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パレードへようこそ (Pride) 感想

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オススメ度: ★★★★☆

あらすじ:

マーガレット・サッチャー政権下の1984年夏、ロンドン。
政府の炭鉱閉鎖方針に対してストライキを行う炭鉱労働者たちの報道を見た同性愛者グループの活動家・マーク(ベン・シュネッツァー)は、炭鉱労働者たちの姿に保守的な考えに弾圧されている自分たちの姿を重ね、彼らを救済すべく仲間たちと「LGSM (Lesbien and Gays Support the Miners)」という組織を結成し、募金活動をすることに。

しかし、ゲイとレズビアンの活動家グループであるマークたちが必死でかき集めた支援金を受け入れる炭鉱団体はなかった。
もうこうなったら、直接支援金を渡しに行こう! そう考えたLGSMのメンバーは、様々な炭鉱団体に電話をかけるが、やはり受け入れてくれる団体はなし。

もう希望はないのか... そう考えていた彼らだったが、なんとウェールズにあるディライス炭鉱が彼らの支援を受けてくれることに。
労働者たちに直接寄付金を渡すため、喜び勇んでロンドンからウェールズへ向かうのだが...

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今、英語圏の若者たちの間で"Gay"という単語がどういう意味で用いられているかご存知ですか?

例えば、"The party ends at 11:00pm? That's so gay!"とかって使うんですけど、「11時でパーティ終わりなんて、それって最悪だな!」という意味になります。
そう。"Gay"という単語は今や、「同性愛者」とか「派手な」という意味が転じて、「最悪な」「ダサい」「くだらない」みたいな意味へと変わってきてしまっているんです。

考えてもみてください。今、2015年ですよ?
個人の尊重が叫ばれ、一部の国ではともかく、今や同性結婚が認められている国だってあるんです。だというのに、「誰を好きになるか」という違いだけで蔑みの目で見られ、本当の気持ちを隠しながら生きていかなければならないなんて、世知辛い世の中だと思いませんか。

1984年に起きた嘘みたいな実話を基にして制作されたこの「パレードへようこそ」は、そんな世の中に喝を入れる、どこまでも前向きで陽気、そして誠実な作品に仕上がっています。

ロンドンの同性愛者と、ウェールズの田舎の炭鉱労働者。なんて「水と油」な組み合わせなんでしょう。

この映画を観て初めて知りましたが、1984年のイギリスでは、なんと未成年者が同性愛者でいることは犯罪に数えられていたそうです。
そんな中、保守的な考えのもとで育ってきた炭鉱マンたちが同性愛者たちの支援を素直に受け入れるか? 答えはもちろん、ノーです。

というより、同性愛者なんて人種がこの世に実在するとすら考えたこともなかった彼らの前に、突然「私たちは同性愛者です!」と名乗る人たちが現れたらどうなるかは容易に想像がつきます。だって、犯罪者ですよ。人間として自然な形から外れた、もはや宇宙人も同然の連中なわけですよ。

人間というのは未知のものを拒絶しがちです。実際に触れてみたこともないものでも、自分と違うものは「気持ちが悪い」と偏見を先行させてしまうもの。
しかしこの映画が提示しているのは、一見相入れなさそうな2者でも、実際に一人の人間同士として触れ合えば分かり合えるのだというポジティブなメッセージです。

マーク率いるLGSMのメンバーに会う前はまるでバケモノにでも会うかのような不安感を見せていた炭鉱の女性陣は、彼らとあって話をした途端に彼らのことを大好きになり、最終的にはロンドンのチャリティコンサートの手伝いに来た際、ゲイカップルの家に置いてあったエロ本や大人のおもちゃを見て大喜び。
そして最初は拒絶反応を示していた男性陣も、ゲイの男性陣にダンスを習いたいと歩み寄るまでに親交を深めていきます。

しかし、中には頑固で偏見を曲げず、LGSMのメンバーを影で貶めようと動く人ももちろんいます。
この映画の素晴らしいところは、偏見を持ってしまうのを仕方のないことだと認めた上で、それでも一歩踏み出してみれば、そこには広い世界が広がっているということを、イギリス映画らしいシニカルな笑いと、そして炭鉱のおばちゃんたちのとびっきり明るい笑顔で観客に信じさせてくれること。

この映画は、グレーゾーンの微妙なところに言及しているわけではありません。
同性愛者でいることが法律で禁じられていた'80年代イギリスでも、絶対に分かり合えないと思われていた人々が分かり合えたのに、多様化が進んだ2015年の現在において未だ同性愛者が生きづらいこの世の中は間違っている! と、はっきりと大きな声で叫んでいるのです。

ラストの希望に満ち溢れたパレードのシーンを見れば、製作陣の「この映画で世界を変えてやろう」という強い思いがひしひしと伝わってきます。
そんな作り手たちの思いに、私は涙が止まりませんでした。

信念を込めて作られた映画は観る人の心を強く突き動かし、その観客の考え方を変えることだってあります。
そんな風に映画からポジティブな影響を受けた人が一人でも増えれば、同性愛者に限らず、現在世間にはびこっている偏見や差別は少しでも良くなるかもしれません。

もしかしたら、この一本の映画が本当に世界を変えられるかもしれない。そんな可能性を感じさせてくれた、全人類必見の一本です。

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Theme: 映画感想 - Genre: 映画

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