スポンサーサイト

このエントリーをはてなブックマークに追加
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バードマン (あるいは、無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Birdman] 感想

このエントリーをはてなブックマークに追加

Birdman-Theatrical.jpg

オススメ度: ★★★★★

あらすじ: かつてスーパーヒーロー映画「バードマン」の主役として名を馳せたリーガン・トムソン(マイケル・キートン)は,それ以降はヒットに恵まれず,完全に落ち目の俳優となってしまっていた。

そんな彼はかつての栄光を取り戻すべく,レイモンド・カーヴァーの小説「愛を語るときに我々の語ること」を舞台向けに脚色し,自ら演出と主演を務めることにした。

そして時はプレビュー公演前日。人生を変える最後のチャンスを目前にした彼は,舞台をきっかけとして自らの人生に深く根付いた問題と向き合うこととなる...

Birdman-5.jpg

まず最初に断言しておきましょう。
「バベル」の監督として知られるアレハンドロ・イニャリトゥの最新作である今作は,笑いと哀愁と希望,そして何よりも驚きに満ち溢れた,映画史に残る傑作の一つであると。

もはや何から書き始めていいのかわからなくなってしまうほどに書くべきことが盛りだくさんなこの映画ですが,
まず触れておくべきは,主人公のリーガンにキャスティングされたマイケル・キートンについてでしょう。

かつてヒーロー映画のバードマンとして名を馳せたものの,その後のキャリアはパッとせず...というのは,
ティム・バートン監督の初代バットマンとして名高いキートンのキャリアまさにそのものであり,その意味で最高のハマり役であり,同時に最高に皮肉なキャスティングと言えます。
だからこそか,今作での彼の演技には鬼気迫るものがあり,まさに迫真の演技と呼ぶにふさわしいほどに生々しい。
これほどの演技でなぜオスカーを取れなかったのかが不思議なくらいです。

エンターテインメント界に対する皮肉を描いてきた作品は数あれど,
キートンの演じるリーガンというキャラクターほどに,それらの映画に対する敬愛の詰まったキャラクターもいないでしょう。
なぜなら彼のダークサイドであり本心である「バードマン」の影を乗り越えようとする彼は「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンであり,
「自分は誰にも気にかけられていない」という事実を突きつけられるのが怖いから,変化してしまった時代の象徴であるSNSの世界から逃げる彼は「アーティスト」のジャン・デュジャルダンなのですから。

そしてこの作品の最も特筆すべきところは,まるでほぼ全編がワンカットで撮られているかのようなその撮影法。
その長回しのような撮影によって,俳優たちの演技にも緊張感と迫力が加味されています。
そんな映像監督を担当したのは,これまた驚異の長回し映像で世界をアッと言わせた,「ゼロ・グラビティ」の撮影監督エマニュエル・ルベツキです。

彼の作り出す映像世界では,想像の世界と現実の世界が息をつく暇もなく入り混じり,リーガンが宙を浮いてマンハッタンの空を駆けている時には,まるでそれが現実に起こっているかのように自然と入り込めてしまう。
そんな魔法のような世界が実現してしまっているのです。

最後にこの映画の最もすごいところ。
それは,観客を自然な笑いへと導いてくれることです。
自分が一番の話題となるはずの舞台でゲスト俳優に新聞の一面を独占されてしまった嫉妬とか,
ブロードウェイをパンツ一丁で歩き,バカにされながら写真を撮られまくってでもステージに戻らなければならない責任の重さと執念とか,
そんな「かっこいいだけじゃない人生」を全て明るい,希望に満ちた笑いへと昇華しているところが,この映画と我々の生きる現実をつなぐ最も大きな架け橋になっているのです。

まさに「アカデミー賞もの」な,今年最高の映画の一つ。
映画ファンなら,見逃す手はありませんよ!

関連記事
スポンサーサイト
Theme: 映画感想 - Genre: 映画

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。