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しあわせはどこにある (Hector and the Search for Happiness) 感想

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オススメ度:

イギリスはロンドンで精神科医を営むヘクター(サイモン・ペッグ)は,豪華な家に美人の恋人クララ(ロザムンド・パイク)と暮らし,なんの不自由もない生活をしていた。

しかしある日,ヘクターは患者の一人から「あなたは聞き流しているだけで,しあわせを求めている私たちになんのアドバイスもしてくれない」と指摘される。それはなぜかと考えた時,ヘクターは「自分がしあわせを感じていない」からだという結論に至る。

そこでヘクターは,「しあわせとは何か」を探すため中国,チベット,アフリカなど世界中を巡る旅に出ることを決めるのだが...

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日本版のポスター上で「幸せを探して 愛を探して きみにもどる旅」と普通にネタバレしてしまっているので言ってしまいますね。

リメイク版"Shall We Dance?"で知られるピーター・チェルソム監督によるこの映画は,
金もあり,美人でしっかり者の彼女もいる中年男が「最近なんかつまんねーなー」くらいの軽い気持ちで患者も彼女も置き去りにして「しあわせ探し」と称した長期の海外旅行にでかけ,ついでに大学時代の彼女に「ワンチャンあるでぇ」と会いに行った結果見事に振られ,今の彼女に「やっぱり君が一番だよぉぉぉ」とみっともなく泣き付きながら故郷に帰っていくという,観ているこっちが胸糞悪くなる拷問のような駄作です。

まず,主人公のヘクターが探検家のような服装に巨大なバックパックという何を目指したのか意味不明な奇妙な格好をしながら,しっかり飛行機はビジネスクラス,ホテルはマリオットだのハイアットだの最高級のホテルをブッキングしているのが笑えます。
他人と触れ合って「しあわせ」とやらが何なのかを探すのが目的なら,ホステルに泊まるとか道中で知り合った現地人の家に泊めてもらうとかの方が全然目的に合ってるんじゃないの? 結局は時間と金を持て余した富豪の遊びだというのがバレバレで一気に冷めます。

他にも精神科医のくせに突然精神を病んでいる患者にキレたりなど腹が立つ部分は様々ありますが,

中でも最も許せないのは,ヘクターが現地で出会う人々のほとんどが英語ネイティブの欧米人だという事実。
中国へ向かう飛行機のビジネスクラスで偶然隣り合った銀行経営者のイギリス人男性(ステラン・スカルスガルド)と仲良くなり,カジノやクラブで遊ぶ金を出してもらう??
アフリカではバーで麻薬密売で儲けているアメリカ人マフィア(ジャン・レノ。嘘でしょ?)と知り合って,命を救われる?????
外国に行く意味,どこにあるんですか?

旅先で出会う現地人も,何の偶然か英語がペラペラな人ばかり。中国で出会う売春婦,チベットのお寺に住む修行僧たち,アフリカのオバちゃん。みんな英語しか話せないヘクターに合わせてファーストランゲージでない英語を話し,逆にストレンジャーであるヘクターは現地の言葉を学んで歩み寄ろうなんてそぶりを微塵も見せません。
というかチベットの老僧なんて日本人俳優だし(伊川東吾さん。「ラストサムライ」とか"SAYURI"とかいろいろ出てます。),英語さえ話せればアジア人なんてみんな同じだという感性を隠そうともしないのはむしろ潔いですね。

そしてあろうことか,冒頭でヘクターとクララはパーティで出会ったインド人女性の訛った英語を2人してバカにしながら大笑いするシーンすらあります。これだけは絶対許せない。観ていてはらわたが煮えくりかえりました。

批判も覚悟で言うと,私はこういう一部の英語ネイティブの傲慢さみたいなものが大嫌いです。
どこの国に行っても,「英語は世界の共通語なんだから,お前たちが俺たちに合わせろよ」みたいなね。
日本でもお店なんかで店員さんに100%の英語で話しかけてる英語ネイティブの方が多くて,それにまごついて頑張って英語で返そうとしてる店員さんを見て「ここは日本なんだから堂々と日本語で接客すればいいのに...」とよく思ったりします。

私自身の経験だと,高校時代に街を歩いていて欧米人女性2人組に英語で道を聞かれ,どこに行きたいかだけはかろうじてわかったので普通に日本語で教えてあげたら,「何言ってるかわかんないから英語でしゃべってよ!」と嘲笑と共に呆れ顔で言われたことがあります。その時も「ん?」と思ったものですが,

その後,大学時代にアメリカの田舎に1年間だけ留学していた時,日本から遊びに来た友人とスーパーのレジに並んで日本語で話していたら,前に並んでいた女性から「あんたらどこのファ***カントリーから来たのか知らないけど,ここはアメリカよ! 英語で喋りなさいよ,気分が悪い!」と突然キレられ,その時にはさすがに腹が立ちました。
英語のネイティブでいることって,そんなに偉いことなのかよ,と。

とは言いつつも,日本の中でもそういうジョークは横行してしまっていて,例えばボビー・オロゴンが日本語を間違えて言ってしまうのをみんなしてバカにして笑ったり,または外国人の親を持ち,見た目は外国人なのに日本語がペラペラな人の存在自体が笑いに変えられてしまっていたりと,そういうことをしておきながら「国際化」を叫ぶとはちゃんちゃら可笑しいとすら思います。

みんなそれぞれ言語の違いは当然あるものだと認識した上で,きちんと歩み寄ろうとすることこそが美しいのではないかと私は思います。私は英語圏の国に行ったらもちろん下手くそなりに英語で会話をしますし,日本で外国人の人に話しかけられたら,時には英語で対応もしますが基本は日本語で話します。それが正しい形だと思っているので。私の英語ネイティブの友人たちには私の英語が下手で訛っているからといってバカにする人はいませんし,私も日本語で頑張って話しかけてくれる外国出身の人のことを決して笑ったりしたくないと思っています。

...話が大幅に脱線しました。

しかし上記の内容を除いても,どこかで聞いたような「名言」みたいなものを何の脈絡もなくポツリポツリと押し付けてくるシナリオ作りや,全く共感できない身勝手なだけの主人公・ヘクターなど,とにかくどこをとっても面白いと思わせられるポイントを見つけられない映画です。

たしかにサイモン・ペッグとロザムンド・パイクのカップルはお似合いでキュートだったし(ロザムンド・パイクはちょっとオーバーアクトな感じはしましたが),豪華なキャスト陣の演技自体は悪くなかったものの,肝心のストーリーの中身が空っぽだったがために失敗に終わってしまったのが残念。
金持ちの道楽を温かい目で見守れる,心に余裕のある寛容な方以外は観ないほうが得策かも...

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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画

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