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ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜 (The Zookeeper's Wife) ネタバレあり感想

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オススメ度 ★★★



あらすじ


1939年、ポーランドのワルシャワ。

夫婦で動物園を営み、愛する動物に囲まれて生活していたヤン(ヨハン・ヘルデンベルグ)アントニーナ(ジェシカ・チャステイン)は、ナチスドイツの侵攻に大きな不安を抱いていた。

ある日、ドイツ軍による爆撃によって、動物園は火の海と化し、動物たちのほとんどは死んでしまった。

突如絶望的な状況に立たされた夫婦の前に、ヒトラー直属の動物学者であるヘック(ダニエル・ブリュール)が彼らにアプローチをかけ、希少な動物たちをドイツで保護しようという申し出をして来た。

慈愛に満ちた性格であるアントニーナはヘックを信じ二つ返事でOKを出してしまったが、ヤンはヘックには許可を求める必要はなく、何らかの目的があるのだろうという。すでに彼らは、ナチスの手中に収められたも同然だったのだ。

そんな中、ヤンは、ナチスドイツがユダヤ人を弾圧するのを見て、アントニーナに動物園を彼らのための隠れ家にしようと告げる。最初はその意見に反対しようと考えたアントニーナだったが、その後動物園にやってくる人々との交流を深め、彼らを救いたいという気持ちを強くしていく。

強制居住区域に暮らすユダヤ人たちを救い出しては動物園にかくまう彼らだったが、次第にナチスドイツの警戒は厳しさを増していく...

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感想



第二次世界大戦下、ナチスドイツの支配が進むポーランドはワルシャワで、自身の経営する動物園の内部にユダヤ人を匿っては逃すというびっくりするような驚きの実話を実写化した今作「ユダヤ人を救った動物園」ですが、なぜでしょう。この映画を観ていると、どうも実話っぽく思えなかったのは。

ちなみに物語の舞台となっているワルシャワ動物園は現在も営業を続けているそうです。下の記事を読む限り、なかなかに開放感があって楽しそうな動物園に見えますね。
(訪れた方による記事: http://portal.nifty.com/kiji/120406154739_1.htm)

この物語のタイトルにもなっているアントニーナは、夫のヤンとともに動物園を経営していました。
特にアントニーナは慈愛に満ち溢れた性格をしており、動物たちと心を通わせることが得意な女性でした。

冒頭、自転車に乗ってラクダと共に動物園のパトロールに出かけるシーンの爽やかさといったらたまりません。
これから戦争による被害や辛く苦しい戦いの日々が描かれるなんて想像もつかないほど。動物たちに愛情たっぷりに話しかけていく様子は、どちらかといえば「ドクター・ドリトル」のオープニングを見ているかのような感覚すら覚えてしまいます。

アントニーナを演じるジェシカ・チャステインはハードボイルドから優しい女性の役までを違和感なく完璧にこなせる、本当に素晴らしい女優ですね。2011年の「ザ・ヘルプ」で初めて彼女を見た時から、私は彼女の大ファンになってしまいました。

アントニーナは動物たちに対して限度知らずの愛を注いでいました。だって彼女の家のベッドには、ライオンの子供が一緒に寝てるくらいですから。
その愛の強さは、生まれたての象が死にそうになった時、少しのパニックを起こしながらも必死に生き返そうとする姿に心を打たれる方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

そのようなシーンを見せてもらっているからこそ、ナチスの爆撃で動物たちが死にゆき、軍が動物たちを「猛獣」として次々に撃ち殺していく様子が悲痛に映ります。観客もその悲しさを一緒に味わう事ができるようになっているんです。

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愛する動物たちを失い、動物園としての経営は不可能な状態に追い込まれてしまったジャビンスキ夫妻。
そんな彼らの元に、一つのオファーが降って来ます。

ヒトラー直属の動物学者で、前のパーティでアントニーナに目をつけていたヘックが、動物たちの安全のため、ドイツ軍に希少動物たちを一旦預け、戦争が終わったら必ず返還しようと申し出て来たのです。

動物たちへの愛情に溢れるアントニーナはヘックのことを信用し、その場で動物たちを預けることを決めてしまいます。
しかし、夫のヤンはそれに不満そう。ヤンの言い分だと、ヘックほどの権力者ならばそもそもアントニーナの許可を得る必要すらない。すでに自分たちはナチスドイツの手中に収められてしまっているのだと。

しかし彼らはそこで全てを諦めたわけではありませんでした。
街に出かけたヤンは、ユダヤ人が理不尽に冷酷な扱いを受けている様子を見て、ユダヤ人たちを自分たちの動物園に匿ってやろうという決意を固めます。

その計画の実行のため、夫妻はヘックに対し、自分たちの動物園を養豚場にしたいのだと申し出ます。
理由はドイツ軍の食料を確保したいからだ、豚の餌はユダヤ人たちが食べた生ごみを再利用したいのだと。

ヘックはその申し出を受け入れます。そこから夫妻の計画はスタート。
ヤンは表向きには毎日豚の餌を手に入れるためにゲットーへと出向いているように見せかけて、実際はユダヤ人たちをトラックの中に隠して動物園へと連れて行ったのでした。

夫妻の意志の強さがただならぬものだったことは想像に難くありません。だって、もしも軍にバレてしまったら、その瞬間に彼らは処刑、動物園だって永遠に復活することは無くなってしまうのです。

それでも彼らは「自分が正しいと思うことをしたい」という思いのもと、ユダヤ人たちを救出し続けました。
その数は、実に300人以上にも昇ったといいます。その過程で訪れた夫妻の葛藤は痛いほど伝わってくる描かれ方をしていました。

しかし、なぜだかリアリティが少し欠けてしまったように思えたのは、ヘックがだんだんと分かり易すぎる悪者へと変貌していってしまったことですね。

ヘックは動物園の監視をするふりをして...いや、実際に任務としての監視もしていたんですが、それ以上にアントニーナへの恋心から毎日のように彼女の元を訪れるようになっていました。

ヤンが見ているかいないかなど関係なく、自らの権力を盾にアントニーナへセクハラを繰り返すヘック。
特に最後の展開については、彼の嫉妬心が爆発してしまったかのような、なんだか痴話喧嘩の延長で残虐すぎる行為に走ってしまったように見えてしまったのが残念でした。戦争映画の緊張感とはまた少し違った感じになってしまっていたかな、と。

しかし、それでも最後には夫妻の偉業に感動することができるのは、俳優たちの息遣いすらすぐ近くに感じられるほどの演技に支えられていると思います。これも人間の「意志」というものの強さが困難を乗り越えていくことの力強さを感じさせてくれる出来事のひとつと言えるのではないでしょうか。

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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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