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キングスマン: ゴールデン・サークル (Kingsman: The Golden Circle) ネタバレ全開感想

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*注意* 物語の結末までネタバレしています。


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オススメ度 ★★★



あらすじ


ロンドンにある高級スーツ店を拠点とするスパイ組織「キングスマン」において、今やエース級エージェントとなったエグジー(タロン・エガートン)

そんな彼の元に、新たな刺客が現れる。
なんと、かつて「キングスマン」入隊テストで争ったチャーリー(エドワード・ホルクロフト)が、謎のハイテク義手を装着してエグジーを襲ってきたのだ。

チャーリーは世界最大にして、誰にも本拠地を知られていない麻薬カルテル「ゴールデン・サークル」によって送り込まれていたのだ。

「キングスマン」は「ゴールデン・サークル」の調査を急ぐが、「ゴールデン・サークル」のボスであるポピー・アダムズ (ジュリアン・ムーア)は冷酷すぎるサイコパス。
なんと「キングスマン」のメンバーの居住地にミサイルを撃ち込み、組織を一瞬にして壊滅させてしまったのだ。

なんとか生き延びたのはエグジーと、彼の教官でありメカ担当のマーリン(マーク・ストロング)だけだった。
2人は最後の手段として、アメリカに存在するという同盟組織「ステイツマン」に助けを求めるが...


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感想


前作「キングスマン」はいろんな意味で記録にも記憶にも残る作品でしたね。

大量惨殺シーンで軽快な音楽を流し、ファンキー過ぎる爽快なアクションシーンに仕上げてしまう、
「威風堂々」の音楽に合わせて世界中の人間の頭を、まるで花火のように美しく連続爆破していく、など
あまりの不謹慎さに笑いがこみ上げてきてしまう、中毒性満載のシーンが好評を受けました。

そのオリジナリティ溢れる作風が評判を呼び、ここ日本を含む世界中で大ヒットを記録したことは記憶に新しいことと思います。

前作のメガヒットを受けて、「キック・アス」などこれまでも斬新なアクション映画を送り出してきたマシュー・ヴォーン監督が続投した今作。皆さんは、どんな作品を期待していましたか?

やっぱり前作の作風を引き継いで...って思っちゃいますよね。
前作での教会のシーンみたいなアレを、もう一回新しい形で見たいっ! ...なーんて思っちゃうものじゃないですか。
かくいう私も前作のアナザーバージョンみたいなのを期待しちゃってたところがあったんですよ。

だって昨年もちょうどあったじゃないですか。
2016年にアニメ映画の「君の名は。」が国民的ヒットになったせいというかおかげというか、
2017年に公開された「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」は監督だって全然違う人で、そもそもテレビドラマ/実写映画の原作だってある作品だというのに、「君の名は。」の第二弾を期待した人々が観て絶望あるいは怒り狂う、っていう現象が起きてましたよね。まああれは宣伝のやり方のせいもあったとは思うんですけど。

とにかく人間って、何か面白いものがあると「同じテイストなんだけど新しい、みたいなものをもっとプリーズ!!」って同じ感覚を味あわせてくれる、でも新しい、なんて難しすぎる注文をつけてしまうものだと思うんです。

前置きが長くなりましたが、私がこの映画「キングスマン: ゴールデン・サークル」を観て感じたことって、だいたいこんな感じだったんですよ。

というのも、本人がどう感じていたか私が確実なことを言うことは間違いなく不可能であることはもちろんとして、私は監督のマシュー・ヴォーンさんが「観客が前作を踏まえて続編に期待すること」みたいなのを強く意識しすぎちゃったんじゃないのかなあ、と思ったんです。

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前作における活躍から、すっかり「キングスマン」のエースとなったエグジー(タロン・エガートン)くん。

今日もおしゃれなスーツに身を包み、今日はディナーの約束に向かうところでした。

そんな彼の前に、どことなく見覚えのある顔が。
ああ、前作の入隊テストで、「俺はリッチだ偉いんだぞ」って散々エグジーくんをいじめてきたチャーリー(エドワード・ホルクロフト)くんじゃないですか。エグジーくんはすっかり忘れていたようですが。

彼の目的は一体なんなのか。だってどう見ても「やっぱりキングスマンにい゛れ゛て゛ぇぇぇぇん゛!!!」ってお願いしにきたわけではなさそうです。

そう、彼は謎の組織からの刺客。
しかも前作において刃付きの義足という奇跡の武器を駆使し、絶大なインパクトを与えた悪役カゼルさんよろしくな義手を装着してやってきたのでした。

そこからはみなさんお待ちかね、映画開始3分で迫力のアクションシーンへ突入です。
ファンキーでエキサイティングなBGMが流れる中、車中ではエグジーとチャーリーが命がけの戦いを繰り広げています。これが日本版キャッチコピーの「秒でアガる。」が指し示していた部分ですね。ギャップ萌えというやつですか。

しかしなんだかどうにも私はここ、あんまりアガらなかったんですよ。元が根暗で陰キャでパリピじゃないからというのもあるんですけど、なんか無理してるように見えたんですよね。

やっぱり車中だからか、人間の動きが制限されるのは仕方のないことです。むしろカーチェイスと同時進行させることでスピード感を演出しているのもわかる! わかるんですが...

なんだろう。すごく具体的な理由や改善点を挙げられるわけではないんですが、どうしても「うーん、もうちょっと激しいのが欲しいなあ」なんて観ながら考えてしまった自分がいたんですよね。

第二作目の冒頭なわけだし、やっぱり前作でインパクトのあった手法を使ってみんなを「これだよこれこれ!」って言わせることの重要さは重々承知しているんですが、それ以上にタイミングももっと後にしても良かったんじゃないでしょうか。

しかしそれでもやっぱり長回し風に視点がぐるぐる回るカメラワークは臨場感があって楽しいし、場を盛り上げる陽気な音楽は、命がけの闘いの中ではアドレナリン出まくりで、モラルやらなんやら考えてる余裕なんてないという様子が伝わってきてこっちまで夢中になってしまう。やっぱり癖になるいい演出ではあると思うんです。

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肝心のストーリーに戻ります。

今回の敵は超サイコパスな麻薬女王。
ジューシーでホットでまるで劇薬のように体に効いてくるジュリアン・ムーア様が演じるポピー・アダムズ さんでございます。

マリファナ、コカイン、ヘロインなど世界中に流行しているドラッグのほとんどは彼女の牛耳る麻薬カルテル「ゴールデン・サークル」によるもの。しかし、アジトをどこのどいつにも見つかられないほどの秘境に構えているおかげで、その正体は謎に包まれたままでした。

しかし美人で頭の良い彼女は、もう日陰の存在でいることに飽きてしまったのです!
そんなわけで表立って堂々と楽しい毎日を送るため、彼女は自分を嗅ぎ回るキングスマンをアジト、メンバーの自宅など全てにミサイルを放って殲滅したり、
ドラッグに特殊な毒を混ぜて世界中の麻薬使用者を死の淵に立たせ、「麻薬を合法化すれば治してあげまーす!」と大統領を脅したり、信じられないほどの大暴れを演じます。

...はい? あ、さらっと言いすぎましたね。じゃあ簡潔にもう一回言っときますね。

ポピーさんは、
キングスマンのアジト、メンバーの自宅全てにミサイルを放ち、キングスマンを殲滅します。

すごいでしょ? ここに怒ってる前作ファンの方が多かったみたいなんですよね。せっかくでてきた前作からのキャラが、重要キャラ含めて一瞬で葬り去られるっていう。有名俳優さんばっかりなのですけど、それを豪快に無駄遣いしていくスタイル。私はこれくらいやった方がキングスマンらしくていいかなあなんて思っておりました。普通に超びっくりしましたしね。

でも、もう一つのキャストの豪快な無駄遣い。あれはほんとに良かったんでしょうか?

キングスマンのアジトが壊滅させられちゃったので、生き残ったエグジーとマーリンさんは、最後の手段としてアメリカはケンタッキーにある同盟組織「ステイツマン」に協力を仰ぐこととなります。

そこで初めて出会うのが、コテコテのアメリカ人すぎるカウボーイエージェント・テキーラ(チャニング・テイタム)さん。
出会った時こそ何かの誤解で大太刀周りを演じることとなる彼ですが、なんと彼の出番はほとんどそこで終了。

ちょっとヤンチャな性格で、ドラッグも普通に嗜んでいたテキーラさん。
彼も例に漏れず、ポピーさんの罠にかかってしまいました。

ポピーさんのドラッグの効果というのは4ステージに分かれています。
①全身に青筋が出る
②めっちゃ躁状態になる
③全身が麻痺して動けなくなる
死ぬ

という。ということでテキーラさんの死を防ぐため、ステイツマンはなんと彼を冷凍保存することに。

ということでテキーラさんは、登場シーンの9割において寝てるだけという奇跡を引き起こしてしまったのです。

えええええ!!! 大丈夫!!?? だってチャニング・テイタムだよ!!?? ムキムキマッチョなのにヌメヌメしたダンスまでいけちゃう、超動ける俳優さんだよ!!?? 自身のストリップダンサーとしての経験が存分に発揮された映画「マジック・マイク」の予告編とか観てくださいよ、もったいなさがわかります!



と、色々と有名人の無駄遣いが多すぎる一方で、嘘だろというゲストが最初っから最後まで大活躍するところは笑いという意味でかなり好意的に思えました。

なんと、なんとあの、エルトン・ジョン様が、ポピーさんの捕虜として本人役で登場。捕虜のみでありながら自由すぎる大暴れを見せ、観客の笑いを誘っております。

エルトン・ジョンが出るなんて誰が予想してました? っていうか予告編に出てませんでしたよね? 私が見落としてただけかもしれませんが。 だから余計にびっくりしたんですよ。登場シーンで思わず声出ちゃったくらい。

で、逆に驚きのない登場シーンもありましたね。誰のことかは大体わかるはず。

そう、前作のもう一人の主人公であった、ハリー(コリン・ファース)さんの登場シーンですね。

前作があそこまでヒットした以上、きっと彼を出さないわけにはいかなかったことでしょう。
でもね、予告編で出してちゃ意味なくね??

もう彼が出るってことは数ヶ月前から映画館の予告編で何十回と観てたわけで、映画を観ながら「ハリーっていつ復活するんだろ〜」「あ、出た出た」みたいなゆるい感想しか出てこなかったんですよ。エルトン・ジョンよりこっちにでかいサプライズを...ってまあ、客寄せには彼の復活も大々的に宣伝しておかないといけないか〜、だってコリン・ファースだもんね〜...なんて答えのない問答を続けてしまう自分がいました。

こういうのって作品を観る楽しみだけを追求するなら出さないで欲しいんですけど、配給側としては出さざるを得ないんだろうなあ...って思うと難しいですよね。

...というサプライズを乗り越え、エグジーくんとハリーさんはポピーさんのアジトへ無事侵入。意外とアジトの場所があっさり割れてたのも面白かったですね。

ポピーさんの目的は「自分が日陰の存在から表に立ちたい」というどシンプルなものだったのでいいのですが、問題は別のところにありました。

なんとステイツマンの中に、ポピーの計画を利用して自分の目的を達成しようとしていた真の敵がいたのです!

その名はエージェント・ウィスキー(ペドロ・パスカル)さん。
薬物中毒者に愛する女性を殺されたという過去を持つ彼は、この機会に全ての麻薬使用者を殺害してしまおうと考えていたのです。

ここでのハリー&エグジーvsウィスキーの戦闘シーンは必見ですね。長回し、高揚する音楽、スリリングで臨場感あるカメラワーク...これこれ、こういうのが観たかったんですよ! 無理して劇中に3回も4回も似たものを突っ込んでこなかった方がむしろ圧倒的なかっこよさが引き立ってよかったかもしれませんね。
このシーンを見るためだけに劇場に足を運ぶ価値もあると思います。

しかし、物語の結末は賛否両論あることと思います。
ウィスキーの最後と言ったら、ミンチ機に押し込まれるというとんでもなく残酷な方法で殺された挙句、「クソ野郎が」みたいな捨て台詞まで吐かれてしまうわけで。

劇中ではアメリカの大統領が、ポピーさんの要求を飲むふりをして、偽の診療施設を建てて麻薬使用者たちを隔離、そのまま全員を見殺しにして麻薬使用者を一掃しようというシーンが映されたり、その秘書が「試しにやってみただけの人は!? 医療用で使ってる人は!? ただ日々のストレスに押しつぶされそうで助けを求めてる人は!?」ってわかりやすい言い訳をした後、実は自分が麻薬使用者だったということがわかって「私みたいな純粋で無実な人まで〜」って隔離されちゃうシーンがあったり、考えさせる要素もあるんですが、

最後の解決法があれか〜。「クスリやってたって死んじゃっていい人間はいないでしょ」っていうのはわかるんですけど、だからと言ってやってる人間を許しちゃっていいわけじゃないと思うんですよね。「事件後にもっと麻薬の取り締まりが厳しくなりました」くらいのことがわかるシーンも欲しかったですね。

だって麻薬をやってダメな理由って、自分に悪影響があるだけじゃなく、他人にも影響が及ぶことがあるからなんですよね。

今回のウィスキーさんの件だってそうだし、もっと言えばお酒だってそうじゃないですか。
日本でも些細なことに思えるかもしれませんけど、酔っ払って駅員さんに暴力を振るう人、電車の中で寝転がってゲロを撒き散らす人、規模を飛ばすとTwitterで人種差別的な発言をしておきながら、「酔っ払っていたから」が免罪符になると思ってる政治家とか、全然ちょっとしたことじゃないですよ。

それを「ストレス溜まってたから、クスリやお酒に逃げるしかなかったんだね。仕方ないねえ、辛かったでしょ。お互い様だね」なんて許すことを美徳とするのをではないと思います。

そこの部分を結構あっさりやっちゃったというか、「『ああ、痛い目見たわ。もうやらないようにしよう!』ってみんな思ったでしょ、まあこうなることもあるから気をつけてね!」くらいで終わらせちゃってよかったのかなあ、とは思いました。まあアクション映画なんだからそこはご愛嬌かな。

...と、色々と物足りない点はありつつ、きっと前作のファンは「そうそう、コレが観たかったんだよ!」と歓喜できるシーンがたくさんある今作。年も明けてだいぶ経ってしまいましたが、まだ今年に入って映画観てないよって方は、新年一発目にテンション上げていくにはぴったりの作品かと思います。

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