストし、自分の全てを社会にさらけ出すというものだったが...

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感想



みなさん、今となってはやっぱり何かしらのSNSはやってるものですよね。

若い人だけじゃなく、会社の上司とかもfacebookとか平気でやってるじゃないですか。で、友達申請来ると本当は受理したくないけど無視もできなくて困る、とかあるあるですよね。だからしょうもないこととか怒られそうなことはできないな、とか。

最近じゃあ匿名でやってるTwitterとかだって、会社にSNSチェック班がいて、自社の内部事情を話したり悪口言ったりすると即会社にバレて呼び出しくらって処分、なんて恐ろしい話もありますよね。ちなみに私が先月まで勤めてた会社にもそういうのあったらしいです。

私もこのブログはもちろん、関連したTwitterと、本名ではfacebookをやってます。LINEもそれに含むのかな?
facebookに関しては1年半くらいログインすらしてませんが、大学時代に1年間留学した時があって、その時にはなんと授業の連絡がfacebookで来てたりしてました。そんな大事な連絡がSNSで来るとかびっくりでしたね。
あとは前職での職場内の連絡はLINEでした。いやー、今考えたら恐ろしい話だなあと思うんですが。

SNSをやる目的って、みんなは「交流」とか「情報収集」って言いますが、それがだんだんと変化して、たくさんの「いいね!」を集めることが人間としての社会的価値を高めてくれるような風潮になってきちゃってますよね。

だからこそ、今年なんてどこに行っても「フォトジェニックなメニューのあるレストラン」とか「インスタ映えする景色」とか、もはや自分が美味しいかとか景色を見て癒されるかとかでなく、その写真をSNSにあげることでどれくらい多くの「いいね!」を集められるかの方に重点が置かれた宣伝ばかりが目につくようになっちゃったりして。

何が言いたいかというと、それくらいSNSって私たちの生活の根幹に関わる部分とか、心を満たすための活動にまで浸透してきちゃってるんですよね。

そんなSNSの今後はどこへ向かっていくのか? というのは利益を求める企業にとっても、楽しむために利用している個人にとっても気になるところだと思います。

そんな疑問に挑むのがエマ・ワトソンにトム・ハンクス、さらには新スター・ウォーズの主演ジョン・ボイエガという超豪華ゲストで送る「ザ・サークル」です。

主人公のメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は、地元で派遣社員として、今は水道会社のカスタマーサービスに勤めています。

幼馴染のマーサー(エラー・コルトレーン。「6歳のボクが、大人になるまで。」の主演の男の子です)との友達以上恋人未満な関係もあり、幸せに暮らしているように思えますが...

実際のところ、実家暮らしの彼女は病気の父親と、その介護をする母を支えるためにもっと安定した職に就きたいと考えていました。
今のままでは保険制度も整っておらず、家族を養うには不足しているものが多すぎるのですね。

そんな折、親友のアニー(カレン・ギラン)から連絡が入ります。メイに、世界最大のSNS企業「ザ・サークル」で勤めないかと誘ってくれたのです。

大企業で働けるなんてそんな夢みたいな話はないと、メイは快諾。面接を乗り越えて、メイはザ・サークルでの仕事を手に入れます。

広大なキャンパス内には様々なアクティビティやサークル活動が行われ、建物内の設備はどれも最新鋭。誰もが楽しく自由に過ごしているかのように見えるのです。ちょっと不気味なくらいに。

「ザ・サークル」はカリスマCEOであるイーサン・ベイリー(トム・ハンクス)が舵を取っており、「知ることはいいことだ。全てを知ることはもっといい」という理念のもと、どんどんシェアを広げています。

さらに、メイが入社したばかりに行われたミーティングでは、なんと世界中に超小型カメラを設置し、世界中の様子をリアルタイムに見られるという画期的なシステムを発表。
さらにそのカメラには、通り過ぎる人すべての顔面から個人情報を引っ張ってこられるというシステムも付いているというのです!

怖っ!!

そんなシステム実装されちゃったら、みんな顔面フルフェイスが外せない生活になっちゃいますよ。だって個人の嗜好とかSNSに掲載してるデータとか、全部知らない人に公開されちゃうってことですよね? まあfacebookに個人情報載せるのも似たようなことと言われたらそうかもしれませんが、でも顔を見た瞬間に強制的に表示されちゃうのとは全然別物だよ!

でも社員のみなさんは疑いのかけらもなさそうな様子で、「なんて素晴らしい発明なんだ!! フォーーー!! せーの、"Share is Careing〜"」なんて合言葉まで発しちゃったり。それを見たメイは、ちょっと引いてしまうわけなんですけど。

メイは、前職での経験を活かしカスタマーサービスの業務担当になりました。相手からの評価がその場で点数評価され、それが自分の勤務評価となるという恐怖の環境下で働くことになり、最初は戸惑うメイ。しかしもともと高い能力を持っていた彼女は、急速に評価を上げて行ったのでした。

そんな彼女に突然恐怖の宣告が舞い降ります。初めて話す社員2人組が突然話しかけてきて、「あなた、金曜日の夕方に退社して、次の出社日が月曜日になってるわね」と言うのです。

え、休日勤務が強制される会社なの? と一瞬驚いてしまうメイでしたが、2人はそれを笑って否定。
そうではなくて、彼女はザ・サークルのアカウントを作って以来全然更新していないし、社内アクティビティにも全然参加していないではないか、と言うのです。

ザ・サークルでは社員がどれくらい社内のアクティビティに参加したかを常に記録して数値化、それが社員内で人気値として扱われているというのです。
怖すぎ。職場でこんなのあったら私、即底辺行きでトイレでお昼食べて存在消しますわ。

その登録のために休日は何してるかだのわけのわからない個人情報を聞き出されて勝手に入力されるという人権侵害もいいとこな作業を行い、嵐のように去って行った2人組。メイはそこに気味の悪さを感じ、家に帰っても点数のことを気にしてばかりのメイの姿に、両親も本当にこれでいいのだろうか、と心配の目を向けていたのですが...

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ところがどっこい、メイト両親がザ・サークルのコミュニティに抱いていた疑念は、とあるきっかけから一瞬にして晴れることとなります。

ある日、アニーによって医務室のようなところに呼び出されたメイは、一度も話したことのなかった父親の病気について、「あなたのお父様がかかっている病気の家族を持つ社員のコミュニティがあるから入ったら?」と勧められ(会社に勝手に調べられてたってことですね)、さらにはアニーが社内ネットワークを使って、なんとメイの両親もザ・サークルの発達した保険制度に入れるよう手続きをしてくれたのです! なんだそりゃ!

それをきっかけとして、メイも両親も、「ザ・サークルはなんて素晴らしい会社なんだ!」と考えるようになるわけです。
最初はちょっといかがわしいと思っていたけど、やっぱり自分の会社をいいところだと思えるのはいいことですよね! 個人情報勝手に調べられまくってますけど!

それからのメイは、今まで以上に仕事に精を出すようになり、成績もトップクラスになっていきました。

そこで、たまの休日に実家に帰ったメイに事件が発生。
夜に一人でカヤックに出かけた彼女は、転覆して危うく溺死寸前の状態になってしまいます。

しかしそこに偶然、通りがかりのヘリコプターが!!
なんとか一命をとりとめたメイ。しかも驚きの事実が。なんと通りがかりと思っていたヘリコプターは、ザ・サークルが湖に設置していたカメラの映像を見た人が通報したことによって来てくれたのでした!

その事件をきっかけに、「全てを知ることは本当にいいことなんだ!」と実感したメイ。
ベイリー氏を含む首脳陣にも目をつけられ、自ら社の最新プロジェクトの実験体となることを承諾します。
そのプロジェクトとは...

「透明化」と呼ばれる新プロジェクトは、超小型カメラを身につけ、24時間自分の行動をザ・サークル上でブロードキャストするというシステムです。
カメラの目を逃れられるのはトイレに入っている3分間のみ。トイレが3分以上長引いたらどうするつもりなんですかね。

たちまち数百万人のフォロワーが彼女の行動をチェックし、コメントをするようになります。

最初はザ・サークルに対して少々懐疑的な視点を持っていたメイも、数え切れないほどの人々から注目されることに快感を覚えるようになっていきます。今ではすっかりザ・サークル信者となっていた両親も、社のTシャツを着てノリノリでビデオに出演するようになっていました。

社内での知名度も圧倒的に上昇し、社内の重役会議にも呼ばれるようになっていたメイは、フォロワー達に自分のすごさを証明してもらえているという自信からか、それともフォロワー達に自分の力量を見せつけようとしてなのか、社の方針にもとんでもないアイディアを提案するようになっていきます。

その第一弾は、
「投票率を上げるために、ザ・サークルから直接投票ができるようにして、さらにザ・サークルへの加入を義務としましょう!!」というものでした。

いやいや、そんなことできるわけないでしょうと誰もが考えると思いますが、なんとベイリーさんは彼女の発言を面白いと言い、それをきっかけにメイは社内の様々な会議に呼ばれるようになっていきました。

そしてそんなメイが開発に携わり発表された最新システムは「ソウルサーチ」と呼ばれ、世界中に設置されたカメラ、ザ・サークル登録者からの情報などを元に、どんな人間も20分以内に見つけ出してしまうという恐ろしいシステム。

これを使って犯罪者を捕まえよう、そして今後はザ・サークルに登録することが世界中の義務となり、登録していない人も悪となるのだ! という恐ろしすぎるアイデアがメイの狙いだったようですが...

プレゼンテーションの場において、みごと1人の犯罪者を捕まえて見せたソウルサーチ。システムは大成功に終わったと思いきや、ベイリー氏から一つの提案が。

今度は、メイの幼馴染、マーサーを捕まえてみせようと言うのです。
メイは当然戸惑い、最初は提案を拒否しました。彼は悪人ではないし...などと観衆を説得しようとしますが盛り上がった観衆を止めることはできず、しかも自分には数百万人も、自分の行動を常に監視している人々がいる。裏切ることはできない...と、渋々承諾。

マーサーは程なくして見つかり、ソウルサーチの力は実証されたわけですが、マーサーを実際に見つけたフォロワーが面白半分に嫌がるマーサーを追い回し、車で逃走したマーサーでしたが四方八方から立ちふさがる人々から逃れられず、最終的に橋の下へ転落してしまいます。

その事件をきっかけに休職することとなったメイ。
しかし重い心と体を持ち上げ、「『ザ・サークル』のシステムは不完全だったんだ! 私が間違いを正す!」と再び会社へと向かい、最終決戦へとつながっていきます。

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もう様々な設定がおかしいですよね。
まずザ・サークルのサービスはあらゆる点で法を犯しまくりなのが明らかだし、第一こんなシステムに賛同する人っているんでしょうか。だって常に監視され続けること=注目されていると思い込んで喜びを感じられる人、どれくらいいるんでしょう?

でもまあ、これは映画としてかなりオーバーにSNSの恐怖を描いているという部分もあるのかなと。

ただ、私はこの映画、それとは別の部分でSNSを含むネット社会の真の恐ろしさを上手く描いてたなと思ったんですよ。
それは...

みんな
自分に火の粉が降りかからなきゃ、何してもいいと思ってる

っていうところですね。

だって皮肉かつ不思議なものだと思いませんか?

メイはカメラのおかげで命を救われ、さらに「透明化」によって注目され、人気があった時には、さらなる注目を求めてか、それともザ・サークルを信じきっていたからか、ソウルサーチみたいな信じられないシステムを自ら提案し、ザ・サークルへの加入を義務化しようとかとんでもないことを言ってたのに、

自分の友人に被害が及んだ瞬間に「システムが間違ってるから変えなきゃ!」とか掌を返すという。
社内の人たちも、自分たちこそがマーサー探しを煽り立てた張本人のくせに、「マーサーのことは大変だったわね。大丈夫?」と形ばかりの心配を見せてみたり。画面越しに起こったことに対して、当事者意識を持てていないんですね。

それ以外にも例って劇中で示されてたりするんですよ。メイの両親も、保険を適用してもらったりしたこともあってかメイのブロードキャストにザ・サークルのTシャツなんて着てノリノリで出演で出演してたのに、事故で夜の営みが流れちゃった後にはメイとの連絡を絶って、数週間後にようやく連絡がついたと思いきや、「あなたのことは愛してるけど、もうこんなこと続けられないわ。私たちにだってプライバシーがあるのよ」って言い出したりとか。

現実のSNSだってそうじゃないですか。

私の周囲だけで見ていても、
実名と顔写真を公開することがほとんどなfacebookでは「〜を達成できました! これも周りで支えてくれてる皆さんのおかげ! みんなに感謝!」みたいに満開の笑顔の集合写真みたいな、自慢話に「自分の実力じゃなくてみんなのおかげです!」っていう謙虚アピールを加えた綺麗事がほとんどなのに、

匿名で顔がバレないTwitterでは、名前を伏せて個人攻撃みたいな悪口を吐いたり、なんだか炎上しそうな発言をしてる人がいたら、どっから探し出してきたんだか引用ツイートして晒して、それでリツイートや「いいね」を稼いで自分がすごい人、賢い人みたいに思いたい人も多いじゃないですか。

その違いは、匿名なら自分に直接的な火の粉が降ってくることはないと思ってるからじゃないでしょうか。
自分がどんな人のことを貶めてるか直接知る必要がないし、その人が自分に対してどんな感情を抱いて、それを現実の世界で向けてくることはない。自分が得られるのは、多くの人が自分のツイートを「いいね!」と思ってくれているという事実。つまり自分って、やっぱりすごい人なんじゃない? と思える。

でも自分がその対象になってしまったら、「みんななんでこんなひどいこと言えるんだ? SNSって怖い世界だ」なんて考えたり、アカウントに鍵をかけたり削除したり。自分だって同じことをしてるはずなんですけどね。

普段意識しないインターネット社会のそういった恐ろしさを真正面から描いたという意味ではSNS全盛の現代にうまく警鐘を鳴らせた作品と言えるのではないでしょうか。いや、やっぱり設定自体はめちゃくちゃなんですけどね。

...なーんて偉そうなことを言ってる私、なんでこのブログを書いてるんでしょう?
アクセスが増えたら喜ぶし、減ったらもっと頑張って書かないとなあ、と思ってしまうのは何故なんでしょう?

私自身も、SNSの奴隷になってしまってるのかもしれませんね。

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Theme: 映画感想 - Genre: Movie

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