ミニオンズ (Minions) 感想

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オススメ度: ★★

あらすじ:

人類が地球に誕生するよりはるか昔。地球上には、バナナをこよなく愛する不思議な生き物、「ミニオン」が存在していた。

独特の言語でコミュニケーションをとる彼らの生きがいは、史上最強にして最凶の悪人ボスに仕えること。
そんな彼らの悩みは、せっかく仕えるべきボスを見つけても、そのボスがすぐにいなくなってしまうことだった。

万策尽きて失望にくれるミニオン達。そんなある日、氷の大地に洞窟を見つけ、そこに居住地を作って平和に暮らし始めた彼らだったが、やはり自分たちには悪人に仕えることこそが生きがいであることに気づき、だんだんと生きる気力を失い始める。

そんな状況を打開すべく、一人のミニオンが立ち上がる。彼の名前はケビン
ケビンは、ボブスチュアートという2人のミニオン達を連れて、最強最悪のボスを探す旅に出るのだが...

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みなさんやっぱり、可愛いものが好きなんですねえ。

アニメ映画の歴史の中でもトップクラスの超絶メガヒットとなった「怪盗グルー」シリーズに登場し、主人公・グルーを置き去りにして一躍大人気となった、①黄色くて②小さくて③丸っこい...という、可愛さを構成する要素をかき集めたかのようなキャラクター・ミニオン達も、ついに自分たちの名前を冠した映画を手に入れるまでに至りました。

もともと大人気のキャラクターのかわいさを前面に押し出した映画、というだけでもヒットは約束されたようなもの。現にこの「ミニオンズ」は公開されて間もないにも関わらず、アニメ映画史上10番目の大ヒット(こちらを参照)となっています。

しかし、問題はそこではありません。
この映画に課せられた最大の課題は、果たして「かわいい」という要素だけで1本の映画をものにできるのか、というところであったのですが...

この映画を見る限り、残念ながら答えはNO
ミニオンという存在の起源から現在のボスであるグルーに出会うまでを描いたこの映画は、ミニオンというキャラクターのインパクトに頼り切ってしまったがために、面白い部分を全て最初に出し切ってしまったのです。

恐竜時代からドラキュラを経て、ついにはナポレオンにまで仕えてしまったミニオン達の経歴を描いた導入部分は確かに超面白い。陽気でドジなミニオン達の行動によって凶悪なボスたちが次々と倒れていく様子がテンポ良く描かれていて、普段は劇場では笑いや涙を抑えるようにしている人でさえも思わず笑いがこぼれてしまうこと間違いなしでしょう。

そこで観客の心をグッと掴んだと思いきや、その後の展開は一気にグダグダに転げ落ちていきます。

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最凶のボスを見つける旅路で、ケビンを始めとする3人(匹?)のミニオンたちはスカーレット・オーバーキル(サンドラ・ブロック)という史上初の女性悪人と出会い、ひょんなことから彼女の手下となります。
スカーレットは過去に周囲から虐げられていた経験から、ミニオン達を使ってイギリスの女王から冠を奪い、自らが女王となろうとします。

ここで私が違和感を覚えたのが、ミニオンがスカーレットの命令をちゃんと理解して、あの手この手を尽くして意外と賢く任務を遂行しようとするところ。
「怪盗グルーと月泥棒」のワンシーンで、グルーがミニオン達におもちゃ(トイ)を買ってくるように命じるシーンがあります。ここではグルーの「トイを買ってこい!」に対して「OK,OK。ポイ」と返すのですが、このシーンが笑えるのは、「お前本当にわかってんのかよ」と突っ込みたくなってしまうような、人間とミニオンの意思疎通のズレが面白かったからです。

でも今作でのミニオン達は、確かにおバカでくだらないことばかりやらかすところは変わりませんが、お互いに意味のあるやりとりをしてたりとか、人間の言うことをバッチリ聞いて目的を遂行すべく行動してたりしたのが、個人的には生みの親の手によって無残にもキャラ崩壊していく様を見せつけられているようで、なんだか冷めてしまいました。

そしてまあミニオン達が喋ることしゃべること。
確かにあの意味不明な言語は見ているだけでも楽しいものではありますが、自分たちだけにしかわからない言語でただただ話し合いだったり会議をしている場面を長々と見せられても...ねえ。

そしてしまいには小さくてかわいいはずのミニオンが巨大化して恐竜映画に姿を変えたりなど、もはや誰得なグダグダ展開が続いて観客の眠気を誘ってきます。

コメディ方向に振り切って、安易にお涙頂戴の展開を一切持ってこなかったあたりは評価すべきと言いたいですが、脚本自体にヒネリがない。
結果として、笑いも映画としての面白さも中途半端な、子供連れのファミリーが夏休みの暇つぶしに、もしくはデートプランも万策尽きたカップルが、「とりあえず会って一緒に何かした」という証拠を作るための時間潰し程度にしかならない残念な作品になってしまったと言わざるを得ないでしょう。

ちなみにこの映画を観終わった後、同じくこの映画を観ていた(であろう)カップルが、満員のエスカレーターの上、スマホでお互いのキメ顔をパシャパシャ撮りながら画面を見せ合って、キャッキャキャッキャとはしゃいでいました。

それを見て「ああ、リア充ってすげえなあ。俺には一生理解できない領域だ」と思ったものですが、この映画を観て満足できるかできないかって、つまりはそういうことなんじゃないのかなあ、なんてぼんやりと思ったのでした。



P.S.

作品が終わってエンドロールに突入しても、席を立たないようにしてください。

エンドロール終了後に流れるおまけ映像は、本編のつまらなさはなんだったのと言いたくなるくらいに楽しい気分にしてくれる秀逸なものです。
おそらく製作されるであろう次回作では、本編も今作のプロローグとこのおまけ映像レベルのものを作ってきてほしいと願うばかりです。



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